指名競争入札をめぐる刑事事件
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「指名競争入札」の記事における「指名競争入札をめぐる刑事事件」の解説
「一般競争入札#一般競争入札をめぐる刑事事件」も参照 2009年 6月20日 - 宮崎県えびの市長の宮崎道公と市内の造園土木会社社長が競売入札妨害の疑いで逮捕された。宮崎は、2008年6月27日に行われた「2008年度榎田橋橋梁維持工事」の指名競争入札で、同社に落札させようと計画。入札直前の6月26日頃、同社社長に工事の最低制限価格を電話で伝え、同価格に近い金額で工事を落札させた疑いがある。 2014年 5月20日 - 長崎県南島原市長の藤原米幸、副市長の永門末彦ら7人が官製談合防止法違反や公契約関係競売入札妨害の疑いで逮捕された。2012年6月28日に行われたポンプ場の電気設備工事の指名競争入札で、福岡市南区の電気設備会社に最低制限価格を類推できる情報を漏らして落札させた疑いがもたれた。落札価格は9,900万円で、予定価格の93%だった。 2016年 2月22日 - 北海道美瑛町の美瑛町立病院の放射線技師が官製談合防止法違反で逮捕された。2011年に行われた、放射線室で使用する「全身用MRIシステム」の指名競争入札で、放射線技師は病院が購入を決めていた機器のメーカーの社員と共謀し、意中の納入業者にだけ、予定価格を下回る卸売価格を告げて落札させた疑いがある。業者は予定価格9,648万6千円のところ、9,648万円で落札した。 11月8日 - 札幌市の市職員が官製談合防止法違反で逮捕された。市観光文化局スポーツ部が2013年2月に発注した札幌市麻生球場の搬入ゲート取り換え工事の指名競争入札において、市職員は市内の建築金物製作会社の従業員に入札の設計金額などを漏らしたとされる。 12月8日 - 島根県奥出雲町の町職員が官製談合防止法違反で逮捕された。町職員は、2016年6月に行われた町役場の仁多庁舎で使う机などの調達にかかる指名競争入札の予定価格を漏洩した疑いがある。 2017年 2月14日 - 埼玉県蓮田市の市職員が公契約関係競売入札妨害の疑いで逮捕された。2016年7月から2017年1月にかけ、市発注の土木工事の指名競争入札3件で、同職員は業者2社が提出した見積書の金額を予定価格に設定するなどして、近接する金額で落札させた疑いがある。 6月16日 - 沖縄県渡名喜村長の上原昇が官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害の疑いで逮捕された。2016年9月下旬、上原は、村が発注した多目的施設の電気工事の指名競争入札に関する情報を電気工事会社代表に漏らしたとされる。 2018年 7月9日 - 福岡県鞍手町長の徳島真次が官製談合防止法違反などの疑いで逮捕された。2015年7月、徳島は下水道事業の設計業務を巡る2つの指名競争入札で、最低制限価格などを元町議の福本博文と建設コンサルタント会社役員に漏らし、福本の会社と建設コンサルタント会社に同価格に近い金額で落札させたとされる。 10月22日 - 東京都小平市の公立昭和病院を運営する「昭和病院企業団」事務局施設担当課長が官製談合防止法違反などの疑いで逮捕された。同年7月中旬~8月上旬、同課長は同病院の空調設備の保守・整備業務の委託を巡る指名競争入札を巡り、東京都大田区の空調工事会社の役員に予定価格の暫定価格や指名業者の情報を漏らした疑いがある。8月17日に行われた入札には4社が参加し、同社が予定価格の99.84%の約7,600万円で落札した。 2019年 1月17日 - 富山県黒部市の市職員が官製談合防止法違反の疑いで、黒部市の土木工事会社社長らが公競売入札妨害の疑いで逮捕された。市職員は2018年8月23日に行われた市道地下に下水管を埋める工事の指名競争入札で、会社社長に入札価格を教えた疑いがある。入札の予定価格は879万4千円で、8社が応札、土木工事会社が860万円で落札した。 9月26日 - 東京都武蔵村山市の男性職員が収賄の疑いで逮捕された。男性職員は、桜並木の管理業務の委託契約に関する指名競争入札で参加業者名や応札額を漏らすなどし、2018年6月から2019年1月にかけて3回に分けて現金計20万円を同市の造園会社社長から受け取った疑いがある。 11月18日 - ラジオ高崎社長で高崎芸術劇場館長の菅田明則と高崎市役所課長が官製談合防止法違反などの疑いで逮捕された。同年1月頃、高崎市が発注した高崎芸術劇場の備品購入の指名競争入札に関し、市課長が入札予定価格5800万円(税抜き)を菅田に漏らし、1月24日に実施された指名競争入札で市内の電気工事会社が5680万円で落札したとされる。 2020年 6月2日 - 東京都府中市の市都市整備部参事が官製談合防止法違反容疑で、府中市議会議員の村木茂と臼井克寿が公契約関係競売入札妨害容疑で逮捕された。2019年8月、当時都市整備部長だった市参事は、東京オリンピックのロードレース会場となる「浅間町1丁目地内道路新設工事」と、多摩川沿いの公園「四谷さくら公園拡張整備工事(2期)」の指名競争入札にあたり、最低制限価格(税抜)は公園拡張工事が1億1,220万4,071円、道路新設工事が5,454万8,952円であるとの情報を村木と臼井に漏らしたとされる。 10月2日 - 茨城県石岡市の市課長が官製談合防止法違反の疑いで逮捕された。市課長は2018年10月、同市体育館の空調設備の清掃業務委託の指名競争入札にからみ、同市のビル管理会社「アンテック」役員に情報を漏らし、不正な入札を行った疑いがある。入札は7社で行われ、予定価格950万円に対し、アンテックが946万円で落札した。 10月7日 - 新潟市の市職員が官製談合防止法違反の疑いで逮捕された。同年3月下旬、公園管理業務委託の指名競争入札に関し、同市秋葉区の造園業者に最低制限価格を漏らしたとされる。入札は8社で行われ、最低制限価格の約1,765万円で同造園業者が落札した。 12月3日 - 沖縄県の「本部町今帰仁村清掃施設組合」の事務局長が官製談合防止法違反の疑いで逮捕された。事務局長は2019年2月から3月にかけて、一般廃棄物最終処分場・し尿処理施設運転維持管理委託業務の発注仕様書を、浦添市の「めぐみ創研」が有利に落札できるよう改定し、3月13日ごろに非公表の入札書比較価格(5,100万円)に近い価格を漏らし、同社に落札させた疑いがある。落札額は5,050万円で落札率は99%だった。 12月24日 - 青森県西目屋村長の関和典が官製談合防止法違反の疑いで逮捕された。関は2019年8月下旬ごろ、弘前市内の4社が参加した除雪車1台の指名競争入札で、弘前市の建設機器販売会社「小山内重整備」の役員に予定価格を漏らした疑いがある。関の逮捕は2度目。 2021年 1月13日 - 福井県若狭町の男性職員が公契約関係競売入札妨害の疑いで逮捕された。男性職員は、2019年7月12日に行われた大気汚染測定局新設工事の指名競争入札で、同町の電気設備会社社長に非公表の予定価格に近い2,335万円を教え、落札させた疑いがある。 1月14日 - 西目屋村長の関和典が官製談合防止法違反の疑いで逮捕された。関は、2019年10月に行われた西目屋小学校の教員用のパソコンなどの購入の指名競争入札を巡って、青森市の情報機器販売会社「よつば」が落札できるよう便宜を図った疑いがある。関の逮捕は3度目。 1月19日 - 宮崎県日南市副市長の田中利郎と、日南地区建設業協会長で小野建設社長の小野耕嗣が官製談合防止法違反などの疑いで逮捕された。田中は2020年10月9日、市役所であった曽和田線道路改良工事の指名競争入札で、小野からの依頼に基づき特定の業者を指名業者から排除したうえ、予定価格の391万2728円に近い額で別の業者に入札させ落札させた疑いがある。落札率は98.4%。 2月8日 - 辞職した元西目屋村長の関和典が収賄などの容疑で逮捕された。同村は国の「GIGAスクール構想」を受けて、児童用タブレット端末52台などの購入を計画。2020年6月に行われた西目屋小学校の児童用タブレット端末の購入先を決める村発注の指名競争入札で、前述の「よつば」が落札できるよう有利な会社を選定するなどして落札させ、同年9月下旬ごろ、見返りに同社の役員から現金数十万円の賄賂を受け取ったとされる。関の逮捕は4度目。 2月25日 - 福島県会津美里町長の渡部英敏が官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害の疑いで逮捕された。渡部は、2020年10月に入札を予定していた高田地域町営住宅解体除去工事の指名競争入札で、入札前に予定価格と最低制限価格を建設会社代表に漏らして落札させた疑いがある。3月8日、渡部は辞職した。 4月7日 - 群馬県前橋市の市課長補佐と会社元代表取締役と会社代表取締役が官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害の疑いで逮捕された。課長補佐は元代表取締役と共謀し、昨年7月8日の道路改良工事(同市笂井町・小島田町)に関する指名競争入札で、予定価格(1149万円)を漏らし、落札率98.3%に当たる1130万円で元代表取締役の会社に落札させた疑いがある。また、課長補佐は代表取締役と共謀し、同年11月5日の公園遊具整備工事(同市下細井町)に関する指名競争入札で、予定価格(405万円)を漏らし、落札率96.3%に当たる390万円で代表取締役の会社に落札させた疑いがある。 7月26日 - 国土交通省北海道開発局の元・士別道路事務所長が官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害の疑いで、札幌市の建設コンサル会社社長が公契約関係競売入札妨害容疑で逮捕された。元所長らは、2020年7月に行われた北海道美深町の道路補修設計業務の指名競争入札で、特定の業者を指名業者から除外するなどして、公正な入札を妨害した疑いがある。入札には10社が参加し、建設コンサル会社が予定価格の約93%にあたる1,260万円で落札した。 8月18日 - 富山県舟橋村の村役場の会計管理者が官製談合防止法違反などの疑いで、富山市の土木会社「森崎」の役員が公契約関係競売入札妨害容疑で逮捕された。会計管理者は同村生活環境課長だった2020年10月、道路改良工事と小学校のプール整備工事の指名競争入札で、会社役員に予定価格などを教え、落札させた疑いがある。「森崎」は舟橋村が創業の地で、幹部が前村長の金森勝雄の後援会役員だった。2016~2020年度には、村発注の土木工事66件のうち計44件を落札している。 11月17日 - 山梨県富士川町長の志村学が官製談合防止法違反などの疑いで逮捕された。また、市川三郷町長の久保眞一が逮捕された官製談合防止法違反事件で2度逮捕されていた設計事務所の元経営者も再逮捕された。久保は2021年3月、翌月に控えた町立の施設の設計に関する指名競争入札で元経営者の事務所に落札させようと考え、志村が談合に応じる別の5社を選び、元経営者に教えた疑いがある。 12月6日 - 鹿児島県いちき串木野市の市立学校給食センター所長と調理器具販売会社の社長が官製談合防止法違反などの疑いで逮捕された。所長は、2019年11月に学校給食センターが行った調理機械など合わせて5件の指名競争入札で、調理器具販売会社に入札させようと予定価格の積算根拠などを会社社長に伝えたとされる。同社は、この5件で総額7,100万円余りを受注した。 2022年 2月13日 - 沖縄県竹富町長の西大舛高旬が官製談合防止法違反などの疑いで逮捕された。そのほか、JFEエンジニアリングの従業員3人、建設会社社長ら計5人が公契約関係競売入札妨害の疑いで逮捕された。2020年5月、西大舛はほかの5人と共謀して町発注の「竹富海底送水管更新工事」の指名競争入札について、建設会社社長を通じてJFE側に最低制限価格を漏らした疑いがある。JFEは最低制限価格に近接した約6億7300万円で落札した。 5月11日 - 岐阜県養老町の元町副特命事項推進監の高木善太郎が官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害容疑で逮捕された。そのほか、同町の建設会社Sの従業員が公契約関係競売入札妨害容疑で逮捕された。2020年4月に町が実施した「養北こども園西園舎解体工事」の指名競争入札で、高木は工事の設計金額をS社の従業員に教え、予定価格に近い2,660万円でS社に落札させて、入札の公正を害したとされる。
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