番付編成とは? わかりやすく解説

番付編成

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 02:17 UTC 版)

番付」の記事における「番付編成」の解説

毎場所の番付は、協会定める番付編成要領に従って定められる。 各場所の千秋楽から3日以内番付編成会議招集され(番付編成要領第2条)、本場所成績をもとに翌場所の番付編成する会議審判部長が主宰し副部長以下審判部員、副理事出席し(番付編成要領第3条)、発言権はないが書記として行司同席する(番付編成要領第4条)。 編成され番付その場では発表されず、翌場所の直前発表される従来初日8日前の土曜日発表していたが、1970年昭和45年)からは、他のスポーツ行事少な月曜日なら新聞扱い大きくなることを考慮して番付発表本場所初日13日前の月曜日発表変更した1月場所番付発表は、年末年始繁忙期配慮して13日前よりも早まる新番付は発表日まで極秘とされている(番付編成要領第11条)。 力士地位やそれに伴う待遇は、原則翌場所の番付発表まで前場所の地位応じたものとなる。例外として、横綱・大関昇進する力士については番付編成会議終了後直ち昇進伝達式行い該当力士はこの時点から横綱・大関としての待遇を受けるようになる(番付編成要領第11条)。また、十両昇進力士新十両・再十両問わず)についても、本人待遇幕下以下大きく変化することや化粧廻し新調といった準備配慮して昇進事実のみが公式に発表される1971年昭和46年)より開始)。ただし、この例はあくまで「内示」であり、該当力士扱い番付発表まで幕下力士のままである新番付は発表日まで極秘とされているものの、朝日新聞相撲記者の抜井規泰はこれを「建前」であると述べており、報道関係者が事前に新番付を把握していることを示唆している。インターネットの普及した現代では発表時刻である午前6時過ぎた直後から各社サイト上に番付発表関連記事掲載され、特に共同通信社運営する携帯電話サイトスポーツアイランド」には全力士の番付掲載されるなど、実際に極秘」であるとすれば説明つかない事態となっていることからもこうした状況うかがえる番付昇進陥落目安 番付編成要領第6条では、「力士階級順位昇降は、その本所相撲の勝星により協議する。」とのみ定め勝星数が番付編成に最も重要な要素であることは示されているが、勝星数に応じた具体的な基準定めていない。実際の番付編成は、編成所管する審判部裁量事実上委ねられている(番付は生き物参照)。以下の目安はあくまで過去の番付編成の結果から導き出した平成期以降傾向で、これらの目安に依らない編成が行われた事例少なからず存在する横綱横綱昇進について、横綱審議委員会横審)の内規では、「品格力量抜群であること」と示されている。 審判部がある力士横綱昇進させたい判断した場合理事長審判部長からの要請受けて横審当該力士横綱推薦について諮問する。諮問受けた横審当該力士横綱にふさわしいか、「品格」「力量それぞれについて審査する。「力量」については「大関で2場所連続優勝」が原則とされ、これに準ずる成績力士昇進させることも可能である。「品格」については土俵上の振る舞いのみならず日常生活態度までもが審査対象である。横審からの答申受けて理事長臨時理事会招集し理事会において横綱昇進について決議し正式に昇進可否決定するが、理事会答申覆された例はないので、横審答申後に事実上決定することになる。 横綱本場所結果理由として下位陥落することはないが、それゆえ不振続けば引退迫られる成績不振横綱に対して横審決議により「激励」「注意」「引退勧告」等がなされる詳細横綱及び横綱審議委員会参照大関大関昇進についての目安は、平成中期以降は「直近3場所が三役関脇小結)で、その合計白星数が33勝以上」というものが定着している。 審判部がある力士大関昇進させたい判断した場合審判部長は理事長当該力士大関昇進可否審議する臨時理事会開催要請するが、理事会昇進見送られた例はないので、審判部長が臨時理事会開催要請した時点事実上決定すると言われる大関からの陥落については、番付編成要領第8条において「2場所連続負け越し関脇陥落する」としている。その際関脇の中では最下位据えられるのが通例である。大関陥落直後関脇については、同条において「10勝以上を挙げる大関復帰」とする特例設けられている。 大関#大関への昇進及び角番の項目も参照関脇以下関取関脇小結前頭平幕)・十両勝ち越し1点につき1枚上がり負け越し1点につき1枚下がるのが目安とされるが、他の力士との兼ね合い番付運などでその目安から多少外れることも多い。例えば8勝7敗・7勝8敗の場合は、目安からすると1枚上昇1枚降下となるが、実際に2枚程度上下したり東西移動に留まったりすることもあるし、あるいは場合によっては番付動かない据え置き)ことも起こり得る幕内上位では大勝ちしても(現在では関脇以下がいきなり横綱昇進することはもちろん、小結以下がいきなり大関昇進することもよほど特殊な状況ならない限りありえず、)上昇幅がそれほど大きくないのは当然として、幕内下位十両でも大体12勝以上の大勝ちや、大体12敗以上の大負け場合昇降幅が勝ち越し負け越し点数より若干少なくなる傾向がある。 関脇小結については、在籍人数の上限は定められていないが、2人のみの場所が多く横綱・大関比べると同じ地位3人以上力士在籍する(かつての張出に相当)ことは少ない。近年でも時として3関脇発生することがある大関からの陥落者や小結好成績者がいる場合など)が、3小結以上は近年ではかなり珍しい。 力士養成員幕下三段目序二段序ノ口番付外審判部内規過去傾向から、以下のような状況では昇進確実とされる幕下15以内で7戦全勝した力士は、優先的に十両昇進対象となる内規がある。 内規ではないが、東幕下筆頭勝ち越し力士は、翌場所の十両昇進が確実とされる幕下16目以下で7戦全勝した力士は、翌場所の番付幕下15以内となる。 三段目以下で7戦全勝した力士は、1つ上の段に昇進する番付外から序ノ口への昇進出世)は、1番でも前相撲取った力士全休力士以外)が全員対象となる。その際序ノ口で1勝でも勝星上げた力士より上位になることはない。そのため、序ノ口負け越した力士が、番付外から昇進した力士押し上げられる形で序二段昇進するなど、番付上昇することが起こり得る序ノ口から番付外への陥落は、全休力士のみが対象となる。 これらに当てはまらない場合昇進及び陥落については、それに関する内規は特にないが、関取比べると1番の重み大きく、特に下位になるほどその傾向顕著である。例え幕下上位勝ち越し場合の上昇幅は勝ち越し点の2倍が目安となるし、三段目序二段では勝ち越し負け越し1点につき10ないし数十上下するなど、番付急激に変化する幕下及び序ノ口八番相撲取った力士場合八番相撲での白星は番付編成に反映されるが、八番相撲での黒星は番付編成に反映されない勝ち得負け得)。 休場負け見なし番付編成されるが、@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}全休場合全敗より低い成績という扱いとなる。すなわち関脇以下力士場合全休力士全敗力士より下降幅が大きくなる。[要出典] 特殊な状況においては、その当時傾向から大きく外れた番付編成がなされることもある。昭和以降実例としては、1932年春秋園事件大量脱退者出た影響幕下から直接幕内昇進した力士出羽ノ花、瓊ノ浦)がいた例、1967年5月場所関取定員削減前場十両勝ち越したにもかかわらず幕下降下した力士前田川嵐山)がいた例、2011年大相撲八百長問題大量引退者が出た影響幕内下位十両幕下上位負け越したにもかかわらず番付上昇した力士垣添など)がいた例などがそれである。また実例はないが横綱大関合計人数1人以下になった場合も、前述大関昇進目安に関係なく関脇以下からの穴埋めによって大関強引にでも作られることになる。

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