地中海戦線とは? わかりやすく解説

地中海戦線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/11 01:46 UTC 版)

イラストリアス (空母・初代)」の記事における「地中海戦線」の解説

イラストリアス竣工同時に地中海戦線に配備された。8月22日重巡洋艦ヨーク (HMS York, 90) と軽巡洋艦シェフィールド (HMS Sheffield, C24) に護衛されイギリス離れジブラルタル向かった給油後、イラストリアス8月30日ジブラルタル出港し地中海艦隊へ加わるため、戦艦ヴァリアント (HMS Valiant) などと共に地中海通ってアレクサンドリアへと向かったハッツ作戦)。9月2日マルタ南西沖で地中海艦隊司令長官カンニガム中将旗艦ウォースパイト)と合流する大型艦3隻(イラストリアスヴァリアントバーラム)が地中海艦隊増強されたことにより、地中海戦力バランスイギリス側に傾いた。イギリス海軍士気高まった4日にはイラストリアス空母イーグル (HMS Eagle) の搭載機ロドス島空襲し、5日アレクサンドリア到着した9月15日戦艦ヴァリアント重巡洋艦ケント (HMS Kent, 54) 、駆逐艦7隻と共にアレクサンドリアから出撃する第3巡洋艦戦隊合流後16日から17日夜にベンガジ空襲し、イタリア駆逐艦ボレア (Borea) と貨物船2隻を撃沈し機雷敷設した9月28日マルタへの兵員輸送に当たる軽巡グロスター (HMS Gloucester, C62) とリヴァプール (HMS Liverpool, C11) がアレクサンドリアから出港。その護衛として、イラストリアス戦艦ウォースパイトHMS Warspite)、ヴァリアントなども出撃した(MB5作戦)。グロスターリヴァプールは無事マルタ到着し、2隻が兵員降ろしたあと艦隊帰投した。 10月マルタへの補給作戦MB6作戦)に参加軽巡エイジャックス (HMS Ajax) の砲撃大破したイタリア駆逐艦アルティリエーレ始末するためソードフィッシュ3機を放ったが、魚雷は1本も命中しなかった(パッセロ岬沖海戦)。帰投途中10月13日から14日にかけての夜にレロス島空襲した。 詳細は「タラント空襲」を参照 この頃カニンガム提督隷下空母2隻(イラストリアスイーグル)によるターラント奇襲計画し10月21日夜の実施目指した。だがイラストリアス事故発生して延期余儀なくされ、またイーグル燃料系統損傷により奇襲作戦参加できなくなったイラストリアスイーグルソードフィッシュ5機を受け入れた11月7日地中海艦隊旗艦ウォースパイト)は輸送船団護衛をかねてアレクサンドリア出撃するジャッジメント作戦)。折しもイタリア海軍10月下旬からはじまったイタリア軍ギリシャ侵攻のため主力部隊ターラント集結させていたので、英海軍にとって好都合だった地中海艦隊は、牽制陽動兼ねた偵察部隊カニンガム提督本隊、ラムリー・リスター少将空襲部隊わかれており、11月11日空襲部隊本隊分離してターラントむかった。同11日夜、イラストリアスソードフィッシュ21機を放ったタラント軍港にはイタリア海軍の主要艦艇揃っており、ソードフィッシュ夜間奇襲攻撃喪失2機と引き換え大戦果を挙げた戦艦3隻(リットリオ、カイオ・デュイリオ、コンテ・ディ・カブール)が大破着底し、2隻は戦線復帰できたが、コンテ・ディ・カブール (Conte di Cavour) は修理未完了のまま放棄された。12日イラストリアス本隊合流して帰途についたイタリア王空軍空襲受けたが、直衛機で撃退した北アフリカ戦線ではイタリアのエジプト侵攻により連合軍枢軸国軍の間で陸戦繰り広げられイギリス軍12月上旬からコンパス作戦発動していた。陸軍支援のため、地中海艦隊バルディア英語版近郊イタリア陸軍艦砲射撃実施するMC5作戦)。イラストリアス砲撃部隊ウォースパイトヴァリアントバーラムモニター艦護衛部隊)の上支援対潜哨戒弾着観測おこなった地中海制空権握れないイタリア王空軍 (Regia Aeronautica) を支援するため、ドイツ空軍 (Luftwaffe) が助っ人として登場した。ハンス・ガイスラー中将率いる第10飛行団英語版ドイツ語版)で、1940年末にシチリア島など5つ航空基地展開した。第10飛行団イラストリアス撃沈命じられパイロット達は洋上浮かべた標的イラストリアス見立てて訓練おこなったという。カニンガム中将評したように、ドイツ空軍ルフトバッフェ)とJu 87 (Junkers Ju 87 Stuka) はイタリア空軍比較ならないほどの脅威となった1941年昭和16年1月初頭イラストリアスMC4作戦エクセス作戦 (Operation Excess) に参加する1月7日カニンガム提督指揮するA部隊ウォースパイト旗艦〉、ヴァリアントイラストリアス随伴駆逐艦)はエジプトアレキサンドリア出撃した。A部隊は、マルタ島に向かう輸送船団護衛していた。途中でジブラルタルからきたH部隊および輸送船団合流した1月10日地中海艦隊マルタ南方海面イタリア空軍ドイツ空軍に襲われる。まずサヴォイア・マルケッティ SM.79魚雷装備)2機がイラストリアス襲ったが、直衛戦闘機撃墜しヴァリアント投下され魚雷回避したつづいてシチリア島配備されていたドイツ空軍第1急降下爆撃航空団英語版第1飛行隊と第2急降下爆撃航空団英語版第2飛行隊スツーカ 合計43機が地中海艦隊攻撃したイラストリアスの直衛機は補給のため母艦着艦しようと低空降りており、また直衛機の緊急発進も間に合わず、高度4,000メートル飛来しドイツ空軍機を阻止できなかった。イラストリアス命中弾6発と至近弾3発を受ける。500kg徹甲爆弾飛行甲板装甲貫通して大穴をあけ、またエレベーターへの命中弾で損傷拡大するイラストリアス炎上し200名ほどの戦死者負傷者出した操舵装置破壊されたが機関は無事であり、駆逐艦4隻に護衛され速力17ノット退避開始同日マルタ到着したヘルマン・ゲーリング空軍元帥は、修理中のイラストリアスを葬ろうと尽力した1月16日メッサーシュミット護衛されスツーカ 44機がマルタ島空襲する。イラストリアス爆弾命中した19日またしてもスツーカ 42機の空襲をうけたが、ハリケーン戦闘機迎撃もあり、イラストリアス至近弾2発で済んだイギリス海軍イラストリアスマルタ島から脱出させることにした。23日夕刻駆逐艦4隻と共にマルタ離れ軽巡パース (HMAS Perth, D29) にも護衛されて、25日アレクサンドリアに戻る。マルタ13日間も標的化していたイラストリアス撃沈されず、乗組員造船所工員必死努力によって応急修理成功しアレクサンドリア撤退できたのは奇跡であったアレクサンドリアでもさらに修理を受け、それからイラストリアスは完全な修理のため3月10日アレクサンドリア離れてスエズ運河南アフリカ経由アメリカ向かい5月12日バージニア州ノーフォーク海軍造船所到着したイラストリアス1941年昭和16年12月アメリカ離れイギリス戻った。だが、この航海中の12月16日同行していた空母フォーミダブル (HMS Formidable, R67) と衝突して艦首損傷し、その修理にさらに時間費やした

※この「地中海戦線」の解説は、「イラストリアス (空母・初代)」の解説の一部です。
「地中海戦線」を含む「イラストリアス (空母・初代)」の記事については、「イラストリアス (空母・初代)」の概要を参照ください。


地中海戦線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/06 23:53 UTC 版)

スーパーマリン スピットファイア」の記事における「地中海戦線」の解説

地中海の戦い (第二次世界大戦)」も参照 防塵フィルターボークス(Vokes)を機首下に装備したスピットファイア Mk. Vが、ドイツ軍イタリア軍対峙していた北アフリカ地中海中東へ派遣された。最初に派遣されたのは補給が困難となったマルタ島で、1942年空母イーグルから発艦して直接マルタ島飛行場降り立った。この進発皮切りにスピットファイアが主に空母送られたが、一時的にイギリス海軍ドイツ空軍空襲により制海権失いかけると、ジブラルタルからマルタ島まで直接補給スピットファイアを送る試みなされた。この試みで、大型増槽装備武装削減施されMk. V巡航で1,770 kmを無補給飛び17機のうち1機を除いてマルタ島にたどり着いたその後イギリス海軍協力得てスピットファイアだけで270機以上がマルタ島送られドイツ空軍イタリア空軍との戦闘繰り広げた北アフリカでは、ボークス装備にともなう空気抵抗によって速度低下及び機動性劣化避けられなかったため、小型のアブキール・フィルターが現地部隊によって開発された。これによって、速度低下機動性劣化多少改善された。また、より高性能Mk. VIII送られるシシリー島イタリア戦線アメリカ空軍連携して戦線支えた。しかし、イタリア戦線でも制空任務への役割低下すると、地上攻撃従事した

※この「地中海戦線」の解説は、「スーパーマリン スピットファイア」の解説の一部です。
「地中海戦線」を含む「スーパーマリン スピットファイア」の記事については、「スーパーマリン スピットファイア」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「地中海戦線」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「地中海戦線」の関連用語

地中海戦線のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



地中海戦線のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのイラストリアス (空母・初代) (改訂履歴)、スーパーマリン スピットファイア (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS