Dr.ヘルの地下帝国
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 08:28 UTC 版)
「マジンガーZ」の記事における「Dr.ヘルの地下帝国」の解説
バードス島 第59話までのDr.ヘルの本拠地。エーゲ海上に有る孤島で、古代ミケーネ帝国の遺跡が存在する。かつてヘルはここでミケーネの巨人ロボットを発見、そしてこの島を基地に改造した。内部には「司令室」(ブロッケン伯爵加入後は一新される)「機械獣製造工場」「機械獣格納庫」「幹部や戦闘員の居室」などが存在する。島の沿岸はサルードやブードの発着所、そして頂上は機械獣の能力テスト場になっている。また第40話からは「グールの格納庫」が新たに設けられ、島の一部が開いてグールが発進する。 モデルはエーゲ海にある実在の島「ロードス島」で、企画段階は元より、設定画や初期の脚本でも「ロードス島」となっていたが、土壇場になってこの名称に変更された。しかし当時のスタッフの混乱状態からか、第1話では「バードス島」となっていたのに、第2話の兜十蔵博士の遺言などでは「ロードス島」となっていた。この台詞は以後の再放送や、映像ソフトでもそのままである。 地獄城 第60話以降のヘルの本拠地。伊豆諸島にある孤島「地獄島」を、建設用機械獣ジャイアンF3とタイターンG9を使って前線基地に改造した。正面にはヘルの顔が刻まれている。設備はバードス島と同じだが、グールの発着所が島の頂上に変更され、ブードの発着所が基地内の海底ドッグとなり、島下部の髑髏の目の部分から出撃する。また島全体に防備用のミサイルが装備されている。最後は第91話で機械獣ハリビューンV6とサイガO3がZに倒されると、ヘルは「もはや帰る場所は無い」と島を自爆した。 海底要塞サルード あしゅら男爵が指揮する母艦。上半分は人工島に擬装されている。水面下の本体部分は迷彩色に塗装されている。機械獣や潜水艦を多数搭載。人工島基部の巨大プロペラを回転させ海面に大渦を巻き起こすことも出来る。第39話でマジンガーとの交戦により大破、喪失。デザインは美術の辻忠直。 海底要塞ブード 第44話から登場。サルードについで、あしゅら男爵が新たに与えられた超大型潜水艦といった趣の母艦。艦体最前部上面に起倒式の巨大な顔があり、口の部分が機械獣発進口となる。また発射口から渦を起こしたり、光線を発射することも可能。他にミサイルや魚雷などで武装。第78話にてあしゅらの捨て身の特攻でマジンガーにダメージを与えるが自らも大破、喪失。 飛行要塞グール ブロッケン伯爵が指揮する大型輸送機兼爆撃機といった趣の母艦。鳥もしくは翼竜をモチーフにしたデザイン。機械獣を多数搭載しており、口の部分のカタパルトから発進させる。煙幕を張り、人工雲にカムフラージュして敵の目を欺くことも出来る。主な武装は磁力光線やショックビーム、爆撃。第77話にて重傷のブロッケンに代り指揮を執ったあしゅら男爵のミスで地獄城へ激突して大破し、それが第78話であしゅらを単身自棄的な攻撃へ向かわせることとなる。第91話でZに撃墜されヘル一味は壊滅した。 ヘルカー 主に鉄仮面が搭乗する、二人乗りの車両。ヘッドライト部分からミサイルや火炎放射で攻撃する。が、アフロダイやボロットから返り討ちにされる。 機械獣 ヘルがバードス島で発見した、古代ミケーネ帝国の遺跡に残されていた(古代の超技術によって製造されていた)巨大ロボット。これらの巨人(ロボット)をヘルが改造し、バードスの杖で制御可能にしたものが機械獣である。その形状や能力は様々だが、ほとんどは多少なりとも人間に近い姿である。基本的に自律行動が可能で、バードスの杖から発する光線によって起動・制御されるが、中にはスパルタンK5やジェノバM9のように命令を拒否し独自の行動を取る例もあった。名称には一部の例外(第6話)を除いてアルファベット1文字の記号と1 - 10の番号が付けられている。初期の設定では、記号はマジンガーZ攻撃用、ジャパニウム鉱石強奪用など用途別に分けられる予定だったが、本編中では特に意味を持たせていない。なお、機械獣の名前につくアルファベットには「Z」が使われていない。これは、「Z」には最終(最強)兵器の意味が込められているため、マジンガーZ以外には使われなかった。なお機械獣というネーミングは漫画版では機械獣の動きがロボットというよりも獣じみていたことから弓教授が名づけたものだが、Dr.ヘル自身も用いるようになる。 妖機械獣 ゴーゴン大公からヘルに貸与された機械獣。ミケーネのオリジナルの技術が使用され、ヘルの機械獣より強力。ホバーパイルダーやアフロダイAの完全破壊などの殊勲を上げた一方で、マジンガーなしで撃破されたものもある。主に神話などをモチーフにしていること、名前の記号がギリシア文字であることが特徴。番号はローマ数字とアラビア数字が混用されている。劇中ではヘルのそれと区別なく単に機械獣と呼ばれ、妖機械獣という呼称は一度も使われていない。 ミネルバX 第38話に登場した、マジンガーZを女性化したような機械獣。元々は兜十蔵博士がマジンガーZのパートナーロボットとして設計したもの。あしゅら男爵が襲撃の際に奪った設計図を元にしてDr.ヘルが建造した。ブレストファイヤー、光子力ビーム、ロケットパンチ、ルストハリケーンなどマジンガーと同様の武器を装備しているが、素材は超合金ZではなくDr.ヘル製のスーパー鋼鉄。動力も光子力ではなく原子力での代用である。機械獣として現れたが、マジンガーと接近すると、腹部の「パートナー回路」が作動してヘルの制御を受け付けなくなり、マジンガーに友好的になった。しかし、機械獣アーチェリアンJ5の弓矢でパートナー回路を破壊されて暴走。原子力発電所へブレストファイヤーを発射する寸前にアフロダイAのミサイルで倒され、機能を停止した後Zの手で海に沈められた。初めてZに出会った際や倒されてZに抱き抱えられた時には涙を流している(これは内部回路の温度上昇で冷却液が目の隙間から流れ出し、涙のように見える)。 ラインX1 声 - 吉田理保子 第61話に登場したロボット。元々は死亡したシュトロハイム・ハインリッヒ博士(声 - 神弘無)をサイボーグ手術で蘇らせたヘルが、博士に命令して製作させた機械獣だった。だが、その電子頭脳パーツとなるべきアンドロイド(サイボーグ)の少女ローレライをまるで実の娘のように思い始めたことからヘルを裏切り逃亡し、ローレライと共に親子として暮らしていたが、行方を捜していたあしゅらに隠れ家を発見されて博士は殺されてしまう。シローと知り合い仲良くなっていたローレライは博士の死の間際に、自分がアンドロイドであり、シュトロハイムの娘ではないこと、ラインX1と合体することで機械獣を遥かに超える高性能のスーパーロボットとなるという衝撃の事実を告げられ、ライバル兜十蔵博士のマジンガーZを打倒し、ラインX1が史上最高のロボットであると証明することを最後の願いとして託される。自分を生み育ててくれた父の遺志を叶えようと、シローの制止を振り切って合体システムの起動スイッチである頭のリボンを外し、ローレライはラインX1との合体を果たしZに挑戦する。しかし、善戦も空しくZに敗北し、頭部のムチでメインコンピューターとなる胸部のローレライの顔を破壊して自決した。 漫画版の「ローレライの歌」篇をラストを除きほぼ忠実に映像化した一編だが、原作での名称は「ドナウα1」で、頭部の表情やボディラインが男性的なデザインになっており、最後はマジンガーZとの交戦の末もぎ取られた自分の頭部を叩きつけられて破壊された。ジャンプ掲載時にはわずか数ページで決着がついてしまったため、ジャンプコミックスおよびサンコミックスへの収録時の2度に渡り加筆されている。
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