移民受け入れ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 14:29 UTC 版)
詳細は「en:Immigration to Sweden」を参照 スウェーデン統計局によると、人口の19.6%(1,858,000人)が、国外にルーツを持つ人間であるという。これは自分が国外で生まれたか、もしくは両親のどちらかが国外生まれであるということを意味する。Eurostatによると、2010年のスウェーデンには、113万人(人口の14.3%)の国外出生者がおり、うち 477,000 (35.7%) がEU国籍者、859,000 (64.3%) はEU外の国籍者である。逆に2015年で、国外で出生したスウェーデン国籍者は、上位国は以下でとなる。 フィンランド (156,045) イラク (131,888) シリア (98,216) ポーランド (85,517) イラン (69,067) かつてのユーゴスラビア (67,190) ソマリア (60,623) ボスニア・ヘルツェゴビナ (57,705) ドイツ (49,586) トルコ (46,373) スウェーデンのように人口減少下において労働人口および消費人口を確保するための施策として、移民を積極的に受け入れることが挙げられる。スウェーデンでは合計特殊出生率は1.70人である一方で、純移動率は6.75人と流入超過であり、出産ではなく移民によって人口自体は増え続けている。西ドイツ(現:ドイツ連邦共和国)では第二次世界大戦後驚異的な経済成長をみせたが、それに伴い労働力不足が深刻になった。このため政府は各国と二国間協定を結び、各国の主要都市に「ドイツ委員会」を設置、本国の機関と連携して労働者の募集活動を行なった。初期はイタリアやスペイン、ベルリンの壁建設後はポルトガルやユーゴスラビアなどから労働者が集まったが、とりわけ流入が多かったのはトルコ出身者であった。第一次石油危機によって経済は打撃を受けた。おりしもベビーブーム世代の労働市場参入が本格化することが予測されていたこともあり、政府は外国人労働者募集を原則停止するとともに労働市場テストを導入した。しかし国内の外国人労働者の長期滞在化、また彼らの家族呼び寄せにより、外国人数は増加の傾向をみせていった。帰国奨励金の支給などの政策による効果も一時的なものにとどまった。このため彼らの社会的統合が図られることになったが、東西ドイツ統一後の景気悪化によってその試みは困難を迎えた。旧東ドイツ地域で失業が増加し、また冷戦の終焉やバルカン半島の情勢悪化によって他国から経済難民が大量に流入した。これにより労働市場は不安定になり、外国人労働者に対する国内感情は悪化、外国人襲撃事件が続発した。統一ドイツでは他の先進国同様、非熟練労働者受け入れの規制を強めるとともに専門的技術を持つ労働者を積極的に募集している。2000年には情報通信分野で、一定の学歴・技術を有するものに限り労働許可の取得を簡素化するグリーンカード制度を発足させた。また、これらの方針をすすめるため2005年には新移民法を施行させ、各種制度を整備した。一方で東欧諸国などを対象に二国間協定を結び、経済援助の目的のもと限定的に非熟練労働者を受け入れている。2016年からはEU圏外のバルカン諸国からの外国人労働者が増加している。これらの国の出身者には情勢が良くないことから人道的配慮で在留を認めていたが情勢改善からそれがなくなり就労資格への切り替えが進んだためである。 ただ、あくまで自国民の出生数が減り続ける少子化に対する対策ではなく、少子化がもたらす労働力不足を補う為の対策である。2012年(平成24年)当時の少子化対策担当大臣(野田第1次改造内閣)であった中川正春は2012年2月23日に報道各社とのインタビューにて、「北欧諸国や米国は移民政策をみんな考えている。そういうものを視野に入れ、国の形を考えていく」と発言し、出生力回復を目指すだけでは人口減少を食い止めることは困難であるとの認識を示した。 2014年2月24日、内閣府の「選択する未来」委員会は、「外国からの移民を毎年20万人ずつ受け入れることで、日本の人口1億人を100年後も維持できる」という試算を示した。 2018年、当時の安倍政権は2019年に開始されることとなる外国人労働者のための在留資格、特定技能は移民ではないと閣議決定した。この決定に対する「衆議院議員奥野総一郎君提出外国人労働者と移民に関する質問に対する答弁書」には移民とは様々な文脈で使われるため定義することは出来ないと明確化された定義はないとあった。
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