たい‐こう〔‐カウ〕【退行】
退行
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/15 16:32 UTC 版)
心理学において退行(たいこう、Regression)とは、精神分析家ジークムント・フロイトによれば防衛機制のひとつであり、許容できない衝動をより適切な方法で処理するのではなく、自我を一時的または長期的に、発達段階の初期に戻してしまう事である[1]。退行の防衛機制は、精神分析理論においては、個人の性格が、より幼稚な性癖を採用し、発達段階の初期に戻るときに起こる[2]。
- ^ B.J.Kaplan; V.A.Sadock『カプラン臨床精神医学テキスト DSM-5診断基準の臨床への展開』(3版)メディカルサイエンスインターナショナル、2016年5月31日、Chapt.4。ISBN 978-4895928526。
- ^ “Psychology Dictionary (R) at AllPsych Online”. allpsych.com. 2008年3月11日閲覧。
- ^ Sigmund Freud, Introductory Lectures on Psychoanalysis (Penguin Freud Library 1) p. 383
- ^ Freud, Introductory Lectures p. 385
- ^ “Defenses”. www.psychpage.com. 2008年3月11日閲覧。
退行
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/08 01:57 UTC 版)
高度に発達した精神が、以前に経過してきた地点に回帰する現象を退行(Regression)という。 退行の原因にはいろいろあるが、固着(Fixation)と大きな関係があるとされている。固着はリビドーの相当の量がある発達段階に残されている事を意味するので、固着が強い人ほど内的や外的圧力に容易に屈し、その時点に退行しやすくなり、それだけ自我が脆弱だと言える。健康な人間でも睡眠時、食事、排便時、入浴時などリラックスできる時には軽い退行が起きる。 健康な退行と病的な退行は、その固着点から正常な精神状態に立ち返る事が出来るかどうかで決まる。また、面接過程において自然と精神は未熟な精神の発達段階に退行する事がわかっており、これを治療的退行と呼び、精神分析の治療に欠かせない要素となっている。治療的退行時には患者が平生感じることのない感情や衝動に駆られる事が多い。また動物にも退行が生じることが知られている。
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