枕
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/27 07:18 UTC 版)
使用と手入れ
人は睡眠中、一晩でコップ1杯ほどの汗をかく、と言われているが、頭部からもそれなりの量、汗をかいており枕にそれが吸い込まれる。また頭皮(の脱落したもの)や皮脂なども、本人が知らぬ間に、枕に付着することになる。
枕は、そのまま用いずに薄い布(木綿やポリエステル製の布)でできた枕カバーで包んで使うことが多い。枕カバーは定期的[注 1]に洗い、清潔に保つのが望ましい。それでも枕本体は汗が吸収されてはその一部だけが蒸発し不十分に乾燥することを繰り返すので、枕本体の天日干しか陰干しを定期的に行い、しっかり乾燥させるのが望ましい。また、そうした作業をしても、どうしても頭皮・皮脂はカバーごしに枕本体に溜まってゆくものなので、枕本体の詰め物が洗濯可能な材質の場合は、枕本体も定期的に洗い・日干しを行うのが望ましい[注 2]。
枕は上記のようなケア(枕本体の洗いや日干し・陰干し)をしっかりしないまま長く使用しつづけてしまうと、ダニが発生してしまうことが多い。ダニは湿っぽい場所では活発に繁殖する傾向があり、汗で湿っぽくなりさらに皮脂などの栄養物が蓄積した枕は、なおさらダニにとって繁殖しやすい環境となるためである。
ダニはアレルギーを引き起こす場合がある。これは特にアトピーや喘息を持つ人の場合には深刻な問題である。アレルギーの原因としてダニの糞・死骸などが主なアレルゲンであり、除去方法として枕に掃除機をかけ生きたダニやダニの死骸やダニの卵を吸い取って除去し、洗濯機でしっかり丸洗いし、よく晴れた日に日干しし、十分に高温にし、乾燥させるのが効果的とされている。
また問題を防止するため、最近では、防ダニ加工をしてある製品も販売されている。ただし防ダニ加工の効果はある程度期待でき状態は改善するものの、長期に渡って完璧を期待するのは無理な場合も多く、やはり時には洗濯・日干しなどのメンテナンスの手間がある程度はかかると覚悟しておいたほうがよい。
また抗菌加工が施された枕やアレルギー対策枕も販売されている。抗菌枕は、詰め物にポリエステル、布にポリプロピレンなどが使われる。
注釈
- ^ ホテルなどでは、基本的には毎日交換する。家庭では毎日〜数日おきに、長い場合でも1週おき程度で交換することが望ましい。それ以上つけっぱなしにすると、汗などによって臭いが発生し、本人が気づかないうちに頭髪がにおうようになる。
- ^ 最近は百円均一の店で、枕を物干し竿でうまく干すための商品が販売されており、販売商品点数ランキングの上位にも登場することがある。
出典
- ^ a b c d e 意匠分類定義カード(C1) 特許庁
- ^ a b c 枕 関ケ原町歴史民俗資料館
- ^ a b c “人と寝具の意外と知られていない長く深い縁”. 東洋経済オンライン. p. 1. 2021年9月29日閲覧。
- ^ a b 岩井宏實『日本の伝統を読み解く:暮らしの謎学』青春出版社、2003年、ISBN 4413040686、pp.137-140.
- ^ 花岡利昌『枕の人間工学 -安眠の条件-』光生館、1993年。ISBN 4-332-01010-8。
- ^ 01-1.現在、枕を使っていますか?
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