限定ジャンケン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 14:00 UTC 版)
本作に登場した最初のギャンブル。大型客船「エスポワール」で開催される「第3回・クリエイティブクルーズ」で登場。 参加者それぞれに、星3つと星を貼り付けるマジックテープ、グー、チョキ、パーの3種4枚ずつ、計12枚のカードが配られる。カードを1回につき1枚使用して、他の参加者とジャンケン勝負をする。勝負のやり方は、まず対戦相手を探し、承諾を得たら船内にあるボックスを挟んで1対1で向かい合う。次に「チェック」で自分が出すカードを確かめ、「セット」で伏せて提出(この時点でもう変更は出来ない)。そして「オープン」で同時にカードを公開。勝った者は負けた者から星を1つもらう(あいこの場合は引き分け扱いとなり、星の移動はなし)。使ったカードは結果に関係なくボックスに開いている穴に投入し二度と使用することは出来ない。投入されたカードは即座に自動的に集計される。船内の電光掲示板には「残り時間」と、「グー、チョキ、パー、それぞれあと何枚ずつ残っているか」がリアルタイムで表示される。所持するカードを全て使い切った時点で、星を3つ以上持っていれば「勝ち」となる。 「負け」となる条件は次の通り。 制限時間である4時間終了時にカードを使い切れていなかった場合 制限時間終了時に星が規定数に足りていなかった場合 星が無くなった場合 基本的に「負け」となった者は別室送りにされる。ただし例外も存在し、また「負け」とは別に主催者側の判断で別室送りにされる場合もある。別室送りに関する事項は次の通り。 「負け」の条件の1または3を満たした場合は即座に別室送りとなる。 「負け」の条件のうち2のみを満たした状態(制限時間終了時に星が規定未満でカードが0枚)では、本来なら即別室送りとなるべきであるが、この場合に限り10分間の星の売買タイムが設けられ、そこで星が規定に達しなかった場合をもって別室送りの扱いとなる。 作中では、ルールで禁止されているカード破棄を行った参加者が別室送りにされている。 他にも、暴力行為については別室送りに処する警告が主催者側からなされている。 その他のルールに関しては次の通り。主催者側はゲームに関する情報を最低限しか出さないスタンスを取っているため、隠れたルールも多い。 勝負前に全参加者へ最低100万円、最高1,000万円(30歳以上は最高500万円)が貸し付けられる。金額は各参加者が決められるが、貸し付けそのものは必ず受けなければならない決まりとなっている。10分ごとに利子が加算される「10分複利」で、利率は1.5%。この貸付はギャンブルの内容が伝えられる前に行われる。 この金の使い方は一切自由と説明されている。 4時間いっぱいまで勝負をした場合、約4割増しの金利となり、またその旨は主催者側により説明されるが、実際は参加者全員に4時間分の金利が課せられるわけではなく、勝ち上がった者はゲームスタートからその勝ち上がりまでの時間により金利が計算される。 「勝ち」の条件を満たすための星数は本来3つであるが、それは初参加者の場合であり、リピーターの場合は4つ必要となる。 「勝ち」の条件を満たせばその時点で勝ち上がりとなるわけではない。「勝ち」の条件を満たした状態で「あがり」を申告することで初めて成立する。 勝ち抜けた時点で規定数を超える星を持っていれば、超過分を主催者が1つにつき400万円で買い取る。劇中では、「勝ち」の条件を満たした者に個別にこの情報が伝えられる様子が描かれているが、該当者全員に的確に伝えられているかは疑わしい面がある。 「負け」になった者の残りのカードは、使用済みカードと同じくボックスに入れられ集計される。 勝負での使用、または失格による没収以外でカードを破棄することはルール上禁止とされているが、参加者間での合意に基づくカードの譲渡と売買は可能。また、星についても同様。勝負外での星やカードのやり取りが可能であるため、カードが無くなった状態で星が規定未満であっても「負け」は確定しない。また、星が規定に達した状態で所持しているカード全部を他人に渡すことで勝ち上がることも可能である。 参加者同士が協力してゲームに臨むことについては特に制限は無い。よって、仲間を組んであいこを繰り返すことでカードをノーリスク で消費する、というような戦術も成立する。 原則、1回の勝負の結果、行われるやり取りは星1つの移動であるが、当事者全員間の合意があれば以下のことが可能。1回の勝負に複数個の星を賭けること 対戦者以外の者(共同戦線の仲間等)の星を賭けること ゲーム終了後、10分間の星の売買タイムが設けられる。参加権があるのは「勝ち」の条件を満たしてゲーム終了まで残った者と、「負け」の条件2のみを満たしている者である。具体的に以下のことが行われる。売買タイムの参加権がある参加者同士で星のやり取りをする。その結果、星が規定数に至った者は別室送りを免れる。この情報は、ゲーム終了間際に星が2個以下でカード0枚である者に個別に伝えられる。 名目上は星が足らない者に対する救済措置であるため、大抵の場合は、星が余っている者から足りない者に主催者買取額の400万円を超える500万円以上 で売られることとなる。 同時並行して、既に別室送りとなっている者を別室から救出する機会が設けられる。そのためには星を3つ主催者側に支払う必要がある。ただし、この別室の者の救済措置については認められてはいるものの、主催者側からは一切アナウンスはない。 救出された者は新たに売買タイムに加わる形になる。 勝てば(厳密にいえば下船がかなった場合)その参加者の乗船までの借金を主催者が全額肩代わりする(前述の「勝負前の貸付」については乗船後の借金であるため適用されない)。 あまりに借金が多い場合は参加を断られる場合があるという。実際、岡林は他の人物にいくらか借金を肩代わりさせ、見かけ上の借金額を抑えることでようやく参加できた。 勝負前の貸し付けに関してはいわゆる暴利であるが、この船に乗っているのは、いずれも多額の債務を背負っている者ばかりであるため、借金一括返済というチャンスを考えれば「良心的金利」であると主催者は語っている。 「参加者全員に星が3つずつ配られている」という点と「星を3つ確保すれば勝ち」という点から、「参加者全員で結託してあいこを繰り返すことでカードを完全に消費しきれば、全員助かる」とも考えられるが、「最後にある星の売買のために、必ず裏切る者が出る」「余った星は主催者が買い取る」「リピーターは星4つ必要」といった要素があるため、必ず「別室送り」になる者が出る仕組みになっている。 また、ゲーム終了後の星の売買は制限時間内に規定数の星を集められなかった者を少しでも救うために認めていると主催者は語っているが、真の理由は別室送りになる者を増やすためである。星の売買を認めない場合、星の数が1つもしくは2つの者達は彼ら同士で勝負せざるを得ないが、この場合半数が星がなくなり別室送り、残りの半数が星3つ集めてクリアとなる。しかし星の売買を認めることにより皆リスクのある勝負を避けて星の売買に賭けようとするが、実際に星の売買で規定数星を集められる者はほとんどおらず、より多くの者が別室送りとなる。 別室送りになった者は腕に数字が書かれた焼印を付けられる。その後、エスポワールに乗ったままどこかへ連行される(最後の星の売買タイムで救出された者を除く)。船井が聞いた噂によれば、「新薬の実験台にされ、廃人にされる」「ホモへの売春を強要される」といった過酷な運命が待ち受けているという。 作者は株価の高騰・暴落などの相場の変動を表現したかったと語っている[出典無効]。
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