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支給品


支給品

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 08:16 UTC 版)

特別攻撃隊」の記事における「支給品」の解説

陸軍航空医学に基づく「航空糧食」に力を入れており、航空病予防しパイロットに能力最大限発揮させる栄養食品を作る事を目的陸軍第七技術研究所中心として莫大な陸軍予算投じていた。当時東條英機首相もかなり期待していた模様で、首相以下 近衛文麿広田弘毅若槻禮次郎といった元老らなど、軍や政治中枢首相官邸集めて航空糧食講演会開かれており、当時政府や軍の期待度の大きさが覗える。東條失脚後陸軍方針変わらず陸軍航空技術研究所東京大学などの協力受けて航空ビタミン食」「腸内ガス無発生食品」「航空元気酒」「疲労恢復酒」「防吐ドロップ」「早急出動食」「無火無煙煙草」など多数栄養食品や機能食品嗜好品作られ前線パイロットに支給されていった特攻隊員でも、1944年12月14日クラーク基地からパラワン島近海出撃した、陸軍特攻菊水隊一〇〇式重爆撃機搭乗員出撃時に疲労回復のため、甘味の酒に和漢生薬20種の成分ビタミンB混合した航空元気酒」の小瓶や、酸素不足予防のための鉄分を含む「活性飴」を支給され出撃している。 特攻隊員出撃に際して覚醒剤ヒロポン)を投与され判断力恐怖心強制的に失わせた上で出撃させられていたという話が一部広まっているが、これは正確な表現ではなく日本軍事史や日本軍戦争犯罪に詳しい日本近現代史学者吉田裕教授からも「よく戦後特攻隊に関する語りの中で、出撃前に覚醒剤打って死への恐怖感和らげて出撃させたんだという語り証言がたくさんあるんですけれども、これは正確ではないようです。覚醒剤使っていたのは事実ようです日本パイロットは非常に酷使されていて(中略疲労回復とか夜間の視力増強ということ覚醒剤大量に使っていて」との指摘もあっている。これを内地錬成中の特別攻撃隊当て嵌めると、特攻訓練燃料貯蔵量の関係もあって制限されており、休養給養等が充分に与えられ疲労の度を考慮する実戦部隊身体的疲労にはほど遠い。 「覚醒剤#歴史」も参照 戦後参議院予算委員会質疑において、厚生省政府委員によれば「大体、戦争中陸軍・海軍使っておりましたのは、全て錠剤でございまして、飛行機乗りとか、或いは軍需工場、軍の工廠等におきまして工員飲ませておりましたもの、或いは兵隊飲ましておりましたものはすべて錠剤でございました今日問題になっておりますような注射薬は殆ど当時なかったと私は記憶しております。」との答弁通り戦時中覚せい剤は広い範囲使用されており、特攻隊員限定的に使用されてはいなかった。 また、軍による覚醒剤使用目的についても、厚生省課長戦中覚醒剤製造認可についての質問対しヒロポン等につきましては、特別に製造許可いたしました当時は、戦争中ありましたので、非常に疲労いたしますに対して急激にこれを回復せしめるという必要がございましたものですから、さのような意味で特別な目的のため許したわけでございます。」と答弁しており、軍による覚醒剤使用目的は「疲労回復であったとしている。 特攻隊員覚醒剤使用していたという話が蔓延した経緯として、戦後GHQによる日本軍貯蔵医薬品開放指令により、旧日本軍貯蔵医薬品一緒に大量に開放され覚せい剤は、一般社会爆発的に広まり中毒者が激増し社会問題化したが、他の多く社会問題同様に覚せい剤暗黒時代であった戦時中象徴であったとする主張なされるようになり、事実とは異な証言回顧が巷に氾濫する事となった。その一例として、自らも薬物中毒苦しんだ経験を持つフランス文学者平野威馬雄が、戦時中軍需関係の会社従業員していた人物より戦後1949年聞いた「頭がよくなる手に入った。これは部外秘というやつで、陸海軍特攻隊青年だけに飲ませるはりきりで、ヒロポンという名前だ。長くない命に最後まで緊張した精神維持させるだ。」という話を紹介しているが、一般に流通していたヒロポンを「部外秘」としたり、特攻隊青年だけに飲ませていたといったような事実反した話が広まっていたことがうかがえる。これは軍部非人道的機関位置づけ覚醒剤禍の元凶として批判すべき対象とした際に、特攻隊員がその象徴として利用されていたことの例の一つであった思われる第二次世界大戦参戦各国覚せい剤使用状況見ても、同じ枢軸国側ナチス・ドイツは、日本ヒロポンより先に1938年より市販されていたメタンフェタミンの錠剤「Pervitin」と「Isophan」を1940年4月 - 7月のわずか4カ月の間に3,500錠を製造しドイツ陸海空軍兵士大量に支給するなど熱心に使用していた。連合軍アメリカ・イギリスも、メタンフェタミンを使っており、主にドイツ日本への本土戦略爆撃機パイロットに長時間飛行疲労回復剤や眠気解消剤として支給していた。またアメリカ軍は、覚醒剤のアンフェタミンを現代に至るまで主にパイロットに使用している。最近でもアフガニスタン紛争 (2001年-)での誤爆事件(ターナックファーム事件英語版))で、アメリカ空軍疲労回復剤として、アンフェタミンの錠剤服用パイロットに強制していたことが明らかになっている。従って、日本軍覚醒剤使用については、当時参戦各国での使用目的実績変わらない水準使用であった思われる

※この「支給品」の解説は、「特別攻撃隊」の解説の一部です。
「支給品」を含む「特別攻撃隊」の記事については、「特別攻撃隊」の概要を参照ください。

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