侵略とは? わかりやすく解説

侵略

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/10 02:55 UTC 版)

侵略しんりゃく: aggression)とは、直接武力をもって他国の領域侵入したり、攻撃すること、一国が他国に対する要求を貫徹するために武力行使によって事態を変更せしめること、他国に攻め入って土地や財物を奪い取ること、他国の主権を侵害すること、などを意味する[1]1974年国連が「国家による他の国家の主権、領土保全もしくは政治的独立に対する武力の行使」または「国際連合の憲章と両立しないその他の方法による武力の行使」と定義した[2]。しかし、侵略側は自己の行動を否定したり、自衛勢力均衡のためと正当化したり、被侵略側に責任転嫁することがあるので、侵略行為の認定は困難であり、国際法上の定義は明確ではない[1]。また、国連安全保障理事会は、侵略国と被侵略国(自衛権行使国)を認定できるが、拒否権の発動など国際政治の情勢に左右される[1]


注釈

  1. ^
    それから、たとえばオリンピックの入場式で、選手団が行進しながら一斉に黒い喪章をかざしてアフガニスタン侵入に抗議する、しかもそれを多数の選手団が次々にしたら、それはテレビで全国放映されるわけで、劇的な効果があったでしょう。しかも本来政治的な目的できた人間がそれをするのであれば、効果が減殺されるでしょうが、よりぬきのスポーツ選手がそうした意思表示をしたとすれば、非常に有効性があったはずです。 — 坂本義和 『軍縮の政治学』 岩波新書 黄版203 ISBN 4004202035、105p
  2. ^ いわゆる教科書ガイド。教科書そのものと異なり、検定が存在しない
  3. ^ ベトナム戦争が行われていた時に朝日新聞論説委員だった丸山静雄は、ベトコンという呼称が不当な蔑称であり本来であれば解放戦線と表記すべきであるが、そうすると「アカ」呼ばわりされる危険があり、世論の同情も薄れる可能性があるので、しばらくはそのままにしておいたと回想している[28]
  4. ^ なおNHKはこのベトコンという呼称を通し[30]、保岡は「最後までこの蔑称を使用し、自民党政権と同じ立場に立つ『国営放送』的な報道に終始した」と述べている。脚注ではこの単語がベトナム共産主義者という意味を含んだ英語の俗称・蔑称、と書かれている。NHKはテレビ放送では最後までベトコン呼称を用いたことを本多勝一が書き残している[31]
  5. ^ 谷沢永一は同社が発行する雑誌『世界』を「進歩的文化人の一大拠点」と評している[33]

出典

  1. ^ a b c d e f g h 字通, 日本大百科全書(ニッポニカ),ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典,百科事典マイペディア,デジタル大辞泉,世界大百科事典 第2版,普及版. “侵略とは”. コトバンク. 2022年3月16日閲覧。
  2. ^ 侵略の定義に関する決議:United Nations General Assembly Resolution 3314 on the Definition of Aggression,侵略の定義に関する決議” (html). ミネソタ大学人権図書館. 2013年4月25日閲覧。
  3. ^ spoken or physical behaviour that is threatening or involves harm to someone or something:actions or behavior that use threats or force against others:Cambridge Advanced Learner's Dictionary, Cambridge Academic Content Dictionary, Cambridge University Press.
  4. ^ a b * 「御署名原本・大正九年・条約第一号・同盟及聯合国ト独逸国トノ平和条約及附属議定書 (国立公文書館)」 アジア歴史資料センター Ref.A03021294200 ,173頁
  5. ^ Cryer (et al), Robert (2010). An introduction to international criminal law and procedure (2nd ed. ed.). Cambridge [UK]: Cambridge University Press. p. 312. ISBN 978-0-521-13581-8.
  6. ^ Patrick Wolfe, "Settler Colonialism and the Elimination of the Native", Journal of Genocide Research, 2006.
  7. ^ a b 『歴史を見る目歪める「北岡発言」』長谷川三千子(産経新聞「正論」2015.3.17)[1]
  8. ^ Stephen C. Neff (2005). war and the Law of Nations: A General History .Cambridge UP.[2]P.289
  9. ^ 日暮吉延 2011, pp. 21.
  10. ^ 日暮吉延 2011, pp. 18.
  11. ^ 日暮吉延 2011, pp. 19.
  12. ^ a b 坂本清「小協商と対ソ承認問題, 1932-1934」スラヴ研究, 36, 79-111,北海道大学スラブ研究センター
  13. ^ a b 土屋茂樹 1981, pp. 33.
  14. ^ 稲垣武 『「悪魔祓い」の戦後史 進歩的文化人の言論と責任』 文春文庫 [い-36-2] ISBN 4167365049、500p
  15. ^ 藤岡信勝 『「自虐史観」の病理』 文春文庫 [ふ-18-1] ISBN 4167196042、81p
  16. ^ 関寛治「『冷戦の再開』と世界秩序の危機」『世界』、(稲垣、535-536p)
  17. ^ 高木正幸 『全学連と全共闘』 講談社現代新書 771 ISBN 4061457713、41p
  18. ^ 神田文人 『昭和の歴史8 占領と民主主義 焦土からの再生と独立への試練』 小学館ライブラリー SL1028 ISBN 4094610286、15-16p(引用の際に漢数字アラビア数字に変換している)
  19. ^ 中宮崇 『天晴れ! 筑紫哲也NEWS23』 文春新書 494 ISBN 4166604945、143-144p
  20. ^ 浅羽通明『右翼と左翼』 幻冬舎新書 001 ISBN 978-4344980006、236p
  21. ^ 稲垣武 『新聞・テレビはどこまで病んでいるか 「靖国」「教科書」「小泉改革」報道他』 小学館文庫 [い-23-1] ISBN 4094024565、47-48p
  22. ^ 入江曜子 『日本が「神の国」だった時代 国民学校の教科書をよむ』 岩波新書 新赤版764 ISBN 4004307643、222p
  23. ^ 古田博司 『新しい神の国』 ちくま新書 684 ISBN 978-4480063861、68p
  24. ^ 小島晋治丸山松幸『中国近現代史』岩波新書1986年ISBN 978-4004203360 17p
  25. ^ 秦郁彦 『現代史の争点』 文春文庫 [は-7-6] ISBN 4167453061、148p
  26. ^ 尹健次『きみたちと朝鮮』 岩波ジュニア新書 190 ISBN 4005001904、148p
  27. ^ 歴史学研究会, 日本史研究会 編『「朝鮮戦争と片面講和」講座 日本歴史(11)』東京大学出版会、1985年。ISBN 978-4130250610 
  28. ^ 水谷三公 『丸山真男 ある時代の肖像』 ちくま新書 484 ISBN 4480061843、49p
  29. ^ 阿奈井文彦 『ベ平連と脱走米兵』 文春新書 126 ISBN 4166601261、102-104p
  30. ^ 保岡裕之 『メディアのからくり 公平中立を謳う報道のウソを暴くベスト新書 44 ISBN 4584120447、132-133p
  31. ^ 本多勝一 『NHK受信料拒否の論理』 朝日文庫 [ほ-1-23] ISBN 4022606509、50p
  32. ^ 山本夏彦 『私の岩波物語』 文春文庫 [や-11-11] ISBN 4167352117、28-29p
  33. ^ 谷沢永一 『反日的日本人の思想 国民を誤導した12人への告発状』 PHP文庫 [た-5-12] ISBN 4569573274、206p
  34. ^ 水野靖夫 『「広辞苑」の罠 歪められた近現代史祥伝社新書 350 ISBN 978-4396113506、85-86p。なお水野は、広辞苑は全体に共産主義に肩入れした記述が目に付くと指摘している。221p。また、教科書誤報事件という項目も「近隣諸国条項」という項目も存在していない。298p。
  35. ^ 袴田茂樹 『ソ連 誤解をとく25の視角』 中公新書 857 ISBN 412100857X、164p
  36. ^ マーティン・ガードナー 市場泰男・訳 『奇妙な論理 II 空飛ぶ円盤からユリ・ゲラーまで現代教養文庫 1426(C-045) ISBN 4390114263、101-102p/『奇妙な論理 II なぜニセ科学に惹かれるのかハヤカワ文庫NF 273 ISBN 978-4150502737、112-113p
  37. ^ 安東仁兵衛 『戦後 日本共産党私記』 文春文庫 [あ-26-1] ISBN 4167244039、235p
  38. ^ 稲垣武 『朝日新聞血風録』 文春文庫 [い-36-1] ISBN 4167365030、114p
  39. ^ 『歴史を見る目歪める「北岡発言」』長谷川三千子(産経新聞「正論」2015.3.17)[3]


「侵略」の続きの解説一覧




侵略と同じ種類の言葉


固有名詞の分類


品詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「侵略」の関連用語

侵略のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



侵略のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの侵略 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS