地の一族
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 08:32 UTC 版)
「ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド」の記事における「地の一族」の解説
便宜上、本項では、地の一族の夫人(生物学的には普通の人間)なども併記する。
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「ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド」の記事における「地の一族」の解説
狼の姿に変身することができる一族。いわゆる人狼だが、変身時に月齢の影響は受けない。変身の度合いは本人の意思で調節が利くらしく、身体の一部だけを獣化させる事に始まり、人型を維持した半人半獣の状態を経て、完全な狼そのものの姿にまでも変身可能である。ヴァンパイアほどではないがかなりの長寿を誇り、数百年は生きる。 元々は太古のヴァンパイア帝国を支配していた真祖によって増えすぎたヴァンパイアを狩り立て適度に間引くために生み出された種族であり、狼の姿に変身すれば顕身したヴァンパイアでさえ逃れるのが難しい程の力を持っている。しかし「最初の人狼」が人間に組して反逆したことが切っ掛けで創造主から放逐され、放浪の果てに旧敵であったヴァンパイアを頼り、種族として主従関係を結ぶ。 ヴァンパイアウイルスに対する「自壊因子(アポトーシス)」が組みこまれており、ヴァンパイアに血を吸われても吸血鬼化せず、48時間以内に抗体ワクチンを接種しなければ、通常のヴァンパイア化する72時間を待たずして衰弱死する。 普通の人間の男性と同じく人間の女性と交わる事で子孫を作るが、地の一族としての能力は男性にのみ発現するため、タチアナなどの地の一族の男性と人間の女性の間に生まれた女性は普通の人間と変わりない。また、男性にも必ず因子が受け継がれるわけではなく『人狼の因子』が顕在化する時期にも個人差がある。通常は物心がつく頃に人狼化するようになり、まずは「変身しないように」しつけられる。 女性に確実に人狼の因子を持つ男児を妊娠させる方法も存在するが、その方法が「人狼化した状態で女性と交わる事」であるため、女性にとっては精神的な苦痛を伴う。血脈の危機の場合など、緊急的な措置として行われる。その方法を採った場合、産まれてくる子供は最初から人狼の姿をしている。地の一族の子供を産む事は、女性の身体に非常に大きな負担をかける。アキラの母親は地の一族の男児を2人も産んだために、車椅子の生活を余儀なくされた。また、タチアナの母親はサーニンを出産した際に、人狼の姿で産まれてきた我が子を見て精神的に強い衝撃を受け、半ば廃人となってしまっている。これらの事から地の一族の男性には女性を尊び大切にする風潮がある。 地の一族は人間の姿のままでも身体能力や五感が優れており(その分香辛料などの刺激物が苦手で、口に入れば少量の辛子程度でも悶絶する)高い回復力も持つが、銀に弱い。銀が体内に入れば大きなダメージを負うのは勿論、銀製品を直接身に着ける事すら出来ない。劇中で銀粉を浴びせられたアキラは一瞬のうちに皮膚が爛れ、前後不覚の状態に陥った。心臓を貫かれても再生する力を持つ事から作中で登場した人物の「古傷」は銀製の武器による物と思われる。人狼としての能力を発揮する獣化も発揮されるパワーや寒冷地等での適応力に対して通常時の10倍のカロリーを消費するなど燃費は悪い。通常時も常人の1.2倍の消費量であり、見た目を上回る大食い。 人狼の特質の内「自壊因子」「伴性遺伝」はヴァンパイアとの主従関係の成立と共に改変された物であるという説が存在し、かつて「ヴァンパイアの特質を獲得した人狼」や「女性の人狼」が存在していた事が示唆されていた。アーロンやキャルが人狼の形質を持って生まれる女性は1/5000といわれ数10年の間報告例がないなど、単純に希少であるとも発言している。 ベイオウルブス ツェペッシュ家に仕える騎士団。人狼騎士団とも呼ばれる。バンドには少なくとも3000人の団員がいる。 地の一族はかつては氏族ごとに活動し、各々が独自のヴァンパイア支族に仕えていたが1815年、ツェペッシュ公主家再興に端を発した抗争「ワルシャワの大粛清」を切っ掛けにほぼ統一され、ベイオウルブスと称して独立。現在はあくまでも「契約」という形でツェペッシュ公主家に仕えている。 任務時に着ている制服や作戦時に装備する装甲服(対人用の火器ではまず貫通はしない)は獣化しても破れたりしない特製。 アウト・クラン クランは氏族の意。地の一族の内、表面上は元老院に従いつつも、実際には旧来の主君に忠誠を抱いている者や元老院に叛意を抱いている者を指す。 連理之枝 地の一族におけるパートナーシップ制度。二人一組での行動を基本とする。ネーミングの由来は漢詩『長恨歌』の一節「在天願作比翼鳥 在地願為連理枝詩」から。 通常は3歳くらいでペアが決定されるため、7歳にになってから人狼の兆候が出たユウヒは14歳になるまでパートナーが決まらなかった。 試練の儀 地の一族が行う成人の儀式。14歳から15歳になった少年達を4〜5人程度の小集団で荒野、砂漠、雪山などの厳しい環境に(文字通り)裸一貫で放り出し、一定期間を生き延びさせることで集団行動や人狼化をコントロールする術を習得させるのが目的。過酷さ故に死亡者が出ることもある。 当事者たちにとってはあまり思い出したくない記憶が多いが、傍で聞いていると『修学旅行自慢』にも聞こえる。他にも試練開始時、先達に裸に剥かれて散々驚かされた意趣返しを後進に行うというパターンも存在する。 ガルガンチュア イワノヴ家が使う人狼。「ワルシャワの大粛清」においてユモレスク家を始めおよそ7割の軍勢が離反したため、その際に捕らえられた者はおろか残留した者まで徹底的な弾圧を受け、人としての姿も尊厳すら持たされぬ怪物とされた。 47.弾頭(フォーティセブン・バレット) 対人狼用の弾丸。いわゆる「銀の弾丸」と思われるが、人狼の肉体に確実にダメージを与えられる様に改良されている。 パック / 「巣」 ベイオウルブズの妻子が暮らす地の一族の隠れ里。世界各地に分散して配置されている。外界とは隔離された場所であり、ウルブズの退役兵にとっての隠居先でもある。襲撃者に対しては女と言っても銃をとり、老いたりとは言え老兵も再び剣をとって戦う警備兵でもある。 精強で知られるベイオウルブズは敵も多く、家族を狙おうとする者も多い。ここを襲撃した者は何者であろうともウルブズによる徹底した報復に晒される。 最初の人狼、女性の人狼 真祖によって一番初めに生み出された人狼の男。多くの人狼は彼の子孫であるが、原初の人狼はヴァンパイア同様に噛みつくことで人間に人狼の因子を与える能力を有していた。その能力によって多くの人間の戦士が人狼へ生まれ変わり、その中には女性も存在した。人狼となった男女同士から生まれた「純血の人狼」こそ本来の人狼と言える。 ヴァンパイアに臣従した際に施された遺伝子改変によって能力は失われたかに見えたが、時折人狼の因子を発現する女性が誕生することがあり、そういった女性は先祖返りのようなもので先述の「人間を人狼化する能力」も持っている。地の一族では人狼の因子を発現した女性には複数の男性との間に可能な限り多くの子を産むことが求められる様になる。長きに渡って人狼社会の闇であり女性の悲劇とされていたが、ミナによる肝いりと先代元老院によって廃止されている。 フェンリル ヴァンパイアウイルスに感染して生き延びた人狼で「終末の狼」とも呼ばれる。通常の人狼とは異なる波長の咆哮を発し、獣化した際には肩部に翼のようにも見える鬣が生じる。DNAからテロメアが消滅し不老となっている上に戦闘力は真祖に匹敵する。かつてヴァンパイアとの戦争中には複数の個体が確認されている。
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