あやめ2号
名称:実験用静止通信衛星「あやめ2号」/Experimental Communications Satellite-b(ECS-b)
小分類:通信放送衛星
開発機関・会社:宇宙開発事業団(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))
運用機関・会社:宇宙開発事業団(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))
運用停止年月日:1980(昭和55)年2月25日
打ち上げ年月日:1980(昭和55)年2月22日
打ち上げ国名・機関:日本/宇宙開発事業団(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))
打ち上げロケット:N(F)(N-I)
打ち上げ場所:種子島宇宙センター(TNSC)
国際標識番号:1984081A
実験用静止通信衛星「あやめ2号」は、ミリ波による通信実験、通信衛星の打上げ技術の確立などを目的として打ち上げられました。予定のトランスファ軌道に投入されましたが、アポジモーターの不具合によってミッションの達成はできませんでした。
衛星はスピン安定方式で姿勢を制御し、設計寿命は1年でした。
1.どんな形をして、どんな性能を持っているの?
直径約141cm、高さ約95cmの円筒形で、上面にアンテナが取り付けられています。重量は130kgです。
準ミリ波(35/31ギガヘルツ・予備なし)と、マイクロ波(6/4ギガヘルツ・予備なし)を各1チャンネル持った、通信中継器を搭載していました。
2.どんな目的に使用されるの?
「あやめ2号」は、静止衛星の打ち上げ技術・追跡管制技術・姿勢制御技術の確立、ミリ波等周波数帯の通信実験および電波伝播特性の調査を目的に開発されました。
3.宇宙でどんなことをし、今はどうなっているの?
予定のトランスファ軌道に投入されましたが、2月25日にアポジモーター点火のコマンドを送信したところ、衛星からの通信が途絶しました。アポジモーターの異常燃焼が原因になって衛星が破損し、電波の途絶に至ったと考えられます。
4.このほかに、同じシリーズでどんな機種があるの?
「あやめ」(ECS)があります。
5.どのように地球を回るの?
高度約3万6,000km、傾斜角0度、周期約24時間、東経145度の静止衛星軌道です。
※参考文献:大林辰蔵・監修「日本の宇宙科学1952→2001」(東京書籍)、斎藤成文・著「日本宇宙開発物語」(三田出版会)
あやめ2号
(ECS-b から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/04 00:13 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動実験用静止通信衛星「あやめ2号(ECS-b)」 | |
---|---|
所属 | NASDA |
主製造業者 | 三菱電機 |
公式ページ | 実験用静止通信衛星「あやめ(ECS)」 |
国際標識番号 | 1980-018A |
カタログ番号 | 11715 |
状態 | 運用終了 |
目的 | 静止通信衛星技術の確立 |
設計寿命 | 1年 |
打上げ場所 | 種子島宇宙センター大崎射場大崎射点 |
打上げ機 | N-Iロケット6号機(N6F) |
打上げ日時 | 1980年2月22日17:35 |
通信途絶日 | 1980年2月25日 |
運用終了日 | 1980年2月25日 |
物理的特長 | |
本体寸法 | ⌀1.41m×0.95m |
最大寸法 | 約2m(アンテナ含) |
質量 | 130kg |
発生電力 | 100W |
主な推進器 |
アポジモータ 二次推進系 |
姿勢制御方式 | スピン安定方式 |
軌道要素 | |
周回対象 | 地球 |
軌道 | 静止トランスファ軌道 |
静止経度 | 145度(予定) |
近点高度 (hp) | 207km |
遠点高度 (ha) | 35,512km |
軌道傾斜角 (i) | 24.6度 |
軌道周期 (P) | 626分 |
搭載機器 | |
準ミリ波(35/31GHz・予備なし)通信中継器 | |
マイクロ波(6/4GHz・予備なし)通信中継器 |
あやめ2号(英語: Experimental Communications Satellite - b、ECS-b)は宇宙開発事業団 (NASDA) が打ち上げた人工衛星(実験用静止通信衛星)である。静止衛星軌道への投入には失敗した。
目的
ミリ波周波数帯の通信実験と電波伝播特性の調査、追跡管制技術・姿勢制御技術などの静止衛星関連技術の確立を目的とする。
特徴
あやめのプロトフライトモデル(PFM)として製作された予備衛星であり、設計・機器構成はあやめと同一である。
打ち上げ
1980年2月22日にN-Iロケット6号機で種子島宇宙センターから打ち上げられ、静止トランスファ軌道に投入された。2月25日13:46にアポジモータへ点火し、ドリフト軌道への移行を行ったが、点火8秒後に衛星との通信が途絶し、静止軌道への投入に失敗した。原因はブラックボックスとして輸入したエアロジェット製アポジモータの爆発だと見られており、後の調査で、あやめ及びあやめ2号で用いたものと同一ロットのアポジモータには泡や剥離といった製造欠陥があったことが明らかとなった。
関連項目
外部リンク
|
- ECS-bのページへのリンク