適応と禁忌
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/04 02:45 UTC 版)
「ケトジェニック・ダイエット」の記事における「適応と禁忌」の解説
ケトジェニック療法は、「薬剤の効き目が薄い」と判断された子供に対して処方されることがある。スコットランド、ウェールズおよびイングランドにおいて、ケトジェニック療法が国家規模で診療指針に組み込まれ、アメリカの保険会社においてはケトジェニック療法に保険が適用される。(癲癇のきっかけとなる)脳内で発生する単一箇所での異常反応を示す限局性の障害持ちの子供の場合は手術を受ける必要がありそうだと判断され、その場合はケトン食の処方よりも手術を受けるほうが発作が消える可能性がある。ケトン食を処方する癲癇施設のうち、約三分の一は、成人患者に対して食事療法を処方している。青少年や成人に対しては、血糖値(Blood Glucose Levels, Blood Sugar Concentration)の上昇の度合いが低いと判断された食べ物を出したり、修正アトキンス・ダイエットを処方するほうが適切だと考える臨床医もいる。固形物ではなく、流動食にして処方するケトン食は、授乳中の乳児や経管栄養(Tube-Fed, 食べ物の経口摂取が不可能あるいは不十分な患者に対し、消化管内にチューブを通して流動食を投与する)を受けている子供にとっては容易に摂取可能であり、身体に負担はかからない。薬剤の投与が効き目を発揮する可能性はわずか10%であり、食事療法による効能を確信する者たちはケトジェニック療法の実践を真剣に推奨している。 特定の治療法が効く可能性がある癲癇症状や遺伝性疾患(Genetic Syndromes)に対してはケトン食療法の処方が検討される。これにはドラベ症候群(Dravet Syndrome, 乳幼児期に発症する癲癇症状である乳児痙攣〈Infantile Spasms〉、間代性筋痙攣(自分の意思とは一切関係なく発生する筋肉の急激な収縮)を伴う癲癇症状(Myoclonic Astatic Epilepsy)、結節性硬化症(Tuberous Sclerosis Complex)が挙げられる。 2005年にアメリカの医師88人に対して行われた調査では、3つ以上の薬剤を投与しても効果が出ない場合は食事療法に切り替えるようにした医師は36%、最終手段として食事療法を処方した医師は24%、「まれに」食事療法を処方した医師は24%、食事療法をまったく処方しなかった医師は16%であったという。研究で得られた医学的根拠と実際の臨床診療の現場におけるこの乖離については、説明が可能な要因がある。1つには、ケトジェニック療法を組み込んだ治療計画を実践するために十分な訓練を受けた栄養士が不足している点が挙げられる。ケトジェニック療法は、身体の代謝を変化させる目的で処方される食事療法であり、ピルビン酸脱水素酵素(Pyruvate Dehydrogenase)とブドウ糖輸送体1の欠損症(Glucose Transporter 1 deficiency)といった、一部の先天性の代謝性疾患を患っている小児患者に対しては真っ先に処方される重要な治療法である。身体は炭水化物ではなく、脂肪および脂肪を消費して合成するケトン体を常に燃料にする体質になる。ケトン食療法は、これらの疾患の発作や他の症状に治療に対しても非常に有益な効果をもたらす確かな治療法である。 ただし、「ピルビン酸カルボキシ基転移酵素欠損症」(en:Pyruvate carboxylase deficiencyPyruvate Carboxylase Deficiency)、ポルフィリン症(Pophyria)、「脂質代謝における先天性の代謝異常」(en:Inborn errors of lipid metabolism)を患っている場合、ケトン食は決して処方してはならない。脂肪酸の酸化の不全を惹き起こしている患者の体内では、炭水化物を脂肪に置き換えたところで脂肪代謝ができなくなっており、身体は貯蔵しておいたタンパク質を消費し、「ケトアシドーシス」(en:Ketoacidosis, 通常のケトーシスとは異なる代謝面での異常な状態)を発症して昏睡状態に陥り、死に至ることがある。
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適応と禁忌
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/14 23:45 UTC 版)
日本移植学会「生体腎移植のガイドライン」は以下のとおり。 腎移植希望者(レシピエント)適応基準 末期腎不全患者であること透析を続けなければ生命維持が困難であるか、または近い将来に透析に導入する必要に迫られている保存期慢性腎不全である 全身感染症がないこと 活動性肝炎がないこと 悪性腫瘍がないこと 腎臓提供者(ドナー)適応基準 以下の疾患または状態を伴わないこととする 全身性の活動性感染症 HIV抗体陽性 クロイツフェルト・ヤコブ病 悪性腫瘍(原発性脳腫瘍及び治癒したと考えられるものを除く) 以下の疾患または状態が存在する場合は、慎重に適応を決定する 器質的腎疾患の存在(疾患の治療上の必要から摘出されたものは移植の対象から除く) 70 歳以上 腎機能が良好であること 日本移植学会 - 『生体腎移植のガイドライン』 腎移植は人工透析に替わる医療であるため、本人(小児の場合は家族)の希望を前提に行われる。生体腎移植の場合は、ドナー本人の善意に基づく自発的な提供意思の確認が行われる。偽装縁組による臓器売買事件以降、養子などからの提供の場合の審査を厳しく行うよう、ガイドラインの改定(日本移植学会倫理指針)が行われた。 生体腎移植の場合、透析治療開始後に腎移植を受けることが多いが、長時間の透析療法が困難な小児腎不全においては、透析開始前に腎移植を行うことも少なくない。先行的腎移植については、成人においても透析後移植と比較して生着率や生存率が高いとされている。死体腎移植の場合、臓器移植ネットワークへの登録条件として、透析治療中であることとされてきたが、2012年より透析前の先行的腎移植の登録も可能となった。登録にあたっては、透析後の登録と異なり、審査が必要となる。 レシピエントの手術は全身麻酔下で3時間以上におよび、輸血も行われる可能性が高いことから、心肺機能の不全、狭心性などの虚血性心疾患、不整脈、脳梗塞などの脳血管障害、肝障害がある場合は治療改善が必要となる。 糖尿病がある場合は、専門医による糖尿病治療の継続および網膜症、神経障害、冠状動脈・脳血管・四肢動脈などの血管病変などの合併症の評価および治療が必要となる。 移植後は継続して免疫抑制剤の投与が行われるため、活動性および潜在性の感染症、悪性腫瘍、膠原病などの活動性自己免疫疾患を有する場合、これらを悪化させる可能性がある。このため、移植前の治療改善が必要となる。 また、長期にわたる自己服薬を維持可能な管理・認知能力を要する。
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適応と禁忌
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/12 05:53 UTC 版)
適応症は尋常性痤瘡(にきび)、吹出物、顔面単純性粃糠疹(はたけ)、熱傷第一度(やけど(かるいもの))、凍瘡、ひび、あかぎれ、各種外傷、足白癬(水虫)、体部白癬(田虫)、股部白癬(いんきん)、頭部白癬(しらくも)となっており、殺菌消毒に有効な主成分が熱傷・外傷や細菌・真菌感染症に効果を示す、とされている。 ただし湿疹・皮膚炎群や虫刺症(虫刺され)には使用は控えるべきである。また化粧下については医薬品であることから使用しないこととされている。さらに第二度以上の熱傷・凍傷や湿潤傾向の強い白癬(趾間型白癬など)は使用できない。
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