カーボン‐ブラック【carbon black】
カーボンブラック
石油や天然ガスなど、炭素を含む物質を不完全燃焼させて製造する、すすのような黒い炭素の微粒子をいう。カーボンブラックはゴムの補強材として最適で、もっとも多く使われている。ゴムにカーボンブラックを混ぜると、補強効果が生じてゴムの硬度が増し、強度、耐久性、耐摩耗性が飛躍的に向上する。粒の小さいカーボンブラックを使うと、強くて耐摩耗性の高いタイヤができ、大きい粒子を使うと柔軟性のあるタイヤができる。タイヤが黒いのはカーボンブラックのためである。補強材をカーボンブラックからすべて、ウエット性能と転がり抵抗に優れるシリカに置き換えるとカラータイヤが実現するが、現段階では種々の問題があって実用化が難しい。
アセチレンブラック
カーボンブラック
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/07 14:08 UTC 版)
カーボンブラック(carbon black)は、工業的に品質制御して製造される直径3-500 nm程度の炭素の微粒子[1]。化学的には単体の炭素として扱われるが、表面には様々な官能基が残存した複雑な組成を持ち、いわゆる無定形炭素と呼ばれるものに含まれる。
- ^ IUPAC Gold Book - carbon black
- ^ カーボンブラック協会の統計では、2012年の日本国内需要の95.4%、カラー用が多い輸出向けを含めると92.9%。
- ^ a b c 化学工業日報編、「カーボンブラック 高度化ニーズ 技術力で対応」『化学工業日報』2013年5月30日、pp6-7、東京、化学工業日報社
- ^ Colour Index Generic Nameの略。カラーインデックスやen:Colour Index Internationalを参照。
- ^ 均一に分散させるために予備的に高濃度でプラスチックやスチレンブタジエンゴムなどに混合したマスターバッチを使う場合もある。
- ^ 『ASTM D 1765 Standard Classification System for Carbon Blacks Used in Rubber Products』, 1991年, ASTM
- ^ 『カーボンブラック年鑑2013』、2013年、東京、カーボンブラック協会
- ^ 郭雋奎、「2012年全球十大炭黒生産国産能排行榜」『橡膠工業』2013年60卷p416、2013年、北京橡膠工業研究設計院
- ^ 経済産業省生産動態統計年報 化学工業統計編 - 経済産業省
- ^ a b 化学工業日報編、「変革期迎えるカーボンブラック」『化学工業日報』2014年5月29日、pp8-9、東京、化学工業日報社
- ^ Kuempel, Eileen D. and Sorahan, Tom (2010). “Identification of Research Needs to Resolve the Carcinogenicity of High-priority IARC Carcinogens” (PDF). Views and Expert Opinions of an IARC/NORA Expert Group Meeting, Lyon, France, 30 June – 2 July 2009. IARC Technical Publication No. 42. Lyon, France: International Agency for Research on Cancer 42: 61–72 2012年8月30日閲覧。.
- 1 カーボンブラックとは
- 2 カーボンブラックの概要
- 3 生産量
- 4 メーカー
- 5 関連項目
カーボンブラック
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「システィーナ礼拝堂壁画修復」の記事における「カーボンブラック」の解説
修復チームは、フレスコ画の表面にある油と煤が、間違いなくロウソクの煙に起因するものだと考えていた。一方でジェームズ・ベックや多くの芸術家たちは、ミケランジェロが陰影を表現したり暗部を鮮明にするために、膠に混ぜた煤(カーボンブラック)を使用して、乾式フレスコ技法のフレスコ・セッコで描いていると指摘した。もしベックらの主張が正しいとすれば、ミケランジェロがカーボンブラックで描いたフレスコ・セッコの部分の大半が、修復作業で煤とみなされて失われてしまったことになる。 しかしながら描かれている人物像の中にはカーボンブラックが鮮やかに残っている箇所もある。この矛盾の説明について、天井画完成までに長い歳月を要したために、ミケランジェロの制作技法が変化したのではないかとする説がある。あるいは描かれた日の気温、湿度、さらには日照時間がカーボンブラックの状態に何らかの影響を与えたという可能性もある。いずれにせよ、ミケランジェロが採用した陰影技法が箇所によってことなっていたということになる。 ペンデンティヴに描かれているクマエの巫女は、非常に目立つ強い陰影表現で描写されている。彫刻に見えるような三次元表現がなされており、ミケランジェロが制作したモーセ像すら思い起こさせる。修復に批判的な研究者たちは、ミケランジェロが天井画にこめた意図は隣り合う色彩同士の鮮やかな対比表現であり、フレスコ・セッコの技法で描かれていたそれらの表現が過度な洗浄作業によって失われてしまったとしている。 人物像以外でも、天井画のフレスコ・セッコによる鮮明な詳細表現が修復によって失われてしまったという批判は存在している。貝殻、ドングリ、玉飾りなど、おそらくはミケランジェロが後から弟子たちに完成させるために手を付けなかった箇所である。これらの表現描写は箇所によってかなりの違いが見られる。たとえばスパンドレルに描かれている預言者エゼキエルの背景に描かれている建造物はブオン・フレスコであり、完全な形で残っている。 場所による修復作業結果の違いがはっきりと分かる、キリストの祖先たちが描かれた二箇所のスパンドレルがある(上図)。左のスパンドレルには黒色を使用した陰影表現が残っており、女性がまとう緑色のローブには黒色で深い陰が付けられている。人物の背景のモチーフにも黒色が多用されており、だまし絵のような効果をもたらしている。振り返る幼児の瞳は黒色と白色で詳細表現がなされている。修復後にもこれらの黒色が残っているということは、このスパンドレルがすべて漆喰が濡れている状態で描かれたブオン・フレスコであることを意味する。左のスパンドレルと比較すると右のスパンドレルは未完成であるかのように見える。しかしながら修復前には、このスパンドレルにも黒色による陰影表現が見られたのである。 四隅のペンデンティヴにはそれぞれ暴力的な場面が描かれているが、修復作業によってカーボンブラックが除去された結果、劇的な印象は損なわれている。とくに「ハマンの処刑」のペンデンティヴにこの傾向が顕著である。暗い室内を背景に浮かび上がる劇的な人物表現だったものが、修復作業の結果、モノトーンのパステル画のようになってしまっている。
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「カーボンブラック」の例文・使い方・用例・文例
カーボンブラックと同じ種類の言葉
粉末に関連する言葉 | はい エチレンジアミン四酢酸(エチレンジアミンしさくさん) カーボンブラック サントニン セメント(せめんと) |
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