ガールズケイリン
(女子競輪 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/10 15:19 UTC 版)
ガールズケイリン(GIRLS KEIRIN[注 1])とは、女性の競輪選手による競輪として、2012年7月1日から復活した女子競輪(じょしけいりん)の正式な愛称である。
注釈
- ^ a b c 2012年のガールズケイリン開始から2022年12月30日までは『GIRL'S KEIRIN』(『'(アポストロフィー)』があった)。2022年12月31日より、新ユニフォーム導入に合わせて『'』を削除した現在のロゴとなった[1]。
- ^ 月刊競輪(月刊誌としての発行期間は1976年 - 2012年)の毎年2月号に掲載される年間記録集を見ると、1980年代までは女子の特別競輪優勝者の掲載が全くなかった(1990年代以降は再び掲載されるようになった)。
- ^ 橋本、大菅の2人は本職はスピードスケート選手であり、自転車競技はトレーニングの一環として取り組んでいたものであった。
- ^ 実際は、妊娠・育児などで長期欠場している者もいるため、2023年12月26日時点で191名のうち実働選手は169名となっている[13]。
- ^ 女子競輪復活の発表後、ケイリン女子が2012年のロンドンオリンピックから正式種目として採用された[19]。
- ^ a b xxは開催年の西暦下2桁。
- ^ 第1回資格検定では受験者は滅多にいないため、実施しないことの方が多い。その場合、翌年2月または3月の第2回が「第1回」として実施される[38]。
- ^ 面接、身体検査、実技(200mおよび500mの時間計測や自転車整備技能)のほか、学科(ペーパーテスト)として自転車競技法および同法施行規則といった法規に関する問題や自転車競走実施規則に関するガイドライン、一般教養、スポーツに関する医学知識などが出題される[37]。
- ^ 122期は卒業式から2週間後の2022年3月18日、124期は2023年3月10日であった。
- ^ 厳密には、下期期初は6月30日の開催からとなるため、スケジュールの関係で6月30日が本格デビュー日となることもある[42]。
- ^ 新人戦のなかった116期以前でも、104期と106期のみ5月にデビューしていた。
- ^ 早期卒業要件を満たしていても本人が望まなければ、早期卒業せず翌年3月の卒業まで在所し続けることも可能。なお、早期デビューした選手は、養成所で行われる『卒業記念レース』と本格デビュー前に行われる『競輪ルーキーシリーズ』には出場しないことになっている。
- ^ 当初は実技試験で受験予定であったが、願書提出直前に大怪我をしたため急遽適性試験での受験に切り替えた。
- ^ お笑い芸人になる前に競技スポーツ(テコンドー)の経験がある。
- ^ 通常開催において最終日の時点で3名以上の欠車が発生した場合、補充がなければレースカットし、決勝戦のみを行い予選敗退者は2日目終了時点で途中帰郷させる。
- ^ 男子の競輪で言う『自在』のこと。先行、捲り、追込何でもできる、という意味。
- ^ 予想紙によっては、各選手の過去のレースでの戦法から判断して『逃』『捲』『追』を付けることもある。
- ^ 男子はさらに即日あっせん保留となり、以降3か月間のあっせん停止を含めて実質4か月程度レースに出走できなくなる。一方、ガールズケイリンではあっせん停止のペナルティはない。
- ^ なお、「オリンピックルール準拠」とあるが、実際は先頭固定競走(インターナショナル)ルールにより実施されている。
- ^ これは、2020年10月以降のミッドナイト競輪においては、全てのレースで競走得点の高い選手より順に1番車、2番車…と車番を振っていることも要因に挙げられる[63]。
- ^ 補充の場合、初日のポイントがないため決勝への進出はない。コロナ以前は、地元のみならず場合によっては遠方から翌日のレースに出走してもらうよう招集したこともあった[65]。
- ^ 4日間開催での準決勝への勝ち上がり、準決勝4着2名のうち1名の決勝への勝ち上がりにも適用される。
- ^ 男子の競輪にある、軽微な違反に与えられる「走行注意」(違反点2点)はガールズケイリンにはない。
- ^ 京都府宇治市の黄檗宗大本山の萬福寺まで交通費も含めて全て自腹で赴き、山内の施設において5泊6日の厳しい禅寺の修行を済ませなければならない。期間中は座禅を組まされたり周辺の掃除のほか、黄檗山から平等院まで6kmもの歩行訓練を課されるなどで、練習は一切行えない[74]。
- ^ 重量は7kgくらい(男子の自転車は8kgくらい)。
- ^ 2021年から、選手の間ではオリンピック仕様のフレームである、66万円もするブリヂストン製自転車が流行している[79]。
- ^ 岡本二菜は当初、第4回ガールズ フレッシュクイーン(2022年4月10日、平塚競輪場)に正選手として選出されていたが、フレームの問題で欠場することとした[83]。
- ^ 従来のピンクのレーサーパンツでは「汚れが目立つ」などの意見もあり、改善を求める選手もいた。
- ^ 小松島は、女子選手用の控室が設けられていないためガールズケイリンの開催実績がなかった(昭和期の女子競輪においては開催実績がある[91])。
- ^ TIPSTAR DOME CHIBAは法的には現在でも『千葉競輪場』であり、建て替えという位置づけである。なお、旧千葉競輪場ではガールズケイリンの開催実績があった。
- ^ 2021年までは、初日の12月28日に実施されていた。
- ^ 石井寛子は5月開催のみ未制覇。高木真備は3月開催のみ未制覇。
- ^ 平塚では、2017年にガールズグランプリを初開催して以降、記念競輪のみだった2019年と2021年を除きガールズケイリンの特別競走を開催している。
- ^ 2021年度・2022年度は、3月に開催。
- ^ いずれも、着順が一つ上下するごとに競走得点は2点ずつ加点ないし減点する(よって、1着と7着とでは12点差となる)。
- ^ 佐藤水菜が2022年8月のガールズケイリンコレクションドリームレースで優勝し60.57としたが、佐藤は普段ナショナルチームでの活動を優先しており出走回数が圧倒的に少ないため、60点台に乗せた。なお、ガールズケイリンにおける連勝記録(24連勝。当時)を達成した時点での梶田舞や児玉碧衣、石井寛子は57点台であった[111][112][113][114]。
- ^ 例えば、通常開催において予選で5車立てとなった場合で5着となっても、競走得点は48点を獲得できる。なお、4車以下では競走が行えないため、通常開催で3名以上が中途欠場した場合は、選手を補充できなければ最終日はレースカットして決勝戦のみを行い、予選敗退者は途中帰郷させる。
- ^ KEIRIN.JPサイト内「ランキング」では、男子も含め、最新の年間ないし直近4カ月平均競走得点上位50名のほか、獲得賞金上位者なども検索が可能。
- ^ 2020年7月においては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により特に同年4月から5月にかけて開催中止が相次いだことを鑑みて、例外的に代謝制度の適用は行われなかった[119]。
- ^ 選手自ら所属している日本競輪選手会の支部に出向き、選手登録証を返納し、併せて退会届を提出する。
- ^ 該当選手が3名以上いる場合は3名が対象となるが、2名以下の場合は2人までが対象となる。
- ^ 例として、直近の期が50点であっても、その前期と前々期がいずれも45点ずつであった場合、3期の平均が46.6点となるため、代謝制度の対象となる。
- ^ レースに出走すれば、賞金とは別途で(失格や途中棄権となっても)1日あたり出場手当35,000円及び日当6,000円の計41,000円が必ず支給されるため、1開催3日間とも出走すれば前検日の日当6,000円も含めて計129,000円(金額は2024年4月時点)は必ず得られる。ほかに雨天時・降雪時、モーニング競輪・ナイター競輪・ミッドナイト競輪などといった日中以外の開催、正月三が日の開催などで出走すれば、それぞれに応じた手当が出走の都度、出場手当などとは別途で支給される。
- ^ 実際は、支給額から共済会費などが源泉徴収されるため、手取り額は少なくなる。
- ^ 内訳は、本賞金700万円と副賞630万円。なお、副賞は2022年までは500万円であったが、2023年では630万円に増額された。また、2019年以降は副賞として冠スポンサーのオッズ・パーク社から500万円相当の新車(レクサス)が贈呈されている。
- ^ 2023年10月30日時点での実働選手168名[135]で算出すると1042万4342円となる。
- ^ 118期以降は、基本的に4月末から6月にかけては『競輪ルーキーシリーズ』(新人戦)に出走し、7月より先輩選手に混じって本格デビューを迎える。
- ^ 参考に競艇では、2022年における賞金女王は遠藤エミで8266万8200円。また、ガールズケイリンでは2022年にようやく誕生した3000万円プレイヤーは同年だけで14名おり、加えて同年の女子選手の賞金取得額上位20名は全員2700万円以上であった[139]。
- ^ 女子選手の中には、競輪でいうGIに相当するスペシャルグレード(SG)(競艇)やスーパーグレード(SG)(オートレース)の決勝戦に男子選手に混じって進出する有力選手も稀に見られ[141][142]、特に競艇では2022年のボートレースクラシックで遠藤エミが女子選手初のSG制覇を成し遂げた[143]。
- ^ 新人選手が本格デビューとなる7月は、強豪選手が勢揃いする特別競走『ガールズケイリンフェスティバル』が開催されることから、特に中旬前後に開催されるガールズケイリンフェスティバル以外でのレースでは最上位選手の参加が少なくなるため、新人選手でも勝つチャンスは高まる。
- ^ 118期以降では、尾方真生と永塚祐子が『競輪ルーキーシリーズ』デビュー場所で完全優勝を果たしている。
- ^ 但し、4R制ガールズ開催を中継する場合はBSよしもとでも放映される場合もある。
- ^ 2016年・2017年はTOKYO MXが東京ローカルで放送したため放送せず。2020年・2021年は放送せず。
- ^ 年度によりネットする放送局がある。2020年以降は放送自体を取り止めている。
- ^ 2024年も同様に放送される予定。
- ^ 2021年のガールズグランプリトライアル(28名出場)では小林優香、児玉碧衣、大久保花梨、尾方真生が出場し、さらに同年末のガールズグランプリ(7名出場)には小林優香、児玉碧衣、尾方真生の3名が出場権を獲得した[184]。
- ^ デビュー直前に入籍したため、選手登録は当初から山本姓。
- ^ 男子では、齊藤努(旧姓、横田)などの例がある。
- ^ 男子でも、蓑田真璃と結婚した田頭寛之が、蓑田家に婿入りしたため蓑田姓に改姓した[197] が登録名は変更していない[198]という例もある。
- ^ 過去には、猪頭香緒里[199]、遥山夕貴[200]がリミットの3年を超えて欠場した。
- ^ 正しくは「走行能力調査」という。1000m独走によるタイム計測で判定(合格タイムは非公表)。
- ^ 石井寛子や三谷尚子のように、当初から師匠がいない選手も稀にいる。
- ^ a b 「リンカイ!Project」では『女子競輪』としており、ガールズケイリンの名称・ロゴは使用していない。
- ^ この頃は現在のような資格検定の制度はなかったため、各地区の自転車競技会と日本競輪選手会とでそれぞれ独自にプロテスト(実技と学科試験)を実施していた[91]。
- ^ 競輪創設メンバーの一人。戦前から自転車競技大会の運営に携わった人物。
- ^ 男子は当初のA級・B級・C級からA級4班・B級4班の2層8班制となり[221]、のちA級5班・B級2班の2層7班制に再編され[222]、競輪プログラム改革構想(KPK)実施までこれが維持された。詳細は競輪プログラム改革構想を参照のこと。
- ^ 現在は全ての競輪場で賞金額が統一されているが、2014年度までは各競輪場ごとに前年度の車券の売上実績に基づいて賞金額が決められていたため、同じグレードのレースでも競輪場によって賞金額が異なっていた(ガールズケイリンでも2012年の開始当初は競輪場によって優勝賞金は10万円近く差があった)[232]。そのため、基本的に売上額が低い地方都市の競輪場はどうしても賞金額が低い傾向にあった。なお、競艇では現在もこの制度が採られている。
- ^ 昭和期の女子競輪における最終登録番号は1016番であり[220]、1000人強が選手として活躍したことになる。
- ^ 昭和期の女子競輪としては最後の募集となった1960年については、日本競輪選手会が発行する会報誌「プロ・サイクリスト」(1959年5月20日付)の記事において、応募総数は全国で27名、うち9名が以前に不合格となり再受験した者であったと記されている[219]。
- ^ 『競輪四十年史』の別のページや『競輪三十年史』では229名との記述がある[220][235]。
- ^ 正式には、1964年10月31日付「競輪審判員、選手および自転車登録規則第二〇条第一号」により選手登録消除[234]。
- ^ 当日の招待者は、石村美千代、川崎喜登美(以上山口)、松川光子(香川)、庄司絹子(京都)、森耐子、奥野真弓、西村喜代香(以上大阪)、田中和子<家庭の都合で欠席>、松下五月、中西美和、東口節子(以上兵庫)、渋谷小夜子(神奈川)、加古政子(群馬)。この他、第12回優勝者の中村金子(熊本)は1964年に事故死したことが語られている(正しくは、1963年9月30日に行われた会津競輪場でのレース中における頭蓋底骨折による事故死)[236]。
- ^ 田中和子は高橋恒と、畑田美千代は石村正利と結婚した他、多くの例がある。
- ^ 『競輪二十年史』より前に発行された『競輪十年史』や『近畿競輪二十年史』にも昭和期の女子競輪に関する記述はあるものの、『二十年史』や『三十年史』ほどの記述量はない。また、のちに発行された『競輪四十年史』『競輪五十年史』『競輪60年史』にも昭和期の女子競輪に関する記述はあるものの、内容は簡素化されている。なお、これらは非売品だが各地の公立図書館に寄贈されており、基本的に閲覧が可能である。
- ^ 1953年10月31日に行われた第8回全国争覇競輪(大阪中央)3日目第4レースの女子一次予選において、人気を集めた田中和子とほか2選手が激しく牽制し合っている間に人気薄の選手が1着2着となり、連勝式で56,520円もの超高配当となった。田中含め6選手はそのレース失格となり、後日「敢闘精神欠如」として6か月間出場停止の処分が下されている[244]。
- ^ 当該レースが8名ないし9名で出走したとすると、5着以下。
- ^ 当時女子自転車競技はオリンピックでは実施されておらず(ロードは1984年ロサンゼルス大会より、トラックは1988年ソウル大会よりそれぞれ採用)、世界選手権も女子競輪衰退期に入った1958年からの採用だった。また、当時国内最高峰大会だった全日本アマチュア選手権も女子採用は1982年まで待たなければならなかった。
- ^ 当時はどの職業でもそうであったが、昭和の時代は女性は結婚する「寿退社」などといって仕事を辞めさせられて家庭に押し込められることが当然のような風潮があり、やる気があっても泣く泣く辞める人もたくさんいた。実際に、黎明期の強豪選手であった渋谷小夜子も「女は結婚しなければ」という思いから僅か3年で現役を引退している(詳細は当人の項目を参照)。ただ、この頃の女子競輪選手でも、結婚しても即引退せずそのまま現役を続けた選手も少なからずいた。
出典
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- ^ a b 『競輪二十年史』p.203
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- ^ 『競輪文化 - 「働く者のスポーツ」の社会史』p.267 - 268
- ^ 『女子競輪物語 青春をバンクにかけて』p.44
- ^ 『競輪文化 - 「働く者のスポーツ」の社会史』p.266
- ^ 『競輪文化 - 「働く者のスポーツ」の社会史』p.265
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