小道具としてのライトセーバー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/18 02:42 UTC 版)
「ライトセーバー」の記事における「小道具としてのライトセーバー」の解説
『エピソード4』のルークとダース・ベイダーのライトセーバーのプロップは、カメラ用フラッシュ(グラフレックス社製)の反射板を除いた本体部品を流用して製作された。クランプにはテキサスインスツルメントの計算機のレンズ(バブルレンズ)が、7本のグリップ(Tトラックと呼ばれ戸棚のレールかワイパーゴムか未だはっきりしていない)が、柄頭にはDリングが装着されている。そのため一部のレプリカメーカーは「フラッシュのレプリカ」と称してルーカスフィルムの承認無しで販売している。 オビ=ワンのライトセーバーはエミッター(放射口)にロールスロイスの航空エンジンのパーツ、グリップ部分にはイギリスのグレネード弾の一部、下部には機関銃の砲身のパーツ、柄頭にはアーミテージシャンクの蛇口のハンドルといった既存の部品を流用して作られている。 『エピソード6』で使用されたベイダーのライトセーバーのプロップは現在スミソニアン博物館に所蔵されており、この縁で同博物館を舞台にした映画『ナイト ミュージアム2』にベイダーがカメオ出演している。また当時の製作を務めたゲイリー・カーツによって、撮影で使用されたルーク(『エピソード4』)とベイダー(『エピソード5』)のライトセーバーがオークションに出品されたことがあるが、前者は20万600ドル、後者は11万8000ドルで落札された。 同じく『エピソード6』で使用されたルークのライトセーバーのプロップは『エピソード4』公開30周年記念行事として、2007年にスペースシャトルディスカバリーによってミッションSTS-120の際に宇宙へ運ばれた。 光刃の表現は、『エピソード4』では光反射性のテープを貼り付けた刀身部をモーターで回転させることで発光やフリッカーを表現しており、光が顔やセットに映るという利点があったものの、剣劇時にうまく寸止めしないと破損してしまう難点があった。特にベイダー役のデヴィッド・プラウズは寸止めが苦手で何本も折ってしまい『エピソード5』から剣劇シーンは役者の指導係として起用されたボブ・アンダーソンが演じることになった。また、『エピソード5』以降で見られる起動時のアニメーションがなく、一瞬で光刃が起動している。『エピソード5』以降は刀身に細い棒を使用し、ロトスコープで1コマずつ光刃の色を描き込み合成する手法が採られている。「エピソード1~3」ではデジタル合成に変更された。 「エピソード1~3」では刀身としてアルミ棒に破片飛散防止のビニルコーティングを施した物を使用したが、あまりの剣劇の激しさに撮影中は1日10本ものペースで交換していたと言われている。また『エピソード2』では発光式のプロップが制作され、アナキンとドゥークーの戦いの撮影で効果的に使用された。『エピソード7』では透明樹脂製の刀身にLEDと衝撃センサーを組み込んだ発光式のプロップが用いられ、役者や周囲への照り返しがリアルに表現されている。 『エピソード4』において光刃を起動させるシーンは、グリップのみを俳優が構え、起動スイッチを入れた時点でカメラを止め、俳優がじっとしているうちにスタッフが光刃のついた小道具に持ち替えさせている(ミレニアムファルコン内でルークが起動させるシーンや、デス・スター内でオビワンが起動させるシーンなど)。このため光刃の起動の瞬間にほんのわずかだが俳優がコマ落としのようにズレて見える。 ルーカスは剣劇時にも役者の表情を見せる事にこだわり、スタントマンは立てずに役者に訓練を課して直接ライトセーバー戦を演じさせた。ただし前述の様に顔の見えないベイダーはスタントが立てられた他、『エピソード2/3』のクリストファー・リーやイアン・マクダーミドはさすがに高齢だったため、一部スタントマンの顔をデジタル合成で差し替える処理が行われた。 独特の動作音(刃音など)は35mm映写機のモーターの回転音や、映像を見ながら発生させたハウリング音などを合成して作られている。 2018年、フランスのフェンシング連盟が「ライトセーバー」を公式種目として採用した(樹脂製の刀身にLEDを仕込んだ競技用セーバーを使用)。
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