希望の船編
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「賭博黙示録カイジの登場人物」の記事における「希望の船編」の解説
古畑 武志(ふるはた たけし) 声 - 松本保典(アニメ版)、山本兼平(BeeTV版) 演 - 佐奈宏紀(舞台) カイジの元アルバイト仲間で、カイジが裏世界に足を踏み入れる発端を作った人物。 気弱で他人に流されやすい性格。根っからの悪人ではない分だけ余計にタチが悪い。借金取りにそそのかされ、カイジを連帯保証人に据えて行方をくらました。 エスポワールでカイジと再会し、限定ジャンケンで共闘することとなる。結局は安藤にそそのかされてカイジを裏切ったものの、復活を遂げたカイジから安藤ともども制裁を受け、余剰分の星と金を失う。結局、借金返済は果たせず、船で新たな借金を背負うことになる。その後の消息は不明。 カイジが自分から進んで別室行きになった際は、安藤と共に涙を流しながら「必ず助ける」と約束していたが、実際は自分に酔っているだけの決意無き涙を流していただけで、無意識下では用済みになったカイジを切る算段を冷酷に始めており、当初は約束通りカイジを助けようとするも、本性を現した安藤にそそのかされて、自分自身の利得と利益の現実に心が傾き、カイジに「ごめん」と謝りながら裏切った。カイジを裏切ったことに後悔した態度を見せたが、聖人君子の善人というわけでもなく、カイジを裏切ったことで、その姿は安藤同様、カイジの脳裏に焼き付いている。実写映画版でも名前のみ登場する。 安藤 守(あんどう まもる) 声 - 桜井敏治(アニメ版)、佐々健太(BeeTV版) 演 - 宮下雄也(舞台) エスポワールでカイジ、古畑と共闘することになる眼鏡を掛けた肥満体型の男。自分より強い者には弱く、自分より弱い者には強い性格。 3人でチームを結成するも、直後に古畑を騙して抜け駆けを目論んだ。さらにゲームの最終局面では、生き残るための戦略として自ら別室に落ちるカイジから救出を託されたが、欲に目がくらみ古畑をそそのかして約束を反故。借金を清算し、さらに大儲けするためにカイジを見捨てて地獄送りにしようと企てるも、カイジは自力で別室から生還したために失敗、その行いに激怒したカイジから制裁を受け、余った星と金を全て没収されてしまう。最終的に生還は果たしたものの、船で新たな借金を背負う羽目になる。その後の消息は不明。カイジに忠実に動いていたのも、カイジに頭が上がらなかっただけで、最初も最後もカイジが離れた途端に裏切り者の本性を現して、古畑と共に流した涙も自分に酔っているだけの決意無き涙に過ぎず、100%の意識下と腹の底では、用済みとなったカイジを冷酷に切る算段を始めていた。古畑と共にカイジを裏切った後は、カイジが自力で生還するまでは本性丸出しで横暴な態度で金儲けを行っていた。カイジを裏切ったことで、その時に見せた醜悪な姿は古畑同様、カイジの脳裏に焼き付いている。 あまりの身勝手な言動から、『カイジ語録―無防備なヤツは喰い殺される』では「人間として救いようのないクズ」、『別冊宝島912 カイジPERFECT BOOK―賭博黙示録・破戒録徹底解析』では「クズの中のクズ」「キング・オブ・クズ」との評価をされている。 希望の船編以降作中には直接は登場していないが、カイジの脳裏に卑劣な裏切り者として焼き付かれており、そのシーンは何度も回想で登場する。 船井 譲次(ふない じょうじ) 声 - 石川英郎 演 - 山本太郎(実写映画版)、鯨井康介(舞台) エスポワールの参加者。関西弁で話す。狡猾な人間性で、前回もエスポワールに参加したリピーターである経験を利用し、カイジに何度も苦汁を舐めさせた。 限定ジャンケンが始まる前の軍資金貸付では「何をするか分からない」という表向きの理由を周囲に聞こえるようつぶやきつつ、上限額を借り受けた。その考えに感化されて同じく上限額を借り受けたカイジに目を付け、ゲームシステム上の盲点を突く作戦をそそのかした末にトリックを成功させ、カイジから星2つを騙し取る。またゲーム終盤では、残った参加者に手持ちのカードをシャッフルしようと呼びかけ、大量のカードを保持していたカイジの待機作戦を潰した。カイジをはじめとする他者の一枚上手を行く動きを終盤まで見せていたものの、一瞬の油断をカイジに突かれ、最終的には自身がゲーム状況を誤認していたことが致命傷となり、唯一残る対戦相手であるカイジの要求(星を5個かけての勝負)を呑む以外に生還の道が完全に絶たれ、9個あった星を5個失い、大借金を抱えて下船するという結末を迎えた。 実写映画版ではエスポワールのリピーターという設定は無くなった。映画1作目では原作同様、限定ジャンケンでカイジから星2つを騙し取るも、カードシャッフルの際にカイジの手持ちカードに自分の血が付着していた事に気付いていた事を逆手に取られ、星3つを賭けた勝負でカイジに負けてしまい、無理矢理カイジから星を奪い返そうとした結果、別室送りにされる。映画2作目では、限定ジャンケンで敗北したことで地下送りにされるも、頭脳優秀であったことから利根川同様、地上で動く工作員として活動していた。裏カジノにおいて姫と奴隷の進行役を担当。復讐のためにカイジを言葉巧みに騙してライオンに喰わせようとするも、カイジには通じずクリアされ、散々、負け惜しみを言いながら黒服に再び別室送りにされた。 バランス理論の男 声 - 小野健一 演 - 松田岳(舞台) エスポワールの参加者。原作では名前は無く、舞台版では杉田という苗字が設定されているが、アニメ版のクレジットでは「ハイエナ」と表示されている。3回勝負する度にグー・チョキ・パーを使い分け、終盤までカードの選択を出来るよう残りの手持ちのカードを平均化する「バランス理論」を実践している。また星の所有数が1~2個になった落ち目の人間だけを相手に絞って戦術を展開しており、カイジに「ハイエナ野郎」と揶揄される。 参加者2人を別室送りにした勢いで、星1つとなっていたカイジに勝負を挑む。だがこれは全てカイジの策略で、対戦相手が「バランス理論」に外れた戦術を取るはずがないと思い込んでしまっていたため、1勝3敗と負け越す。 北見(きたみ) 声 - 矢尾一樹(アニメ版)、小野坂昌也(パチスロ版) 演 - 聡太郎(実写映画版)、馬場良馬(舞台) エスポワールの参加者。カイジ以外では珍しく、事前にエスポワールの情報収集をしていた様子も無い初回参加者でありながら、限定ジャンケンの本質を見抜き、様々な戦略を立てて駆使した男。 カイジ同様、他の2人の参加者と組んで3人グループとなり、グーのカードを買い占める戦術を思いついたが、カイジが先んじていたために難航すると、すぐにパーのカードを買い占める戦術に変更する。その結果、古畑と安藤から星を1つずつ奪い、3人で12の星を獲得する。仕上げとして、余計なカードを使い切るためにカイジに勝負を挑んだが、カイジの口車に乗せられて星3つをかけた勝負をすることとなった。そして、どのカードを出すかをカイジに見破られていたために敗北。さらに敗戦の責任をめぐって仲間2人と口論となり分裂する。その仲間2人が、北見からの内心、見下された態度に辟易していたこともあって簡単にカイジに買収され、やむなく北見は手持ちのカードを処分するために200万円をカイジに払ってゲームを降りる。 岡林(おかばやし) 声 - 西村朋紘 エスポワールの参加者。仲間と結託して不正を行うため、自らエスポワールの別室に送られた男。借金が多すぎるため一度は参加を断られたが、仲間にも借金を背負ってもらい、ようやく参加できた。 別室において、何の見返りもなく助けられることを期待した末に裏切られた石田やカイジを嘲笑。カイジの目の前で裏切った安藤と古畑の行為を賢明で当たり前であると称賛した他、「絆だの友情だの訳の分からないもので貰えるのは、旅先での土産と絵はがき、あるいは思い出というガラクタなどといったそんな程度のもの」であることをカイジに教えた。自身は助けられるための見返りである宝石を、あらかじめ背中の絆創膏に隠し持っていたために別室を抜けることに成功するが、出ようとする直前にそれを見破ったカイジに襲われ、その混乱に紛れて隠し持っていた宝石を奪われカイジの生還を許した。宝石には星3つ以上の勝ちがあったため、持っていたカイジを助けざるを得なくなり、星三つを使わう事になった。この時のカイジは岡林が言ったように、絆や友情などではなく自力と利益で生還したが結果的に自身が称賛した安藤と古畑の行為が皮肉にもそのまま自分達にとって大損する羽目になる結末を迎えた。(もしカイジが裏切られていなければ自力で生還するために宝石を奪われることもなかったため) 高田(たかだ) 声 - 髙階俊嗣 演 - 丸山智己 エスポワールの参加者。限定ジャンケンに終盤まで残った参加者の1人。どのカードを持っているか把握している特定の参加者を狙い撃ちする待ち伏せ作戦を取っていたが、船井の残った参加者全員によるカードシャッフルの提案によって頓挫する。その後カイジと対戦し、幸運にも勝利して生き残った。なお、その後の鉄骨渡りレースの参加者の中にも姿を現していた。 坂井(さかい) 声 - 中村悠一 エスポワールの参加者で、リピーターの一人。岡林グループと同様の不正を行うため、必勝法と偽り石田を別室送りにする。そして2つの余分な星を手に入れ、ゲーム終了後は石田を見捨てて、岡林の予想した通り待合室でくつろいでいた。 石田 光司(いしだ こうじ) 声 - 家中宏(アニメ版)、中村大樹(パチスロ版) 演 - 光石研(実写映画版)、なだぎ武(舞台) 多額の負債を抱える中年男性。気弱でお人好し、いわゆる典型的な騙されやすいタイプ。 借金取りから逃れながら生活している妻、借金まみれの息子がおり、彼らのためにも借金を返すためエスポワールに参加するも、坂井に騙され別室送りになってしまう。しかし船内で唯一、真剣に身を案じてくれたことに恩義を感じたカイジに助けられ生還を果たす。 その後、スターサイドホテルでのギャンブルにも参加。1戦目の人間競馬を渡り切り1000万円の引換券を手にするが、2戦目となる超高層鉄骨渡りの途上、死の恐怖から足がすくんで一歩も動けなくなってしまい、妻の借金を代わりに返済してほしいと自分の引換券をカイジに託す。その後、カイジが振り返る直前に、カイジに余計な動揺を与えないように声を強引に押し殺して、無言のまま自ら飛び降り『消滅』した。カイジの思い出の中の死んだ仲間の中に入って居る。 最期までカイジと家族を案じ、人間性を失わなかった石田の矜持は、その後のカイジの精神に大きな影響を与えることとなる。 また劇中では珍しく自分の借金ではなく、他人(息子)の借金を返すために行動していた数少ない人物。 実写映画版ではエスポワールでカイジと組んで船井に勝利するが、最後にカードを1枚余らせてしまい生還できず、カイジとともに地下の強制労働施設送りになる。
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