開閉式屋根
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「国立競技場の建て替え」の記事における「開閉式屋根」の解説
断念 2015年8月の「基本的考え方・新整備計画」にて、屋根は観客席の上部のみ(「トラック上部に観客席を増設した場合にも対応」)と決定。開閉式屋根(前回コンペでは必須条件だった)は、断念となった。 なお、「施設の機能は原則として競技に限定」とも決まったが、遠藤五輪相は「スポーツ競技しかやらないという意味ではない」と語った。下村文科相が5月、「年間10回以上コンサートを開ければ黒字になるというので、(開閉式)屋根を作ろうということになった」と、主用途・経緯を明確にしていた。2014年にはJSCが、集客創造研究所(所長:イベント学会の牧村真史)に年間収支を依頼し、屋根有りで約4億円(50 - 46)、屋根無しで△6億円(38 - 44)と試算された。 課題点 当初、近隣への騒音でコンサート回数が限られた旧国立からの脱却が目指されたが、曲線の多いザハ案では、ガラス繊維でなく折曲可能なC種(可燃性)膜材を選択。そのせいか、遮音性能は15 - 20デシベル程度(一般的なコンサートは100デシベル)に過ぎないとされた。また、C種でもポリ塩化ビニール等の場合は耐久性も不安視された。密閉式ドーム屋根以上に、雪の重さ対策も課題となった。 有識者会議では鈴木寛などが開閉式屋根を推した。傘下の文化WGメンバーでは、都倉俊一座長がザハ案での残響時間を2秒程度への改善を要望し(説明会4頁)、残間里江子は相次ぐ首都圏施設の建替による会場不足(「2016年問題」)も後に指摘した。 大和一光(旧国立の元・場長)によると、2013年頃の旧国立の年間維持費(約5億)のうち約2億が嵐のコンサートによる収入だったという。商業利用の面で屋内施設の公益財団法人日本武道館と比較されることもあるが、新国立を運営するJSCは独立行政法人である。 球技では、天然芝への悪影響が不安視された。実際、日本の開閉式サッカースタジアム(国外でもシンガポール・ナショナルスタジアムなど)では、芝生の育成に苦労している。晴天時に屋根を開けて直射日光を取り込んでも、ドーム構造自体が、日照や風通しが悪くて水分が飛びにくい蒸れた環境であるなど、難点があるとされる。また、大型送風機での内部空気循環も、維持管理の手間が指摘された。 構想再浮上 スポーツ報知の取材によると、2020年の五輪後、収益や稼働率を上げる観点から、フィールドを覆う屋根の設置を検討していることが分かった。これは大会後民間委託による運営(コンセッション)を検討する過程の中で検討されており、屋根設置などはそのコンセッションにより委託される事業者の負担が有力だという。屋根を敷設することになれば、コンサートなどの開催は可能だが、騒音問題が懸念されてしまう。また密閉式の屋根にしてしまうと、技術的な問題から、天然芝の養生が困難であるため、人工芝への張替え なども必須とされるなどの課題がある。
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開閉式屋根
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 07:44 UTC 版)
福岡ドームには日本の野球場初の屋根開閉機構が備えられている。屋根は厚さ4メートルの3枚のパネルからなり、このうちの2枚が左右に120度旋回移動することにより約20分で全開閉する(全開時の開口率は60%)。屋根部分の総重量は約1万2000トン。一度の開閉にかかる費用は一部スポーツ紙で約100万円(屋根を開閉する電気代が20万円で、人件費など諸費用が80万円)と報じられたことがある。なお、開閉は通常試合前の練習(初期のみの実施)やホークスがホームゲームで勝利した後の「ルーフオープンショー」実施時などに限られている。 元々は天候に合わせて晴れの時は開いた状態で試合をすることを想定しており、当初は屋根が開いた状態での試合も行われたが、光の傾斜などが10月の日本シリーズ開催時期にベストの条件になるように設計されたため「(全ての屋根が開くわけではないため)構造上反射角の違いが選手のプレーに支障をきたす」と選手会からクレームが付いたことや、近くに病院(国立病院機構九州医療センターと福岡市立こども病院・感染症センター、感染症センターは2014年に移転)が存在すること、シーサイドももち周辺は高級住宅地となっていることなどから騒音問題があり、1999年6月19日(西武戦)を最後に開いた状態での試合はしばらく行われなかった。 かつて、KinKi Kidsがここでコンサートを行なう際「自分達でお金を払うから、演出の一環として公演中に屋根を開けて欲しい」という要望が行われたが、騒音問題を理由に実現しなかった。ホークス主催の少年野球トーナメントなどでは屋根が開いた状態での試合が行われている。 2008年9月10日の楽天戦で9年ぶりに屋根を開けて行なわれた。9月としては11年ぶりの5位転落や、連敗という悪い流れを断ち切ろうとしたもので、楽天球団や選手会、隣接する病院にも了解を得た上で行われた(この時は天候不良のため4回終了時点で閉じられた)。 2011年6月21日には、迷い込んだカラスを追い払うためだけに開閉が行われている。 2012年4月26日の対西武戦では「ルーフオープンデー」として屋根を全開して試合が開催された(この時は球場内の気温が下がったため20時をもって閉じられた)。これを皮切りに、毎年特定の1カード2〜3試合で「ルーフオープンデー」が実施されている。 2021年5月11日の対ロッテ戦では、「ルーフオープンデー」に備えて試合前から屋根を開けていたところ想定外に雨が降り込み、外野グラウンドや観客席も雨水で濡れたためスタッフが開門まで清掃作業に追われるというハプニングがあった。この関係で天候は回復したもののこの日は試合開始当初から屋根を閉じる状態で行い、開放は断念した。 なおルーフオープンデーが実施される日に以下の条件に当てはまる場合は、開催時間前、ないしは開催途中であっても屋根を閉じる場合がある。 当日の試合開始前の風速8m以上である場合、または試合開始時間の段階での降水確率が30%以上である場合は試合開始時における屋根のオープンは行わない。 屋根は試合終了後の演出などの都合もあるため、一度8回裏の攻撃時から屋根を閉じる状態にするが、それ以前にも降雨・気温・強風などの理由によりやむを得ず早めに屋根を閉じる場合がある。
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開閉式屋根
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「en:Retractable roof」も参照 スタジアムには開閉式屋根を持つものもある。蛇腹式、立面円弧状など。左右をつなぐ梁がある場合もある。
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