日本への移住者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 15:36 UTC 版)
日本統治時代の朝鮮から日本へ移住した朝鮮人から、また戦後の難民・密航などの不法入国から、在日韓国・朝鮮人が誕生した。 1945年(昭和20年)の第二次世界大戦敗戦、ポツダム宣言受諾(日本の降伏)により、それまで所有していた領土の内の朝鮮半島と台湾の領有権について、日本政府は放棄を受け入れた。その後、1947年(昭和22年)5月の「外国人登録令」で旧植民地出身者である朝鮮人や台湾人らは「外国人」とみなされるようになり、1952年(昭和27年)4月28日のサンフランシスコ講和条約発効・日本の主権回復に合わせて「外国人登録法」が施行され、日本籍を所持していた在日外国人らは日本国籍取得者から除外されました。 1980年代には一部の中小企業や農林業(第一次産業)、とりわけ第二次産業(製造業・工業)、第三次産業(商業・サービス業)でのブルーカラー職種で「人手不足」が深刻化、外国人労働者によって人手不足を埋め合わせる機運が生まれる。1990年(平成2年)の「出入国管理及び難民認定法改正」により、日系海外移住者3世まで就労可能な地位が与えられ、日系ブラジル人・日系ペルー人や中国人を中心に外国人労働者が増大した。1991年(平成3年)には「日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法」が施行され、「特別永住者」という地位が新たに法的に規定された。 また中国残留孤児やフィリピンの日系人家族などを想定した「定住者」という法的地位も新設された。外国人労働者は2020年の時点で日本には約172万人の外国人労働者が在留している。また日本にいる在留外国人は288万人おり、日本に定住・永住する者も増加している。 自由民主党の外国人材交流推進議員連盟は2008年(平成20年)に日本は、「今後50年で総人口の10%程度の移民を受け入れるのが相当で1000万人規模の移民受け入れを達成すること」も決して夢でないとし、「移民庁」を創設し日本が受け入れる移民のカテゴリーとして、 高度人材(大学卒業レベル) 熟練労働者(日本で職業訓練を受けた人材) 留学生 移民の家族(家族統合の権利保障) 人道的配慮を要する移民(難民、日本人妻等北朝鮮帰国者、その他日本が人道上受け入れを考慮すべき人々) 投資移民(富裕層) などを想定していた。 しかし、ヨーロッパなどの移民政策への評価が分かれており、あえて移民政策を推進することへの疑問や反対意見も多く、日系人やこうした姿勢の一つの倫理的な正当化は日本の保安を守るという視点もある。 日本介護福祉士会は、2014年技能実習生の対象を介護の分野に広げることに反対した。しかし2017年技能実習制度は拡大され介護職種も対象となった。 同様に建設業界から「国内の若年者の雇用確保が本筋」「外国人材の活用は、言葉や習慣の違いなど課題も多い」とする声も人手不足の改善が見られないことから外国人労働者の拡大を求めるようになり2019年新たな在留資格である特定技能が始まった。 2019年時点で生活保護を受給している世帯主が外国人の世帯は4万4852世帯(人数は6万5096人)である。 2015年(平成27年)10月、国家戦略特別区域諮問会議で内閣総理大臣安倍晋三(当時)が「外国人を積極的に受け入れ、総合的に在留資格を見直す」との考えを示した。 2016年(平成28年)4月25日に自由民主党の「労働力確保に関する特命委員会」(委員長・木村義雄参院議員)がまとめた提言案では、単純労働者について「その概念自体をなくす」とし、5月中に安倍首相に対し提言を提出。自由民主党外国人材交流推進議員連盟では(<移民の定義>国連事務総長報告書による「通常の居住地以外の国に移動し少なくとも12か月間当該国に居住する人のこと(長期の移民)」(国連事務総長報告書による))としていたが、政府内で統一的な定義のなかった「移民」の定義について(「入国時に在留期間の制限がない者」)との独自の定義を近く示し、「入国時に在留期間の制限がない者」を受け入れる政策は国民に抵抗感が強いとして踏み込まない考えを明らかにする方針。今後は、大学教授や経営者、高度な技術者など「国の利益になる高度な人材」だけでなく、建設作業員などの「単純労働者」の受け入れを「必要に応じて認めるべきだ」とし、外国人の受け入れを基本的に認めるよう求めた。 しかし2018年、移民の定義を問われた国会答弁では移民とは文脈により意味が変わるため統一的な定義は出来ないと回答した。 2019年に建設作業員など人手不足の対応を目的とする在留資格、特定技能が始まった。 留学生30万人計画により東南アジアのベトナムや南アジアのネパールで日本語学校が相次いで設立され留学生が急増しているが、実質的に安価な労働力として受け入れられていることが問題となっている。 「移民1000万人計画」、「アジア・ゲートウェイ構想」、「留学生30万人計画」、「外国人研修制度」、および「技能実習制度」を参照
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