逮捕 国際刑事裁判所の刑事手続における逮捕

逮捕

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/06 16:34 UTC 版)

国際刑事裁判所の刑事手続における逮捕

国際刑事裁判所の刑事手続では、予審裁判部が、検察官の要請により、捜査のために必要とされる命令及び令状を発する権限を有する(国際刑事裁判所に関するローマ規程第57条3)。

被疑者の身柄確保は、捜査の開始後、検察官の請求により予審裁判部が被疑者に係る逮捕状を発付して行う(国際刑事裁判所に関するローマ規程第58条1)[13]。ただし、任意出頭が確保できる場合には、検察官は、逮捕状を求めることに代わるものとして、被疑者に出頭を命ずる召喚状の発付を予審裁判部に請求することができる(国際刑事裁判所に関するローマ規程第58条7)[13]

逮捕状の執行は被請求国の司法制度が機能している限りは、国際刑事裁判所への国際協力・司法上の援助として実行される[13]

なお、国際刑事裁判所は、原則として、被請求国に対して国家又は外交上の免除に関する国際法に基づく義務に違反することとなる引渡しの請求を求めることができない(国際刑事裁判所に関するローマ規程第98条)。自国に滞在する外交官の外交特権などを考慮したものである[14]

逮捕と人権

無罪推定の原則

逮捕された被疑者は、本来ならば、市民的及び政治的権利に関する国際規約第14条2項にもあるように、刑事上の事実認定や法上の取り扱いにおいて無罪を推定されているべき立場である。

身体検査

拘置所留置場では被疑者が違法な物品を施設内にもちこまないように身体検査の一種である検身がおこなわれる。なかには体腔検査が行われることがあるが、その妥当性について米国で問題になった事例がある。

入国の制限

逮捕歴があると入国が認められなかったり、査証(ビザ)の免除が受けられない国がある。例えば米国ビザ免除プログラムは逮捕歴のある者には適用されないため、逮捕歴のある者は入国に先立って査証を取得する必要がある[15]

人種差別

米国での人種による再逮捕率の差

人種差別が根強い米国では、白人警官が黒人の市民を狙うようにして、さしたる理由もなく逮捕したり再逮捕する、ということが高頻度で起きている。

参考文献

  • 河上和雄、中山善房、古田佑紀、原田國男、河村博、渡辺咲子『大コンメンタール 刑事訴訟法 第二版 第4巻(第189条〜第246条)』青林書院、2012年。
  • 平野龍一『刑事訴訟法』有斐閣〈法律学全集〉、1958年。
  • 村瀬信也、洪恵子『国際刑事裁判所 - 最も重大な国際犯罪を裁く 第二版』東信堂、2014年。
  • 日本弁護士連合会刑事弁護センター『アメリカの刑事弁護制度』現代人文社、1998年。

  1. ^ a b 平野龍一 1958, p. 99.
  2. ^ 河上和雄 & 渡辺咲子 2012, p. 190.
  3. ^ 検挙”. コトバンク. 2019年6月13日閲覧。
  4. ^ 警察官たる司法警察員については、国家公安委員会又は都道府県公安委員会が指定する警部以上の者に限る。
  5. ^ 30万円(刑法暴力行為等処罰に関する法律及び経済関係罰則の整備に関する法律の罪以外の罪については、当分の間、2万円)以下の罰金拘留又は科料に当たる罪に関する被疑事件。
  6. ^ 最高裁判所第一小法廷判決 1975年4月3日 、昭和48(あ)722、『傷害被告事件』。
  7. ^ a b c d パスカル・フォンテーヌ. “EUを知るための12章”. 早稲田大学. 2020年2月14日閲覧。
  8. ^ a b c 浦川 紘子. “EU「自由・安全・司法の地域」における刑事司法協力関連立法の制度的側面”. 立命館国際地域研究第38号. 2020年2月14日閲覧。
  9. ^ a b c d 日本弁護士連合会刑事弁護センター 1998, p. 16「アメリカの刑事手続概説」茅沼英幸執筆部分
  10. ^ 法務省. “諸外国の刑事司法制度(概要)”. 2016年9月17日閲覧。
  11. ^ 島伸一. “日本の刑事手続とアメリカ合衆国の重罪事件に関する刑事手続(軍事裁判を含む)の比較・対照及び日米地位協定17条5項(c)のいわゆる「公訴提起前の被疑者の身柄引渡し」をめぐる問題について”. 神奈川県. 2016年9月17日閲覧。[リンク切れ]
  12. ^ a b 日本弁護士連合会刑事弁護センター 1998, p. 17「アメリカの刑事手続概説」茅沼英幸執筆部分
  13. ^ a b c 村瀬信也 & 洪恵子 2014, p. 236「ICCの刑事手続の特質」高山佳奈子執筆部分
  14. ^ 村瀬信也 & 洪恵子 2014, p. 237「ICCの刑事手続の特質」高山佳奈子執筆部分
  15. ^ 在日米国大使館・領事館 ビザ免除プログラム有罪判決の有無にかかわらず逮捕歴のある方、犯罪歴(…)がある方…に該当する旅行者は、ビザを取得しなければなりません。ビザを持たずに入国しようとする場合は入国を拒否されることがあります。」


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