摩利支天とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 宗教・信仰 > > 仏教 > > 摩利支天の意味・解説 

摩利支天

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/09 01:00 UTC 版)

摩利支天(まりしてん, : Mārīcī[1]、マーリーチー[1][2]、訳:陽炎、威光[3])は、仏教の守護神である天部の一尊。梵天の子、または日天の妃ともいわれる[3]。摩里支菩薩、威光菩薩とも呼ばれる[2]

摩利支天(マーリーチー)は陽炎太陽の光、の光を意味する「マリーチ」(Marīci)を神格化したもの[1]で、由来は古代インドの『リグ・ヴェーダ』に登場するウシャスという暁の女神であると考えられている[4]。陽炎は実体がないので捉えられず、焼けず、濡らせず、傷付かない。隠形の身で、常に日天の前に疾行し、自在の通力を有すとされる。これらの特性から、日本では武士の間に摩利支天信仰があった。

像容

元来二臂の女神像であるが、男神像としても造られるようになった。三面六臂または三面八臂で月と猪に乗る姿などもある。

日本における信仰

護身や蓄財などの神として日本で中世以降信仰を集めた。楠木正成は、兜の中に摩利支天の小像を篭めていたという。また、毛利元就立花道雪は「摩利支天の旗」を旗印として用いた。山本勘助前田利家立花宗茂といった武将も摩利支天を信仰していたと伝えられている。禅宗日蓮宗でも護法善神として重視されている。

日本の山岳信仰の対象となった山のうちの一峰が摩利支天と呼ばれている場合があり、その実例として、木曽御嶽山(摩利支天山)、乗鞍岳(摩利支天岳)、甲斐駒ヶ岳があげられる。

タイ捨流剣術では、現在でもなお、「タイ捨流忍心術」摩利支天経を唱えてから稽古や演武に入る。[5]

真言

オン・アニチ・マリシエイ・ソワカ

または、

オン・マリシエイ・ソワカ

陀羅尼

ナモアラタンナ・タラヤヤ・タニヤタ・アキャマシ・マキャマシ・アトマシ・シハラマシ・マカシハラマシ・アタンダナマシ・マリシヤマシ・ナモソトテイ・アラキシャアラキシャタマン・サラバサトバナンシャ・サルバタラ・サルババユ・ハダラベイ・ビヤクソワカ

摩利支天の法

日本には忍者が結ぶの基になった、戦場に臨む武士が行う修法「摩利支天の法」(まりしてんのほう)が存在し、摩利支天は武士の守り本尊として鎌倉時代から武士に人気があった。方法は、右手と左手の人差し指と中指をそれぞれ立て、右手を刀、左手を鞘に見立て、右手で空中を切る。空中を切った後、刀に見立てた右手指は、鞘に見立てた左手に納める。

主な寺院

その他

脚注

参考文献

関連項目





固有名詞の分類

このページでは「ウィキペディア」から摩利支天を検索した結果を表示しています。
Weblioに収録されているすべての辞書から摩利支天を検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
 全ての辞書から摩利支天 を検索

英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「摩利支天」の関連用語

摩利支天のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



摩利支天のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの摩利支天 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS