ヤスジのポルノラマ_やっちまえ!!とは? わかりやすく解説

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ヤスジのポルノラマ やっちまえ!!

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/27 04:29 UTC 版)

ヤスジのポルノラマ やっちまえ!!』(英題:DO・IT!)は、東京テレビ動画(のちの日本テレビ動画)が制作した谷岡ヤスジ原作の劇場用アダルトアニメ1971年昭和46年)9月24日東映東急系で公開された。配給日本初の大人のためのアニメーション映画千夜一夜物語』を成功させた日本ヘラルド映画(現・KADOKAWA〈二代目法人〉)。2005年ゆうばり国際ファンタスティック映画祭フォーラムシアター部門正式出品作品[1]。2005年ファンタジア国際映画祭正式出品作品[2]東京国立近代美術館フィルムセンター「発掘された映画たち2018」上映作品[3]


注釈

  1. ^ アメリカ合衆国で初めてX指定英語版を受けたアダルトアニメフリッツ・ザ・キャット』は翌1972年4月に公開されている。
  2. ^ 丸尾末広原作のアニメーション映画地下幻燈劇画 少女椿』(1992年公開)の約26カ所カットに抜かれるまで映倫が審査した日本のアニメ映画では最大の検閲記録であった。
  3. ^ 劇場公開翌日の1971年9月25日には東京テレビ動画が制作していたテレビアニメ男どアホウ!甲子園』の再放送が終了しており、これで日放映時代から手がけたアニメとびだせ!バッチリ』以来4年10カ月・全5作にわたって東京テレビ動画が独占していた日本テレビ系平日夕方放送の帯アニメ枠は完全消滅した。
  4. ^ 余談になるが2月6日の上映時には東京国立近代美術館フィルムセンターが「国立映画アーカイブ」として同年4月1日に独立するにあたり、概要発表の記者会見を行っていた[30]。これについて同センター研究員の岡田秀則は「国立映画アーカイブ設置の記者会見のウラで『ヤスジのポルノラマ やっちまえ!!』を同時上映していたことには何の意図もありません。偶然です」とコメントしている[31]
  5. ^ 著作権法では映画著作者は「制作、監督、演出、撮影、美術などを担当して、映画著作物の全体的形成に創作的に寄与した者」(著作権法第16条)とされており、原始的(=映画が完成した瞬間)には映画監督映画プロデューサー著作権著作者人格権を取得する。ただし映画は他の著作物と違って多数の人間が関与するのが通常であるため、権利関係が複雑化するのを回避し、権利の一元化と利用の促進を図るため、映画の製作に発意と責任を有する者=映画製作者著作権法第2条1項10号)と監督等との間に「参加約束」を設けることで、著作権を映画製作者(=映画会社映画製作委員会)に帰属させている(著作権法第29条1項)。なお、この定義では原作者(クラシカル・オーサー)は、映画の著作者に該当しない(ただし著作権法第28条では「二次的著作物の利用に関する原著作者の権利」が保障されており、原作者は二次的著作物の利用について、その二次的著作物の著作者が有するものと「同一の種類の権利」を両者の許諾のもとで行使することが出来る)。以上の規定から原作者の谷岡ヤスジ、演出家の高桑慎一郎、プロデューサーの吉沢京夫、谷岡作品の版権を管理している有限会社谷岡プロおよび株式会社ソニー・デジタルエンタテインメント・サービスは、本作の著作者には該当しない。この場合、同作品の著作権はアニメ制作会社東京テレビ動画(1971年解散)に帰属し、同作品で製作プロデューサーを務めた東京テレビ動画社長の新倉雅美(1986年失踪)が事実上の著作権者となる。
  6. ^ 1989年ハミングバード(現・ワーナーミュージック・ジャパン)から発売されたアニメ主題歌集ソフト『マニア愛蔵版 懐かし~いTVアニメテーマコレクション』収録のオープニング映像を除き、日放映時代および日本テレビ動画時代の作品が公式にソフト化されたことはない。
  7. ^ 資料によっては「ブス夫」の表記がある(これは本作の伝聞資料が乏しく記述がまちまちなため)。なお、劇中でユキ子が「プス夫さん」と発言していることから「プス夫」説が有力とみられる(一方、DVDパッケージおよびDVD予告編では「ブス夫」表記となっており、現場レベルで混同された可能性もある)。
  8. ^ 大蔵映画と並ぶピンク映画の独立系プロダクション(通称・エロダクション)最大手のひとつ。最盛期には関孝二若松孝二大和屋竺などの先鋭的な映画監督を起用し、1990年代以降もピンク四天王ピンク七福神と称される多数の若手監督を輩出した。1960年代にはテレビアニメ事業にも進出し、日本テレビ専属のアニメ制作会社日本放送映画(後の東京テレビ動画)を運営していた。なお『戦え!オスパー』のフィルムは国映と日本テレビの両社が現在保管している[43][44]
  9. ^ 寺山修司日放映テレビアニメ戦え!オスパー』『冒険少年シャダー』の主題歌作詞も手がけている。
  10. ^ ちなみに1960年代当時の一般的なピンク映画の製作費は300万円程度であり、国映製作のピンク映画でも多くて500~600万円の製作費であったのに比べると、これは破格の製作費である[49]
  11. ^ 宮谷一彦の名前そのものはノークレジットとなっているが、ラストに「K.M.へ」というイニシャルがクレジットされている。

出典

  1. ^ ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2005 アーカイブ
  2. ^ a b Yasuji no Pornorama - Yacchimae!! - ウェイバックマシン(2008年6月20日アーカイブ分)
  3. ^ a b 発掘された映画たち2018 東京国立近代美術館フィルムセンター
  4. ^ a b c d ヤスジのポルノラマ やっちまえ!! - allcinema
  5. ^ a b c d e 安藤、2008年、p.72。なお、この内容は山口且訓・渡辺泰『日本アニメーション映画史』有文社、1977年、p.176の引用である。
  6. ^ 本項の「#評価・分析」節を参照。
  7. ^ 安藤、2008年、p.71
  8. ^ ヤスジのポルノラマ やっちまえ!! - TSUTAYA
  9. ^ ヤスジのポルノラマ やっちまえ!! - ゲオ宅配レンタル
  10. ^ ヤスジのポルノラマ やっちまえ!! - DIGレーベル公式サイト
  11. ^ a b c d e f g h i j k l 谷岡ヤスジ原作の幻の劇場版ポルノアニメ『ヤスジのポルノラマ やっちまえ!!』が東京で47年ぶりの再上映!! - Togetter 2018年2月6日
  12. ^ DIGレーベルのInstagram 2019年6月21日
  13. ^ a b c d e 安藤、2008年、p.73。新倉がパンフレットに掲載した「声明文」の一部が転記されており、「配給会社が未定」という点がこの中で述べられている。
  14. ^ a b c d e f g h i 記憶のかさブタ 幻のポルノアニメ特集
  15. ^ a b c d 記憶のかさブタ 旧ドラ特集其の参・日本テレビ動画とは?
  16. ^ a b c d e f g 伴ジャクソン (2019年9月13日). “『ヤスジのポルノラマ やっちまえ!!』DVD発売記念インタビュー 鈴木ヤスシがオラオラ喋るもんねー!” (日本語). DIGレーベル. ディメンション. 2019年9月14日閲覧。
  17. ^ a b c ギャグ漫画の鬼才・谷岡ヤスジの“幻の劇場版アニメ”のフィルムが発見される! 日テレ版『ドラえもん』との関係も発覚! - TOCANA
  18. ^ a b c d 山口且訓・渡辺泰『日本アニメーション映画史』有文社、1977年、p.317
  19. ^ アニメ旧ドラえもん大研究「真佐美ジュンさんに聞く」 - ドラちゃんのおへや
  20. ^ これ以外の作品ではテレビアニメふしぎの国のアリス』の作画監督、ナック劇場アニメフリテンくん』のキャラクター設定と総作画監督などの仕事がある。
  21. ^ a b 作り変えた男【訃報 高桑慎一郎】 唐沢俊一ホームページ 2011年4月23日
  22. ^ 谷岡ヤスジ「動き出したムジ鳥」(キネマ旬報社キネマ旬報』1971年10月上旬号、p.44)
  23. ^ 田中純一郎日本教育映画発達史』蝸牛社、1979年9月、p.305
  24. ^ 山本暎一『虫プロ興亡記 安仁明太の青春』新潮社1989年、p.341
  25. ^ a b c d e f 宇川直宏「番外編 はみだし日本映画大逆襲2019 オンドリャー!! 幻のカルト・アニメが遂にDVD化! 宇川直宏の『ヤスジのポルノラマやっちまえ!!』暴走過激TALK!!!!!!!」洋泉社『映画秘宝』2019年11月号, 74頁
  26. ^ a b c ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2005 - ウェイバックマシン(2013年2月26日アーカイブ分)
  27. ^ a b c 安藤、2008年、pp.71 - 72
  28. ^ 谷岡ヤスジ氏原作の映画原版フィルムを東京国立近代美術館フィルムセンターに寄贈 ソニー・デジタルエンタテインメント・サービス
  29. ^ Atsushi Fukudaのツイート 2015年1月7日
  30. ^ 東京国立近代美術館フィルムセンターが4月に独立 「国立映画アーカイブ」へ - 産経ニュース 2018年2月6日
  31. ^ 岡田秀則のFacebook 2018年2月6日
  32. ^ DIGレーベルを運営している映像制作会社のディメンションはCRIC公益社団法人 著作権情報センター)に本作の権利者の情報提供を求める広告を2017年6月14日から掲載している。
  33. ^ a b 映画「ヤスジのポルノラマ やっちまえ!!」を市販用DVD(レンタル含)として制作・販売するにあたり、映画の著作者を捜しています。本映画の著作権者(製作会社およびその代表)、もしくは著作権承継者の連絡先に関する情報をお持ちの方は、上記までご連絡ください。 著作権情報センター. 権利者を捜しています
  34. ^ DVDパッケージ裏面の記載事項より。
  35. ^ DIG&PADレーベルのツイート 2018年5月16日
  36. ^ 2019年10月2日レジェンドオブカルトムービー『ヤスジのポルノラマ やっちまえ!!』奇跡&無謀のDVD化!! 幻の日テレ版『ドラえもん』の仕掛け人が放って散った巨大花火”. twitter.com (2019年6月21日). 2019年6月21日閲覧。
  37. ^ 2019年10月2日発売『ヤスジのポルノラマ やっちまえ!!』DVD発売予告(通常バージョン) - YouTube
  38. ^ a b DIG&PADレーベルのツイート 2019年2月4日
  39. ^ バカもインテリもゴリラも発情させる愛と暴力とポエムの映画『ヤスジのポルノラマ やっちまえ!!』に著名人からコメント到着”. twitter.com (2019年6月21日). 2019年6月21日閲覧。
  40. ^ 谷岡ヤスジ『ヤスジのメッタメタガキ道講座―もうひとつの「少年マガジン黄金時代」』実業之日本社、2004年、459頁。
  41. ^ a b c 安藤、2008年、pp.74 - 75
  42. ^ スタジオ自体は東京テレビ動画の新潟スタジオを流用している(安藤、2008年、p.73)
  43. ^ 倉庫の掃除をしていたら『戦え!オスパー』と『電撃作戦11号』が出てきました”. twitter.com (2019年8月7日). 2019年8月28日閲覧。
  44. ^ 日本テレビ初の長編アニメ『戦え!オスパー』は日本テレビ様が保管されていて…”. twitter.com (2018年12月14日). 2019年9月24日閲覧。
  45. ^ 同社の動画部門から独立した日放映動画スタジオ東京テレビ動画の前身、後に日本テレビ版『ドラえもん』を制作した日本テレビ動画の前々身にあたる。
  46. ^ a b c みそぐちカツのツイート 2018年2月4日
  47. ^ 前者は1968年1月に天井桟敷によって新宿厚生年金会館小ホールで初演され、雑誌『南北』4月号に発表されたもの(寺山修司『寺山修司の戯曲』思潮社、1983年8月、p.276)。後者は寺山修司作・宇野亜喜良画で1968年に天声出版から十三夜分が単行本化されたのち1969年新書館から三十夜分まで収録した増補改訂版が出版され、新書館版を底本とした文庫版1993年河出書房新社から再出版された。
  48. ^ a b 小黒祐一郎原口正宏 (2006年1月20日). “「アニメラマ三部作」を研究しよう! 杉井ギサブロー インタビュー(後編)[再掲]” (日本語). 小黒祐一郎. 株式会社スタイル. 2019年6月2日閲覧。
  49. ^ 二階堂卓也『ピンク映画史 欲望のむきだし』彩流社、2014年、p.71
  50. ^ 『やっちまえ!!』は『アニメラマ』を配給した日本ヘラルド映画が同じく配給しているため、当時の新聞広告には「『千夜一夜物語』で女護ヶ島にもぐり込み『クレオパトラ』では世紀の美女をも脱がせた日本ヘラルド映画がヤスジのポルノ・アニメに強烈アタック」というキャッチコピーがある。
  51. ^ 陽の目を見なかった! 1960年代の幻のアニメ化企画を探る - ニコニコチャンネル Dough(どーなつ)のブロマガ 2019年2月22日付
  52. ^ 西日本新聞社西日本スポーツ』1971年10月12日号
  53. ^ a b c 映画評論』1971年11月号
  54. ^ 双葉社週刊大衆』1971年9月23日号, p.32
  55. ^ 村上賢司のツイート 2018年3月3日
  56. ^ 小黒祐一郎のツイート 2018年6月25日
  57. ^ 144 アニメ様日記 2018年2月25日(日)~ - WEBアニメスタイル
  58. ^ スポニチ大阪『スポニチ夕刊・新関西』1971年9月25日号
  59. ^ 週刊文春』2019年11月21日号「春日太一の木曜邦画劇場」第362回
  60. ^ 取材・文◎ガンジー北京+虚無祖雲「テレビ史の闇に葬られた二度と見られない禁断映像集 放送禁止大ブーイングSPECIAL!!」(ミリオン出版『封印発禁TV DX 2018夏超拡大号 ミリオンムック93』2018年6月発行)
  61. ^ 藤子不二雄FCネオ・ユートピア会報誌43号「特集・日本テレビ版ドラえもん」(2006年12月初版発行、2009年8月改訂版発行)






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