急行形電車とは? わかりやすく解説

急行形車両

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/02 07:22 UTC 版)

急行形車両(きゅうこうがたしゃりょう)とは、基本的に急行列車で使用することを目的とした鉄道車両のこと。


注釈

  1. ^ 1972年(昭和47年)の北陸トンネル火災事故を機に客車急行列車の食堂車連結が中止された。なお、従前の10系客車を含む在来形客車は明確な用途上の分類を定めていないが、食堂車については実質的に急行列車用として製作された半室食堂車やオシ16形など、一部を除いて登場後しばらくは特急列車で運用され、後継車の増備などにつれ、格下げの形で急行列車にも使用されるようになっていた。
  2. ^ キハ58形1500番台は冷房準備工事こそされていたものの、その多くが東北地方に配置されていたため、冷房化されなかった車両がほとんどであった。北海道向けのキハ56・27形200番台も冷房準備工事されていたが、ジョイフルトレインとミッドナイト用に改造された車両を除いて冷房化されなかった(ただしミッドナイト用はサブエンジン式冷房装置で冷房化している)。
  3. ^ 東日本旅客鉄道(JR東日本)では民営化後に登場した特急形電車において車両形式区分の第2位の数字を「5」に割り当てている。
  4. ^ 2012年(平成24年)の「きたぐに」を最後に定期急行列車は設定されていない。気動車急行も2009年(平成21年)の「つやま」を最後に廃止されたため、急行形気動車を今後導入することは見込めないものである。
  5. ^ 陳腐化に対処するための改造で、白熱灯だった室内灯の蛍光灯化・木製ドアから鋼板ドアへの取り替え・木製内張りのアルミ化粧板への取り替え、またはニス仕上げから淡緑や薄茶色塗料による塗りつぶし・木製窓枠のアルミサッシ化・天井扇風機の取り付けなどが挙げられる。1964年(昭和39年)以降に施工された車両は外板も20系客車と同じ青15号に塗装された。
  6. ^ 一等車(三等級制時代の二等車、後のグリーン車)や一等寝台車(三等級制時代の二等寝台車、後のA寝台車)については冷房化された車両もあったが、冷房化に際して床下に電源供給用ディーゼル発電機の搭載のほかにグリーン車については車両限界の関係で冷房装置搭載のために低屋根化と冷房装置の搭載(一等寝台車については上段寝台の居住性確保のため冷房装置も床下搭載)で重量増加(重量区分換算重量の変更)が避けられないことから台車までも軽量なものに交換せざるを得なかった。
  7. ^ 客車は蒸気機関車煤煙による手や顔の汚れを洗い落すために洗面所が必要で、利用客の多い駅にもプラットホーム上に大人数が同時に使える洗面所があった。
  8. ^ 17系気動車の二・三等合造車は比較的早い時期に荷物車などに改造されて消滅した。その後は一般形気動車で優等車(キロやキロハ)は製造されていない。
  9. ^ 設計に人間工学を取り入れた急行形の改良形座席と同形状のボックスシートながら、シートピッチがそれまでの1,470 mmから1,580 mmに拡大された。
  10. ^ 12系客車は台車が空気ばねであったのに対し、在来形客車は台車が板ばね(TR47形)またはコイルばね(TR50形)であった。
  11. ^ 電動車が2両1組ではじめて機能するM+M'ユニット方式のため。
  12. ^ 運転台の無いグリーン車は状態の悪いものから廃車され、その他は台枠を利用して車体を新造した荷物車郵便荷物合造車に改造された。
  13. ^ 例として盛岡車両センターに所属していた58気動車はKenjiをはじめとするジョイフルトレインなどの一部を除き、冷房準備工事車であるキハ58形1500番台を中心に配置されていたが、普通列車運用末期は2エンジン車のみで使用されていたため、冷房用発電セットを床下に搭載するスペースがなく、冷房化が困難であった(バス用の機関直結式冷房装置であれば2エンジン車であっても冷房化は可能であり、北海道旅客鉄道のキロ59形0番台およびキハ56形550番台ではバス用の冷房装置を使用して冷房化している。急行形ではないが、西日本旅客鉄道や九州旅客鉄道に所属していたキハ52形にはバス用の冷房装置で冷房化された車両が存在した)。
  14. ^ 例としてキハ58形を両運転台化改造したキハ53形1000番台は単行で運用することができ、ワンマン運転も可能であったが、キハ58形時代に冷房化改造されていたものの、発電セットを備えるキハ28形やキハ65形と併結しないと冷房を使用することができなかった。
  15. ^ 例外はオハニ63形(後のオハニ36形)。なお、その他の三等車も臨時急行列車に充当されたことがある。
  16. ^ 優等列車はその性質上、できるだけ状態の良い車両を使用する風潮があったことと普通列車用客車の新車の製造に消極的であったためである。名目上特急形客車として製作された20系についてもほぼ同様で後継車である14系や24系の増備につれて次第に急行列車にも運用されるようになり、国鉄末期には20系の老朽化に伴い、その置き換え用として14系や24系も夜行列車の廃止・削減につれて結果的には急行列車にも使用されるようになっている。
  17. ^ 国鉄では一般形は「客室に出入口を有し、横型(ロングシート)及び縦型腰掛(クロスシート)を備え、通勤輸送に適した性能を有する車両形式のもの」と規程しているが、10系以前の客車に国鉄が規程した一般形の区分を当てはめるには難がある(旧型客車も参照)。 岡田誠一は10系以前の客車には正式な意味で急行形[3]、一般形に分類される車両ではないと記述している[22][23]
  18. ^ a b この場合の「急行電車」は現在の快速列車に相当する。→急行列車#急行電車(急電)も参照されたい。
  19. ^ ただし、国鉄時代より全般的に性能が底上げされているため、国鉄時代の急行形より劣っているとはいえない。たとえば国鉄急行形のキハ58系は最高速95km/h(エンジンを換装して110km/hにしたものもある)、キハ110系は100km/h。出力の関係で、登坂性能はさらに差が出る。
  20. ^ なお同車は、1編成(1819編成)のみ2018年まで波動輸送用として運用されていたが、2006年以降は団体専用車両臨時快速列車の運用が主となっていた。
  21. ^ 1982年以降は7000系と7700系の白帯車のみが座席指定特急に使用されていた。また、名鉄線内のみで特急列車に専属で充当する車両も1984年に8800系が登場するまでは存在しなかった。
  22. ^ かつては全電動車であったが、2010年製造の5550系以降は3M1T(相当)となっている。
  23. ^ ただし本線以外では普通列車にも充当される。
  24. ^ ただし九品仏駅は4両対応でその分不足分はドアカットで対応している。
  25. ^ 5000系は末期は各駅停車のみに充当されていた。7000系導入までは急行系列車には常に最新の形式を使用し、捻出した車両は各駅停車に転用する施策が取られていたためである。

出典

  1. ^ ネコ・パブリッシング『JR全車輌ハンドブック2009』 p 15
  2. ^ 交友社『鉄道ファン』No.572 p 16
  3. ^ a b 交友社『鉄道ファン』No.413 p 50
  4. ^ JTBパブリッシング 寺本光照『JTBキャンブックス さよなら急行列車』p.104
  5. ^ JTBパブリッシング 石井幸孝『キハ58物語』p 102
  6. ^ 降旗道雄著・誠文堂新光社「国鉄気動車ガイドブック」昭和47年第1版179、199ページ
  7. ^ ネコ・パブリッシング『JR全車輌ハンドブック2009』 p 16
  8. ^ 交友社『鉄道ファン』No.572 p 17
  9. ^ 鉄道ジャーナル社『電車 気動車 急行形車両』 p 138
  10. ^ データで見るJR西日本2015 - 西日本旅客鉄道 p 119
  11. ^ イカロス出版『J-train』Vol.25 p.27
  12. ^ 日本交通公社出版事業局 『国鉄車両一覧』p.206 - 207
  13. ^ 交友社『100年の国鉄車両2』p 250
  14. ^ 誠文堂新光社『国鉄客車・貨車ガイドブック』p 46 - 47
  15. ^ JTBパブリッシング 石井幸孝・小野田滋・寺田貞夫・福原俊一・齋藤晃・杉田肇・星晃・沢柳健一・岡田誠一・高木宏之 『JTBキャンブックス 幻の国鉄車両』p.145 - 147
  16. ^ 交通新聞社『JR電車編成表』2009年夏号 p 389
  17. ^ 475系が北陸本線から引退 - railf.jp
  18. ^ 2021年春ダイヤ改正について”. JR西日本金沢支社 (2020年12月18日). 2021年3月2日閲覧。
  19. ^ 「Kenji」車両まもなく運行終了!-オリジナルのびゅう旅行商品を発売します-”. JR東日本. 2018年6月19日閲覧。
  20. ^ 「Kenji」がラストラン - 交友社『鉄道ファン』railf.jp鉄道ニュース 2018年9月9日
  21. ^ イカロス出版『J-train』vol25 p 41
  22. ^ ネコ・パブリッシング『Rail Magazine』No.336 p 9
  23. ^ JTBパブリッシング 岡田誠一『国鉄鋼製客車I』 p 239
  24. ^ a b 交友社『鉄道ファン』No.572 p 30
  25. ^ PHP研究所「近畿日本鉄道のひみつ」p 127
  26. ^ 鉄路の名優 5200系 - 近畿日本鉄道
  27. ^ 鉄路の名優 2000・2050・2400・2410・2430・2600・2610・2680・2800系 - 近畿日本鉄道
  28. ^ 鉄路の名優 5800系 - 近畿日本鉄道
  29. ^ 交通新聞社『鉄道ダイヤ情報』No.295 p 29 - 30
  30. ^ 3000形 - 西日本鉄道
  31. ^ 5700系・5300系 - 名古屋鉄道
  32. ^ 名鉄5300系5305編成が廃車回送される交友社『鉄道ファン』railf.jp
  33. ^ 特別車、一般車とは何ですか? - 名古屋鉄道
  34. ^ 交通新聞社『トラベルMOOK 京王電鉄の世界』p 13
  35. ^ JTBパブリッシング 大幡哲海『小田急電鉄の車両』p.64
  36. ^ イカロス出版『台湾鉄道の旅 完全ガイド』p 100
  37. ^ イカロス出版『台湾鉄道の旅 完全ガイド』p 102
  38. ^ ソウルから地方への行き方~鉄道編~ - コネスト


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急行形電車

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神領車両区」の記事における「急行形電車」の解説

153系電車 165系中間車としてサハ153形のみの配置165系電車 国鉄時代1982年11月まで中央本線急行「きそ」・「つがいけ」用の8両編成配置されていたが、同列車の廃止運用移管により全車他区へ転出したため配置なくなっていた。その後1989年3月大垣電車区中央本線篠ノ井線関西本線用の車両移管され、再配置された。一部静岡運転所からの転入車存在した最大3両編成15本が存在したが、車両老朽化運用減により3本早期廃車され12本(T1 - T12編成)が残ったが、1996年3月にT9編成廃車され、代わって静岡運転所から3両編成が1本転入しT13編成となり、最終的にT1 - T8・T10 - T13編成の計36両が所属していた。 中央本線篠ノ井線中津川 - 松本間)や関西本線普通列車中心に運用され松本 - 名古屋間の直通普通列車存在したほか、1990年冬からは東海道本線東京 - 大垣間)の臨時夜行列車に、1992年末からは飯田線臨時急行伊那路」にも充当された。313系導入に従って1999年7月定期運用終了したが、その後廃車逃れた車両東海道本線東京 - 大垣)間「ムーンライトながら」の救済臨や快速さわやかウォーキング号」等の臨時列車にも使用された。 2001年5月最後まで残っていた編成廃車回送され、当区の165系全廃された。2008年時点で元T8編成美濃太田車両区保存されていたが、のちに先頭車クモハ165-108はリニア・鉄道館再整備の上展示されている。

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