飛騨山中
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緒方 凱(おがた がい) 声 - 上村祐翔 / 幼少期 - 七瀬彩夏 本作の主人公。17歳。森で首を吊って自殺した母親から生まれた少年。刀匠・亜門にひろわれ、弟子として育つ。特徴は頭に付けている珠の髪飾り。自分を捨てた母親を恨んでおり、普段から冷静で無愛想である。その理由は複雑なものだが、その一つとして「胸の奥から聞こえる“殺意”の声」を挙げており、特にさやかを傷つけてしまうことを恐れていた模様。そのため、常に「ここではないどこか」を求め、その感情を解き放てる場所を探していた。右腕を失い魔刀“死龍”を義手としてからは、その力を制御できず度々暴走を繰り返し幼児退行を起こすこともあった。だが、後にさやかの想いを受け止め、逃げ続けていた「自分の生」と向き合い、克服したことで、死龍を受け入れ制御することに成功する。また、一条の武装魔化を負い目に感じてもおり、彼の望みを叶えるため戦う決意をする。その後、一条との戦闘に入るも武装魔となった一条に苦戦し、二度と戻れないと分かりながらも一条を止めるために武装魔と化し、一条と死闘を繰り広げる。死闘の末、一条を倒すも、なぜか人間の姿に戻り、監視していた吾嵐から武装魔、そして完全体の真実と一条との戦いが処史代によって仕組まれていたことだと告げられ、唖然とする。その後、百鬼から実家に危機が訪れていることを告げられ、実家に向かうも武装魔と化した亜門と対峙する。亜門に人間に戻るよう何度も説得するが、既に人間には戻れないことを悟り、自らの手で亜門を討つ。しかし、その直後に母親の遺体に憑依した武装魔に目の前でさやかを拐われてしまう。さやかを救うために百鬼の勧誘に乗り、処史代に入ることを決意する。 続編のヱヴォルヴでは処史代の戦闘員としてさやかの行方を探しながら活動している。武装魔に襲われていた蒔香を助ける形で彼女と出会う。その後は自身に再び接触してきた蒔香を餌にしたジャドウによって飛騨に作った結界を破られ、アロニスの侵入を許してしまう。その後、アロニスや配下のプロニモフと戦い、アロニスの第二形態に苦戦するもアロニスを倒す。その後、目撃者の蒔香を始末しなかった罰として、蒔香の身の安全のために上層部から蒔香の通う高校に潜入するように言われる。前作に比べると精神的に成長し、口数も多くなり、少なからず他者との交流を持つようになる。ただし、都会の生活には戸惑いを感じている模様。 義手となった“死龍”は戦闘に応じて形態変化する。制御出来ていないころは剣を生やした龍のような有機的形状をしていたが、彼が受け入れたことで殺意を訴えず、より刀剣に近い無機的な形態に変化した。: 「武装魔」にとっての神である「武装神」の器と目されており、「武装魔」・処史代の双方から狙われている。 アニメ版では、さやかを傷付けまいと“死龍”を斬り外しビルの屋上から飛び降りるも死に切れず、我眉衆に助けられそのまま行動を共にする。我眉衆が襲撃された際、“死龍”が舞い戻り「武装魔」へと覚醒してしまう。人を狂気で魅了する能力を持ち、暴力性を高め意のままに操る。また原作と違い、武装魔になると自分の意思では自我を保てない模様。後にさやかの一撃で元に戻り、慎にさらわれたさやかを救うべく最終決戦へ挑む。エピローグでは緒方家に戻り刀匠として一振り鍛え上げている。 黒龍神鬼(ネガ・レグルス) 凱の完全体としての姿。外見は細身の黒い双角の鬼と龍を足したような姿であり、背中からは鋭利な尾が生えている。その姿には“死龍”誕生の際に語られる「鬼」と「飛び去った龍」の衣裳が現れている。一条との戦いで完全体として覚醒し、それ以降は自分の意思でこの姿なれるようになり、武装魔達から黒龍神鬼〈ネガ・レグルス〉と呼ばれるようになる。 緒方 さやか(おがた さやか) 声 - 相坂優歌 本作のヒロイン。亜門の娘。17歳。溌剌とした明るい少女で、同い年でありながら凱のことを弟のように思っており、何かと世話を焼きたがる。刀作の際は巫女としての役割も担う女子高生。凱からはうっとうしがられることも多いが、彼が自分の内なる声を恐れる理由となるほど、深く食い込んでいる。彼女もまた凱を失うことを恐れており、ある種の相思相愛の関係にある。凱に己の気持ちを告げ、彼に“死龍”制御のきっかけを与える。凱が打った刀を貰い花龍と名付け、同時に無自覚のまま花龍のクリサリスとなる。その後、父が武装魔と化し、その混乱の中で、凱の母親の遺体に憑依した武装魔に拐われる。続編のヱヴォルヴでは愛邪のゼパールから亜門が凱によって殺されたことを教えられ、凱に憎しみを抱き、自らの意思で武装魔側に就いている。凱と再会した時は凱に対して敵意を隠さずに敵対する意思を示している。またクリサリスとなった自覚もある模様。しかし、ゼパールに協力しているわけではなく、ゼパールに対して「花龍」が愛の証拠だと語ったり、眠りながら凱の名前を呟くなど、凱に本気で敵対しているかは不明なところもある。 本編では一途で優しい少女として描かれているが、第四巻のおまけ漫画では執着心が強い少女としてパロディにされている。自身の武器は凱が打った刀であり、自身が花龍と名付けた日本刀。この刀は他の武器と違い、本体の日本刀とは別に龍と犬を合わせたような生物の姿をした花龍の意識が具現化しており、宿主のさやかを守り、さやかの意思に反応するような言動を見せている。 アニメ版では、原作より精神的に脆い面が目立っている。一条との戦いの後、戻ってきた凱と気持ちが通じ合った直後に彼の飛び降りを目撃し、一時的に失語症に陥るが、転入してきた慎と親しくなり回復する。しかし凱が生きていたことを知り慎とすれ違い始め、武装魔と化した凱に刺され重傷を負う。一命を取り留めたさやかは自分が凱の右腕を奪ったことを知り悩み、再び凱の元に駆けつけ凱の作った短刀を突き刺し、「武装魔」化していた凱が元に戻るきっかけを作る。 緒方 亜門(おがた あもん) 声 - 中田譲治 凱の義父で、さやかの父親。刀匠。飛騨山中に鍛冶場を持ち、多くの弟子を持つ名匠。作刀中の事故で失った凱の右腕に代々伝わる魔刀“死龍”を潰し、義手として与える。1人の息子として将来を案ずるなど優しい父親としての面を持ちながらも、人並みならぬ武器への執着心を持つ凱への不安も抱えている。実は過去に不治の病を患い、猜忌のウルカヌスによってグリシードを体内に宿すことで、生き長らえた過去を持つ。またその時に凱と死龍の因縁もウルカヌスから教えられていた。事実を知っていながら凱が武器と一体になることを内心では望んでいる面もあった。しかし同時に凱への愛情も本物であった。凱が一条との決戦後、自身の最後を悟り、より素晴らしい刀を残そうとするも、凱の武気の高まりにより、武装魔と化し、弟子達を襲うなかで、凱に人間に戻るように説得されるも、不可能であると知った凱によって討たれる。死の間際に僅かに理性を取り戻し、凱にさやかのこと頼むよう伝えていた。アニメ版では、凱と“死龍”の関係を断ち切るため、月の神が宿るとされる玉鋼を用いて新刀“三日月”を創り出す。直後来訪したゾルトゲインと対峙し、圧倒的な“三日月”の力で倒すが、そのまま刀を飲み込まれ“三日月”を失ってしまう。 辰巳(たつみ) 声 - 浜田賢二 亜門の下で修行を積む刀匠で凱の兄弟子にあたる男。さやかに気があり、彼女が優しく接する凱を良く思っていない。亜門の知人の研ぎ師から渡された槍の魔力に囚われ「武装魔」となってさやかを付け狙う。幼児退行した凱とさやかを襲うが、その場に現れた一条によって武器ごと溶かされ消滅してしまう。 飢月(きげつ) 声 - 佐藤正治 飛騨山中にある葉隠神社の神主。口癖は「喝!」。おちゃらけつつも神主としての自覚を持つが、血なまぐさい闘争を好み、あまつさえ武装魔に敗れた惣印を笑うなど、神主らしからぬ黒い面を持つ。武装魔や、それに対抗する“処史代”や“我眉衆”の実態を知っているなど、謎の多い人物。
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