特性と用途
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 07:23 UTC 版)
鉛筆は筆記・書写・描画、製図などに幅広く使用される。通常の鉛筆の筆跡は消しゴムを用いれば消すことができ、そのため公的な書類などには用いることができない場合も多い。その筆跡は、保管状況によっては数年経つと輪郭がぼやけ、掠れたような感じになる。これは、鉛筆の芯の主成分である炭素が顔料であり、紙の表面に付着するだけで、中までしみこまないことに由来する。特に色の濃い鉛筆の芯ほど擦れやすい。これを防ぐには、表面をフィキサチーフのような透明塗料で覆い、炭素の粒子を固定する必要がある。反面、鉛筆の筆跡はインクのように経年変化によって色が変化したり消えたりすることはない。また水分によって筆跡が滲まないため航海日誌の記述に用いられてきた。消去防止や湿式の複製を目的とした特殊な鉛筆として、水溶性色素を含んだインデリブル・インク鉛筆やコッピー鉛筆(英語版)と呼ばれるものもあるが、現代では稀な存在となっている。 書き味の軟かさや太さから、美術のデッサンや鉛筆画などにもよく用いられる。各種の顔料を油成分で固めて芯とした色鉛筆も事務から美術用に幅広く用いられる。これは黒以外もさまざまな色の線を描くための鉛筆であり、その筆跡は通常の鉛筆に比べて消しにくい。なお、消しゴムで消すことのできる製品もある。色鉛筆の中でも特に赤鉛筆は、原稿の校正や試験答案などの採点にしばしば用いられる。また、光学カメラを用いる印刷の原稿を作る際には、青鉛筆が用いられる。赤鉛筆と青鉛筆を棒磁石のように合体させた「赤青鉛筆」と呼ばれる、一方が赤色、もう一方が青色の鉛筆も販売されている。 水彩色鉛筆のように絵画用に特化しているものもある。これは顔料を水溶性の溶媒で練り上げた芯を用いた色鉛筆で、描いたあと、水を含ませた筆でなぞると水彩画のような風合いになる。また、芯を固形水彩絵具のように使用することも可能である。油脂分を増した軟質色鉛筆(グリースペンシル)は筆記可能な対象材質が幅広いのが特徴で、産業用固形マーカーやリトグラフ用描画材としても使われる。 その他の美術用鉛筆には、パステル芯を用いたパステル鉛筆や、木炭粉を固めた芯を用いたチャコールペンシル、コンテ同様にカーボンブラックやサンギュイン(英語版)、セピアや白色顔料などを固めた芯を用いたスケッチングペンシル、これらの水溶性のものなどがある。黒鉛鉛筆は主原料の鱗状黒鉛に由来して筆跡が金属光沢を帯びる特徴が好まれるが、一方、色鉛筆などの黒色に主に用いられるカーボンブラックは金属光沢が少なく、黒みがより強い特徴がある。 近年はシャープペンシルの普及によって、鉛筆の筆記用としての需要は減少している。しかし、大学入試などでは、マークシートの読み取りミス防止のためにマークシートへの記入は鉛筆に限定されることが多く、マークシート読みとり機メーカーも、鉛筆で書くことを推奨している。ほかにも、手書きで楽譜を書くときなど、一つのペン先で太さの違う線が書けると便利なときなどには、あえて鉛筆が選択されることもある。また、正しい筆記具の持ち方を指導するために、シャープペンシルを禁止している小学校がある。 なお、眉などを描くための化粧用のものとして化粧用鉛筆がある。
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特性と用途
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/13 01:35 UTC 版)
ホウ素の原料鉱石として工業的に使用されるほか、以下のようにホウ砂そのものの特性を利用した様々な用途がある。 350~400℃に熱すると無水物になり、さらに熱すると878℃で融解して無色透明のガラス状となる。これは多くの金属酸化物を融解する性質を持つため、融剤として使われるほか、このとき金属によって特有の色を呈するため、定性分析や陶芸用の釉薬溶解剤として使われる(硼砂球反応)。 ガラスに混ぜると熱衝撃や化学的浸食に強いホウケイ酸ガラスとなるため、耐熱ガラスなどの原料となる。 水溶液は弱アルカリ性となり、洗浄作用・消毒作用があるため洗剤や防腐剤などに使われる。またホウ酸と同様に、目の洗浄・消毒に用いられる。また、銀塩写真の現像液にアルカリ調整剤として添加される。日本の国産の写真用ホウ砂(10水塩)とアメリカ産のホウ砂(7水塩)では結晶水の数が異なるため、同じ量で現像液を調合した場合にpH値がやや異なり、現像感度に差異が生じるので注意が必要である。 ホウ素がポリマーを架橋しゲル化する反応を利用し、理科の実験や自由研究などでスライムを作るときによく用いられる。 植物の必須微量要素であるホウ素の肥料として。 原子炉の放射線遮蔽材として。原子力船むつが遮蔽リングの設計ミスにより放射線漏れを起こしたとき、応急処置としてホウ素を含むホウ砂を混ぜ込んだ米を貼り付けることで漏れを防いだ。 また近年、米国テキサスA&M大学のジョセフ・ナジバリー (Joseph Nagyvary) 教授の研究により、ヴァイオリンの名器であるストラディバリウスのトップから、この物質が検出された。製作当時、ホウ砂はワニスの防腐剤として使われていたことが明らかになっており、それが名器の音の秘密ではないかという研究結果が、同教授によって提出されている。
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特性と用途
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/14 18:52 UTC 版)
肥料として単独に、また化学肥料の原料としても広く用いられる。工業用ではマンガン乾電池の電解液、亜鉛のメッキ、染料や染色助剤、光沢剤、電解質等、さらには医薬品原料や皮のなめし剤、火薬の原料にも使われる。また、試薬としても用いられる。 食品添加物としては、炭酸水素ナトリウム(重炭酸ソーダ)と併用して膨張剤として使われることが多い。フィンランドなど北欧諸国で人気のあるサルミアッキ(リコリス菓子)というキャンディには塩化アンモニウムが使用されているため塩味とアンモニア臭がする。天然では、ダイオウイカなど一部のイカの仲間が浮力を得るために塩化アンモニウムを体内に保有している場合がある。特定のイカにある“えぐみ”はこのためである。 消石灰と混ぜ加熱しアンモニアを発生させる実験によく使われる。 2 NH 4 Cl + Ca ( OH ) 2 ⟶ 2 NH 3 + CaCl 2 + 2 H 2 O {\displaystyle {\ce {2NH4Cl + Ca(OH)2 -> 2NH3 + CaCl2 + 2H2O}}}
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