養殖環境
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 08:14 UTC 版)
アクアポニックスは、養殖(飼育)と栽培を同時に行う。多くの場合、アクアポニックスは、水棲生物、植物、微生物を中心に制御要素を語られる場合が多いが、実際には、水棲生物、植物、微生物だけでなく気温(水温)、光、空気、水、肥料、エネルギーの確保といった環境条件の制御が最も重要である。身土不二という言葉があるように、環境と主体は一体である。水棲生物、植物、微生物などからなる生物相での循環が安定して行える環境条件(気温(水温)、光、空気、水、肥料、エネルギー)がしっかり確保できれば循環システムはおのずと安定して立ち上げることができる。野鳥と木の実ハンドブック(叶内拓哉 写真・文 文一総合出版)に野鳥が来る庭造りとして、鳥が好きな実のなる木を庭に植えるのがおすすめと書かかれている。庭に野鳥を寄せるには、野鳥が集まりやすくなるように庭の環境を整えることが大切なのだ。アクアポニックスも同様で、魚や植物が育つ(あるいは好んで育つ)環境を整備してあげることが最も重要で、その組み合わせを考えて実際に試せるところがアクアポニックスの強みであり楽しみである。鳥が好きな実のなる木を植えるということは、同時にいくつもの環境(餌、とまり木、安全な隠れ家など)が、同時に作り上げられる具体的なツールである。上記項目で説明した根域制限メディアベッドは、水質環境と栽培環境をそれぞれ別々に制御できるため植物も水棲生物もそれぞれ上手に育てやすいツールである。アクアポニックスは、小さいながらも地球システムそのものである。水質環境の悪化は水棲生物の斃死を引き起こす。また、植物の病気発生の多くは、水質環境の悪化のバロメーターである場合が多い。地球システムの実際、環境制御の失敗によるシステムの末路、生き残った水生生物、植物の再生、システム全体の再生、水質環境の短期的安定化技術、通年での安定化技術など環境悪化に対する対策技術を身に着けることは現在の地球環問題を解決するための重要な知識・経験となる。また、植物を健全に育てる技術、水棲生物を増殖される技術、栄養価が高く美味しい農産物や健全で美味しい水棲生物を養殖する技術は、日々の暮らしや生計を支える生産や職業への応用が可能な生きるための技術となる。
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