ダルタニア小大陸
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「グランクレスト戦記」の記事における「ダルタニア小大陸」の解説
ミルザー・クーチェス 声 - 羽多野渉 ダルタニアの太守サイードの息子。ヴィラールを大陸を統一できる人物と評価していた。ヴィラールは幼いころの彼にとっては剣の練習相手であると同時に兄弟のような関係であり、成長した現在でも一角獣城で手札遊戯の対戦をするほどの仲であった。 5年余りの間、大陸中で修行をしていたため聖印の強さも既に伯爵級であり一人で戦局を覆すことが出来る実力を持つ。自分が多く敵を倒すことで結果的に味方を救うという考えを持っており(テオ曰く「覇道」)、自分と反対の王道を歩み更に野心を持たずシルーカのために聖印や領地を捨てたテオに対する侮蔑の念を隠そうとしない。一方で自分の武力のみを信じ卑怯者だけでなく他人の意見には耳を傾けない性分が災いし、彼に諫言する部下がいないという問題点も抱えている。この点は本人も理解しているらしく、地の利や天運など課題も多いため彼自身は大陸を統一できる人物ではないと自嘲している。太子という立場だけでなく彼個人の強力な個性から女性関係に関しては特に困ったことはない。 自身の上に立つ存在と認めていたヴィラールが、親族であるマリーネとの関係を考慮して連合の盟主就任を拒絶するという事態を受け彼に失望、連合を見限る。同盟側のスタルク征伐の際にマリーネが行った蛮行を見て彼女に興味を抱く。更にマリーネの決意を聞いたことによりダルタニアでクーデターを起こし、反対した父親や部族を全て滅ぼし同盟に与した。また彼個人もマリーネの甘さを捨てさせるためにその純潔を奪う行為に及ぶ。同盟やノルドと組んでアルトゥークの支配者となった際は、ついに自分が理想とする覇道、弱肉強食の時代になったと喜びを隠さなかった。 その後はマリーネに協力する形で支配地を拡大。一時は破竹の快進撃となり連合にほぼ完封勝利を続けた。アルトゥークの支配者となった後も効率的な政治を心掛けたが、ヴィラールとミルザーの交友関係を知っていた君主達からは只の裏切者にしか映らなかったこと、友好国であったダルタニアで両親や親族を手にかけた反逆者であるという客観的な評価を軽視したため当初から内政は滞ってしまう。やむなく部下を領主として派遣するも領民と元領主が結託して彼らを殺していくので苛立ちを募らせる。 アルトゥークにおける失政に業を煮やした結果、テリウスの進言もあったとはいえ非協力的な住民達を徹底的に殲滅するというダルダニアで行われる蛮行を繰り返してしまう。これにより暴君であるという悪評を自ら広めてしまう結果となり、アルトゥークの人々がテオ達の来訪を待つため面従腹背で応じるという事態を引き起こしてしまう。 アルトゥーク条約にも戦争を仕掛けた当初はレガリアを圧倒しラシックと一騎打ちをするなど大陸最強にふさわしい活躍をしたものの、レガリア伯のエレットの謀略に嵌まり、アルトゥークに帰還したテオに大軍と堅陣を整えさせてしまう。一角獣城に籠っていたものの、マリーネが出兵したと知り、マリーネを危険にさらさないために軍を発した。テリウスをはじめとする部下達も奮戦するも条約の大軍の前に惨敗。ミルザー本人もテオと一騎打ちするも敗北、助命もほのめかされるも拒否し戦死。聖印もテオに奪われた。 テリウス・サヴォア 声 - 内田雄馬 本来はマリーネのもとにいるべき契約魔法師であるがミルザーの助言者として派遣されている。 ミルザーの怒気を恐れダルタニア首脳陣からテリウス以外の知識階級が全く存在しない状況に愕然とするもミルザーのために献策を続けている。内政の重要性を理解していない戦士階級が要職を占めているため、アルトゥークを支配した後はミルザーとテリウスのみで内政のほとんど全て担当せざるをえない状況に陥っている。 ダルタニアの慣習が他国では受け入れられないことをよく理解しており、ミルザーに対しても人々が求めるのはミルザーが理想とする覇道を歩む君主ではなく、テオのように人々と交流し理解しようとする王道を進む君主であると言いはしたが、ミルザーの主義についていくと決めた。ミルザーの統治方法に異を唱えつつもオイゲン達による遊撃の大損害を見過ごすこともできず、苦悩した末にミルザーに反抗した民の処罰を提案する。が、これを受け入れたミルザーが自身に反抗する民を村ごと殲滅、人狼族や白魔女の居住地まで焼き払ったうえに残虐な方法で処刑を開始したことで内政は更に悪化してしまう。 テオのアルトゥーク帰還に激昂するミルザーの出陣を諫めるも聞き入れられず、常闇の森ではテオ達の作戦を見抜き再びミルザーを諫めるも受け入れず敗北する。(損害を最小限にするには戦闘を開始してしまった仲間を見捨て、テオ達に反撃せず即時退却が必須だったためミルザーとしても苦しい判断であった。)敗北したミルザーが一角獣城に退却した後は、さすがにテリウスの助言を聞き入れることは増えたことに安堵するも、ミルザーが自分の意見を聞き入れなければならないほど戦況が悪化していることも自覚する。 ただ一人になってもミルザーのために戦い続け敗北、自ら望んでミルザーの後を追って自害し生涯を終えた。 サイード・クーチェス 声 - 伊原正明 ダルタニアの太守。貿易を通して連合側と良好な関係を築いており、連合や同盟に劣る領土や国力であるにも関わらず一定の影響力を維持している。連合における会議にも陪席する席を確保しており息子であるミルザーを派遣した。 戦乱には興味なく貿易による利益に満足しているため莫大な富をたくわえているが、貿易のために部下に危険を強いていると批判も多い。巨大な後宮に美女を大勢集め享楽に耽るなど統治者としての自覚に欠ける面もあるが、結果的とはいえ爵位制度に反発している状態にも関わらず、ダルタニアが魔術師協会からも黙認されることにつながっていた。 連合を見限り戦乱に参加しようとするミルザーを親族達と共に諫めるも、ミルザーが反乱を起こすことまでは予想できず親族達同様に滅ぼされる。この際にサイードと共にミルザーを諫めた他の部族も滅ぼされてしまい、ダルタニアの首脳陣はミルザーに臆せず発言できる戦士階級が独占、ミルザーの怒気を恐れる知識階級は軒並み去ってしまい後々の暴政につながっていった。 エンデール・セリク ダルタニアの太守サイードの息子。ミルザーの異腹の兄にあたるが、妃を巡る宮廷事情や政略的な問題からクーチェスの家名はあたえられていない。ミルザーが子供のころから次期太守と決定していたこともあり、交易商である実家に身を寄せて世界中を巡っている。幻想詩連合の諸国にも複数の拠点をもち、各地の君主との関わりも深い。 「大講堂の惨劇」以降も特に立場に変わりはなく戦乱の時代にも興味はなかったが、実父であるサイードをミルザーが討ったことで立場が急変してしまう。サイードの実子であるという血筋が重視され、親の命を奪ったミルザーではなくエンデールを太守に望む声が出始めてしまうことで命を狙われる存在となった。暴政に近い政治でダルタニア小大陸だけであくアルトゥークでもミルザーの悪評が広まる中、自分自身も戦乱からは無縁の立場ではいらなくなったことを自覚、悩んだ末にテオ達のところへ駆けつけダルタニア奪還の支援を要請した。 テオがミルザーを撃った後、ミルザーがアルトゥークへ連れてきた多数のダルタニア兵に加え女官や使用人を全て引き受けアルトゥーク復興に大きく貢献、居場所を失った彼らが略奪者や浮浪者になりかねない事態を未然に防いだ。ダルタニア侯として名実共にテオの従属君主となってからはテオ達の戦いの後顧の憂いを絶つべくダルタニア小大陸の平定に出立している。 セダル ダルタニアの戦士。戦乱が始まるまでは貧しい船乗りであり、権力者から鞭で叩かれる日々を送っていた。 ミルザーが戦乱を始めた際に戦士として参加、アルトゥーク陥落にてそれなりに戦果を挙げたらしく村の領主に任命された。当初から内政の知識に乏しいことを露呈しており、敵国に支配された人々と交流し理解し合うという領主の役割を全く理解していなかった。ダルタニアの蛮習をアルトゥークへそのまま持ちこんだため領民を奴隷程度にしか考えておらず、赴任した当日から過酷な賦課労役を宣言、不公平な税制と裁判を村人へ押しつける。その後は部下達と共に酒宴をはじめ村から料理や美女を徴発、宴会騒ぎを繰り広げてしまい、用意された食事に薬物が盛られていることに気付かず部下と共に体の自由を奪われる。 万全の体制で武装蜂起した領民から逃れる途中、オイゲンによって討たれてしまう。セダルによる統治は1日ももたずに終わった。
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水源に乏しい小大陸。わずかな水源地帯でしか人が生活できないため各部族ごとで生活している。魔法師協会の爵位制度に反発しているため、君主であっても普通の戦士より強い程度の存在でしか扱われない。首長制をとっているため部族をまとめられることが統治者の条件であり、如何に聖印を集めようと首長の命令に逆らうことは許されない。
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