四姉妹編
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/06 14:28 UTC 版)
“左利き(レフティ)”のドムス エフィとアンディがトリースに逃れる旅客船で出会ったドワーフの少年。 戦士として高い適性を有しているものの、自信過剰で判断力の甘さが目立ち、作戦を失敗に追い込みかけることも多い。ステータスが戦闘面に異様に偏っており、仲間からは「戦闘マシーン」などと呼ばれることもある。また、〈龍〉の誓いを立てた身であるため、好戦的な面も強い。 当初は腕試し、後には好敵手〈青銅の姫〉フエイアの仇討を理由にアンディに同行し、戦争終結後もドライトと共にアンディの両腕として活躍している。 リプレイでは全般を通してそのキャラもだが、非常に高い火力をゲームマスターに恐れられていた。 ラナーク・ブラストウィンド(吹きつける風) サイスの森からラジスの森への使節として派遣されたエルファで、癒しと葬送の氏族レスティリの<導き手>。 エルファとしては積極性の強い性格で、エルファの進歩や人間との共存への可能性を見極めようとしていた。当初のパーティーの中ではブレインのポジションを担い、基本的には冷静に物事を見て判断する役割を担っていた。 リプレイ版では〈白金の姫〉に使った魔法の矢を破られて、小説版では重傷を負った自身に使った諸刃の剣の治療法が暴走(ガープスでは自己への治癒魔法の成功率は重傷なほど下がる)して樹人(トレント)になってしまう。しかし、エフィへの友情は不変であり、幾度も彼女の助勢に出現している。 スティニア戦争終結後はラジスのエルファの重鎮としてアンディに協力している。 <白金の姫>ユメリア <四姉妹>長女。スティニア高地王国摂政。正体はクルツ兄妹の母方の従母の意識と記憶を移植されたハーフトロール。 <聖なる母の結社>最高の魔法の使い手であったが、人間の母親とオークの父親の間に生まれた生い立ち故に差別を受けていたことに不満を持ち、「実力のみで評価される新世界」を作るために離反した。 スティニア王を篭絡して国を乗っ取ると同時に、威嚇用の切り札として<悪魔>騎士を受肉させた存在であるラテルアを生み出すが、自らが生み出したラテルアを制御できずに逆に自分が洗脳を受けそうになったため、自ら肉体を放棄する羽目になる。 用意していたスペアボディが自我を持って使えなくなったため、戦争中盤以降は魔法水晶や幽霊の形でアンディ達に協力している。手段は過激でこそあるが、決して悪意を以て世界を変えようとしているわけではなく、ある意味ではサーライトとは逆の「手を取り合える可能性を秘めた敵」のような立ち位置となっている。 <鉄の姫>サレイア <四姉妹>次女。ユメリアが自らの腹心としてスティニア王の精子とゲルーシャの卵子から作り出した存在。蜘蛛に似た戦闘形態に変身が可能。 「結社の生み出した最大の異常者」と作中で表現されており、元々ゲルーシャの影響の強い冷酷・残虐な性格であったが、クレード姉弟達との戦いでバドッカ近海にある「黒の月の神殿」に接触してしまったことから、地上の全てを破壊する黒の月の代行者としての資格を得た。 小説版ではフエイアの養母であるポル・ポレンと相討ちになる形で一度は倒れるが不死者として復活、最終決戦で漸く滅ぼされた。 リプレイでは最初に出会い、最後に戦った強敵となった。行動指針は頭に訴えかける電波(妄想)であり、それを消すためにラテルアに従っていた。 <青銅の姫>フエイア <四姉妹>三女。ユメリアが自らの腹心としてスティニア王の精子とドワーフの卵子から作り出した存在。蛇、山羊、人間の頭を持つ大蛇型の戦闘形態への変身が可能。 ドワーフの鉱山街に預けられるが、異常な成長速度に恐れをなしたドワーフの多数派に迫害を受けて、街を逃げ出した先でフェリアのポル・ポレンに出会い、彼女に育てられる。その後、黒の月の軍勢を組織し、故郷を滅ぼす。 差別の無い世界を築こうとする夢を叶える為に、<四姉妹>に参入。性格的には<四姉妹>の中では一番まともであり、自分に同情的だったドワーフを故郷を滅ぼした際に殺したことに罪悪感を抱き続けたり、単純明快なドムスを気に入って夫にしようとする等、良心の呵責や普通の女の子と変わらない一面も作中で描かれている。実力・カリスマ性が高く、部下思いの面もあるため、側近達からの人望・忠誠心は非常に厚い。 リプレイ版ではスティニア戦争開戦時に戦死、小説版ではテロン攻略作戦中に<鉄の姫>の部下である漆黒の王子ウォルグレイの裏切りで地下都市テロンの崩壊に巻き込まれ圧死した。 <黄金の姫>ラテルア・ランバート三世 <四姉妹>四女。表向きはスティニア高地王国の女王。正体はユメリアが人間の肉体に受肉させた<悪魔>騎士であり、普通の<悪魔>よりもルナルの大地に適合しているため、本来は格上である妖将レベル以上の力を揮うことが出来る。 その力を危険視したユメリアによって封印されていたが、サレイアを利用してスティニア軍に仲間割れを起こさせ、その混乱に紛れてユメリアを倒して覚醒する。覚醒直後のスティニアの戦いではグラダス最大の<龍>の肉体を乗っ取ると同時に黒の月から<悪魔>の大群を呼び寄せようとするが、アンディの手により一時的に復活した<龍>の反撃によって敗退し、<悪魔>の群れも殲滅されてしまう。 その後は<龍>によって受けたダメージを癒しつつ、サレイアをエージェントとしてグラダス半島の混乱を煽っていた。最期は各月の神殿が集うバドッカ市沖で黒の月への扉を開こうとするが、青の月への扉を開放したアンディとサーライト、そして銀の月への扉を開放したエフェメラの手によって完全に滅ぼされた。 ポル・ポレン 蛾の翅を持つクティクティ種のフェリア。その翅ゆえにフェリアの共同体から弾き出された逸れ者。フェイアの側近<五方陣>のリーダー格。 ドワーフの鉱山街を逃げ出してきた当時3歳のフェイアと出会い、母親代わりに教育を施してきた。フエイアを利用しようという打算も幾らかはあったが、本質的には母性愛が非常に強く、彼女が理想の世界を導く存在になることを楽しみにしていた。 リプレイ版ではあっさり戦死するが、小説版では出番が多く、フエイアの死後も精神生命体なって生き延びフエイアの仇であるクルツ兄妹やサレイアへの復讐の機会を伺う。最期は<鉄の姫>サレイアと相打ちの形で滅んだ。 プリシラ・クルツ アンディ、エフィ、ラズリィの3兄弟の母。シャストアの高司祭。エルディナス同様に赤の月の魔法と魔術師の魔法の双方を操る能力を持っており(本来は双子の月の信者は信者の資格を持っていない神や他の月の魔法の習得は厳禁されている)、アンディの援護やネイリンの指導に役立てている。 <聖なる母の結社>の最高幹部候補として生を受けたが、内心では自分達を駒扱いする<聖なる母の結社>に批判的であった。<聖なる母の結社>の選んだ<月に到る子>の祖父候補であったラスティとの見合いにも乗り気ではなかったが、結局はラスティの人柄に惚れ込み結婚する。 スティニア戦争時は次男ラズリィを受精卵として封印したままで、ラスティを暗殺した<聖なる母の結社>超保守派の追跡やエフィ、アンディの援護を行っていた。 スティニア戦争終結後はピールのアルバ議長の保護下で次男ラズリィを育てていたが、アンディの息子であるルナリスに監禁されてしまう。 エルミーラ プリシラの父親違いの姉。赤の月の神リャノの協力神・ナーチャの高司祭。鬼面都市バドッカの暗黒街で占い屋を開いており、参謀として怖れられている。 思想は<聖なる母の結社>超保守派に反発的なプリシラに近いが、それ以上にプリシラやエフィ達の身の安全を優先しており、昔からの仲間であるニフトールとベルンクース市筆頭家老ドーネルに裏からエフィとアンディの保護を要請したり、エフィの治療代として自らの片腕を<多足のもの>に支払ったりしている。 ナーチャの最高奥義を使って本来の人格を保ちつつ吸血鬼に転生しており、その力はユメリアをも撃退したほど。生き残った<聖なる母の結社>のメンバーでは最強の実力者であるが、吸血鬼ゆえに直射日光が苦手である上に、元の善良な人格を残しているため、主食である生き血を確保する際に極力人を傷つけないように苦労しているなど弱みも多い。
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