養殖法とは? わかりやすく解説

養殖法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 08:29 UTC 版)

カキ (貝)」の記事における「養殖法」の解説

石蒔式 干潟に石を並べ自然に付着した貝を育て方法生産性高くない容易に出来る。 垂下方式 日本で最も多く行われている筏方式は、1950年代以降急速に普及拡大した技法である。ロープ針金等間隔付着基材となるホタテガイ貝殻固定し貝殻付着したカキ潮通しの良い海域設置した筏に吊す方法季節毎に筏の設置場所移動し湾内の広い水域養殖場として利用できるこのため効率良く成長早く1年出荷可能な大きさにまで育ち大量生産可能になった。しかし、筏垂下では成長に伴うロスのほか台風時化により付着基材からカキ脱落したり、波浪のため筏が損傷したりする事がある一方延縄はえなわ方式の養殖法を用いると脱落減少させる事が可能であると報告されている。 篭方式は主に「殻付きカキ」として流通させるカキ養殖する方法として行われるある程度大きさ育った稚貝を網や篭に入れ、筏から吊す方法。貝の成長に伴い脱落するロス減少させられるが、網内の密度が高いと成長悪くなるこの方法による生産品いくつかは『一粒かき』として地域ブランド化され流通している。 打式の方式は、干潟立てた設置した横置きの竿やからロープ針金を吊す技法で、1930年代から1950年代まで行われ、筏方式普及に伴い衰退した地蒔 干潟泥砂底にある程度大きさ育った稚貝蒔いて育て方法古代ローマ時代ら行われていたとされ、日本では1950年代後半まで有明海沿岸などで行われたが、ノリ養殖盛んになり衰退したひび建養殖法 広葉樹雑木や竹を干潟差し養殖する方法江戸時代から1940年代まで行われた浮体養殖法 海底鋼製魚礁設置し魚礁浮体となるブイの間をロープでつなぎロープに数カ所、種となる稚貝付いた基材取り付ける方法ブイ海面間の距離を4〜5m とすることで「養殖場の上船舶航行できる」「ムラサキイガイなどの付着垂下方式比べ少ない」「海面下にあるため波浪影響を受けにくく、波の強い外海面した水域使用できる」「魚礁としての集魚効果が高い」などの利点があると報告されている。 陸上養殖 食中毒原因となる寄生虫病原微生物少な地下海水を使う陸上養殖も、日本では行われている。JR西日本大崎上島広島県)で育てた陸上養殖カキを「オイスターぼんぼん」の商品名出荷している。

※この「養殖法」の解説は、「カキ (貝)」の解説の一部です。
「養殖法」を含む「カキ (貝)」の記事については、「カキ (貝)」の概要を参照ください。


養殖法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/11 14:43 UTC 版)

広島かき」の記事における「養殖法」の解説

広島でのカキ養殖天文年間(1532-1555) から始まったとする説(養殖法は不明)が最も古いものになる過去行われていた広島カキ養殖方法以下の通り寛政11年1799年)『日本山海名産図会広島牡蠣蓄養之法。法橋關月作。手前がひび建で、カキとともにノリ養殖行われていた。ひび建に寄ってきたとっているのもわかる。向こう側は活場になる。 昭和初期のもの。上が打式垂下、下がひび建。上図のひび建とやり方異なることがわかる。 東広島市三津湾。 坂町鯛尾向こう側が筏式、手前干潮時の抑制満潮時には潮に浸かる石蒔養殖法 干潟小石ばらまいてカキ付着させて育てる。寛永年間(1624-1643)に始まったとする説が最も古い。 地蒔養殖法 カキ稚貝を活場あるいはカキ田よばれる干潟直接ばらまいて育てる。これも最も古くら行われていた養殖法である。カキ埋没しないよう海底砂礫であること、波浪潮流影響少ない場所であること、など養殖適正地が限られていた。他の養殖法と複合行われており、昭和30年代後半1960年代初期)ごろ行われていた記録が残る。 ひび建(篊建)養殖法 干潟に竹や雑木建ててカキ付着させて育てる。そのまま育てて収穫する方法、“とや”と呼ばれる竹ひびを束にして育て方法途中でカキ落として地蒔養殖にて大きく育て方法、あるいは途中で筏式垂下にて大きく育て方法がある。 一般にひび建養殖は、江戸時代初期延宝年間(1673-1681)以前東京湾大森でのノリ養殖浅草海苔)から始まったと言われているが、広島カキにおいては寛永年間(1624-1643)に始まったとする説がある。昭和初期までひび建+地蒔主流で、昭和30年代後半1960年代初期)ごろ行われていた記録が残る。 これら近世・近代発達した養殖法はその開発され地区の名で草津式・江波式・仁保式・海田式などと呼ばれていたが、それらはひび建と地蒔方法違いがあるもののほぼ同じ養殖法である。東北地方太平洋側では延縄式もあるが、広島では行われていない。現在主に行われている垂下式は近代開発されている。 打式垂下簡易垂下)法 干潟に1.3から1.4mほどの作り、連と呼ばれる貝殻と竹の管を交互に針金通した塊をぶら下げ貝殻カキ付着させて育てる。 垂下養殖自体明治末期にまず真珠試験されている。カキにおいては大正13年から14年192425年神奈川県金沢水産試験場試験実施広島においては大正15年1926年)頃県水産試験場草津支場試験行ったのが最初で、急速に広まり昭和30年ごろまで主流だった。かつては地蒔養殖併用するものもあった。現在でも場所によって行われており、筏式からの仕上げとして行われている例もある。 筏式垂下法 連を筏にぶら下げて貝殻カキ付着させて育てる。 筏式は打式と同様に大正15年水産試験場草津支場厳島大野瀬戸試験行ったのが最初結果良好であった普及せず、昭和28年1953年)県水産試験場波浪に強い筏を開発したことにより昭和30年頃から急速に広まり現在の主流となった。これ以前までの養殖場干潟その周辺限られていたが、筏式が開発されたことによって沖合化による養殖場面積拡大、更に深さ方向つまり立体的に活用できることで収穫量大幅に上がった垂下法の連に用いられる貝はホタテガイで、かつてはカキの殻やセトガイ・イタラガイが用いられていた。 現在主に行われている筏式垂下法行程は、1.連を海中吊るしてカキ幼生ホタテガイ付着させる採苗」、2.採苗した連を沿岸置いて潮の干満一定時間空気中に晒すことでカキ成長抑制し環境変化対応できる抵抗力付けさせる抑制」、3.バラして新たな垂下連を作りカキ筏に吊るす「本垂下」、4.本垂下から収穫までの「育成」(3と4あわせて「筏養殖」とも)、5.「収穫」、の順に行う。それぞれ費やす期間の差で養殖方法の名がついているワカ : 採苗6月7月抑制8月まで、本垂下10月まで、収穫2月から5月末まで。昭和43年1968年)頃まで行われていた方法で、1年以内収穫するイキス : 採苗7月8月抑制9月まで、本垂下11月まで、育成にほぼ1年収穫2年目11月から1月末まで。2年生カキカキがとれるシーズン前半流通するものはこれになる。 ヨクセイ : イキス行程抑制期間を3ヶ月伸ばしたもの。2年生カキシーズン後半に流通するものはこれになる。 ノコシ : ヨクセイ行程育成期間を伸ばしたもの。3年生カキシーズン最初に流通するものはこれになる。 フルセ : イキス行程抑制期間をほぼ1年伸ばしたもの。3年生カキ収穫時期イキス同じになる。 以下は、近年行われている養殖法である。 シングルシード方式 粉砕したカキ殻にカキ付着させ水槽ある程度大きさ育てた後、網カゴネット入れて垂下し育てる。従来垂下法よりも形の良い一粒ガキ育てられる海外では主流であり、日本の民間生産業者初めこの方式の養殖成功したのは廿日市市大野漁業協同組合業者である。日本注目されるようになったのはオイスターバーブームによって質のいい殻付き一粒ガキ重要視されだした2000年以降のことで、従来の連を作る垂下法は大量生産できるが形の良い殻のものをある程度揃えることには不向きであったため、収益性の高い一粒ガキ生産する目的導入されている。 陸上養殖ではなく陸上汽水域内にある池に海水入れて育てる。従来方式比べてノロウイルス感染するリスクが低い。 フランスでは塩田の池で育てられている高級品があり、日本では広島生産業者大崎上島の旧塩田跡で平成初期までクルマエビ養殖が行われていた池で、殻付きカキとして生産されている。

※この「養殖法」の解説は、「広島かき」の解説の一部です。
「養殖法」を含む「広島かき」の記事については、「広島かき」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「養殖法」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「養殖法」の関連用語

養殖法のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



養殖法のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのカキ (貝) (改訂履歴)、広島かき (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS