小運送教習所と流通経済大学とは? わかりやすく解説

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小運送教習所と流通経済大学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/23 03:24 UTC 版)

学校法人日通学園」の記事における「小運送教習所と流通経済大学」の解説

1872年汐留桜木町間に日本初鉄道開通して以降日本全国鉄道網建設整備される。 この事は、それまで物流中心であった小型船舶河川運行して物資輸送する水運各地宿場貨物ターミナルとする馬車飛脚(町飛脚)による駅伝制から、鉄道利用した貨物輸送へと流通経済変化もたらした鉄道貨物輸送普及に伴い鉄道貨物取扱駅を営業拠点とし、輸送する貨物集荷配送する通運(つううん)又は小運送(こうんそう)と呼ばれる業種誕生したコンテナリゼーション実現していない大正・昭和初期物流業界において、小運送(通運)は、オート三輪等の小型トラック荷馬車天秤棒による人力輸送行われていた。その為、資力乏しい者でも新規参入容易な事業であり、窓口である各駅に中小零細企業乱立し過当競争に陥っていた。 1937年戦時物資円滑供給観点からこの問題改善する為、政府は「日本通運株式会社法」を制定同法により、1つ鉄道駅小運送(通運)営業許可する事業者は1社のみとする「1駅1店制」を導入全国各駅に乱立する小運送会社整理統合し全国規模国営総合物流企業日本通運株式会社」として再編する政策(日通統合)を開始終戦まで行われた。 この政策一環として通運(小運送)業界中堅幹部育成する教育機関の設立構想される。 1938年鉄道省傘下財団法人小運送協会設立され、「小運送教習所」(修業年限1年入学対象者旧制中学卒業以上)を1940年東京神田和泉町開校1948年まで存在していた。 小運送教習所では、輸送に関する専門科目から、教養科目として文学哲学体育なども講義されていた事から、単なる実務教育機関ではなく通運業界活躍する人材質的向上を目指していたとされ、現在の短期大学に近い教育課程だった。(この事は、日本通運株式会社が「企業設立資金寄付による学校法人設立大学開学」を着想する要因一つとなる。) 1945年終戦以降日本通運株式会社民営化され、小運送教習所同社社内教育機関業務研究所となり閉鎖された。 小運送協会事業縮小し東京・大阪で学生寮の運営を行う法人となっていた。。 小運送教習所閉校後、鉄道鉄道学校東京交通短期大学)・海運商船高等専門学校商船大学)・航空日本航空高等学校に関する専門教育機関交通関連の高等学校一覧参照)は存在したが、これらの学校は主に、交通に関する技術運行整備に関するもの)を教授するものであり、交通機関用いた複合的な輸送事業(利用運送事業)や、鉄道貨物輸送に代わって物流主力となりつつあった自動車輸送中心とした陸運業生産管理基礎となる倉庫業に関して専門的な知識持った人材育成する教育機関存在しなかった。 高度経済成長時代迎え製品高機能化と言った技術開発競争加えて欧米か新たな生産性向上方法として、在庫管理生産計画適正化代表される生産管理発想日本にも取り入れられ普及する様になる。 この状況至りこれまでどちらかと言えば受動的に貨物輸送・保管するだけであった物流流通業界や他業界倉庫物流担当部門でも、経済学・経営学基礎とし、輸送に関する専門知識持った将来幹部候補となるべき人材養成求められて来た事から、産業界からも教育機関設立について幾つか提言されようになった中西正道大崎運送社長)「輸送業界従来人つくりにはあまり関心をもっていなかったようだが、近年積極的に大学卒業者採用し、人つくりの重要性痛感するようになった。そこでこれからは、このような大学出の者をいかに運送人とするかが大切な課題となろう」(昭和38年1月31日輸送経済新聞」) 泉山信一三八五貨物社長)「むろん、はじめから独立した学校設立することは困難であろうから、まず第一段階としてどこかの大学交通運輸学科とか、運輸関係の専門学科設置してほしいと思う。これを主軸として、将来独立した学校設立にもっていけばよいだろう。あるいは業界出資して一つ私立大学のようなものをつくり、それをだんだんと拡大強化して行くという方法もある」(昭和38年3月18日運輸タイムズ」) 本山実(運輸調査局陸運部長)「諸外国では、ほとんどの商科系の大学交通運輸講座をもっており、交通学単位設けられている。中にはミシガン州立大学のように、荷造、包装専門学科設けられている例もあり、これらの大学では、卒業後会社の輸送管理者としての実務に役立つような教育施されているのである。これに対してわが国では商科系の大学でも交通講座設けられていないものがあり、あっても選択科目としてワキ役の存在しかない」(昭和38年6月6日輸送経済新聞」) これらの代表的提言は、物流流通に関する専門的知識持った人材育成する高等教育機関設立必要性訴えるものであった。しかしいずれも、国や民間では単独での大学設立は困難であるとの前提に立ち、産業界主導既存大学学部増設するか、大学経済商科学部流通物流に関する専門科目を増設させるために産業界支援を行うかの選択に留まっていた。また、入学対象者物流流通業界の若手社員大学出向させ、社会人学生として大学一定期間教育委託する事を中心にした構想であった一方日本通運株式会社は、物流流通交通に関する調査研究分析を行う民間研究機関として、1961年日通総合研究所をすでに開設していた事から、「小運送教習所」の理念モデルとした、従業員社会人学生以外にも門戸を開いた社内教育機関としてではない学校法人形態での大学設立具体的に表明していた。 福島敏行日本通運社長)「日本経済高度成長の中で産業界が行った企業合理化成長大きいものがある。しかしそれが、流通部門経路に入ると、この分野は未開拓で、合理化忘れられたままになっている面がある輸送事業という公共性から言っても、もっと早くこの計画実行に移さねばならなかった。幸い、こんにちこう言う気運高まってきたので、おそまきながら大学設置踏切りたい」(「輸送経済新聞昭和38年10月3日

※この「小運送教習所と流通経済大学」の解説は、「学校法人日通学園」の解説の一部です。
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