女子オールスター競輪
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/16 01:39 UTC 版)
概要 | |
---|---|
格付け | GI |
概定番組 | 3日間トーナメント |
開催地 | 持ち回り |
開催時期 | 8月 |
歴史 | |
初回開催 | 2025年(2024年はFII) |
開催回数 | 2回(2024年も含む) |
初代優勝者 | 佐藤水菜 |
最多優勝者 | 佐藤水菜 |
直近優勝者 | 佐藤水菜(2025年) |
女子オールスター競輪とは、2024年度から新設された、ガールズケイリン(女子競輪)の特別競走である。2024年度のみFII格付けで実施され、2025年よりGIとして実施されている。
概要
男子GIのオールスター競輪では、2013年よりガールズケイリン特別競走として単発レースである『ガールズケイリンコレクション』を開催しており、このガールズケイリンコレクションの出場選手(当初7名、のち14名)はファン投票得票上位で決定していた。これを2024年度より3日間シリーズ制として改め、競走名も「女子オールスター競輪」として改められたものである。格付けとしてはグレードレースではない普通開催という扱いのため、回次を付けずに実施した。
2025年度より、サマーナイトフェスティバル内で実施されていたガールズケイリンフェスティバル(2024年度で終了)と統合し、オールスター競輪から独立させて独自の大会とし(開催競輪場も男子のオールスター競輪と別の場)、さらにGI格付けに格上げし42名出場とした上で、改めて『第1回』として実施される[1][注 1]。GI格付けだが3日間開催のため、オールガールズクラシックと同様、開催競輪場では同じ年度で本大会とは別に4日制開設記念競輪の開催も可能となっている。
優勝賞金(本賞金)は、本大会と同じく42名参加であるオールガールズクラシックと並び700万円[2]となっている。
本大会は初回よりナイター開催で行われている。
賞金
以下は、近年の決勝戦における各着順の賞金額(単位:万円)。
( )内は副賞(1〜3着に授与)を含んだ金額。
大会・年 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着 | 5着 | 6着 | 7着 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
-[3] 2024年 |
250 (310) |
100.0 | 59.0 | 38.4 | 29.0 | 26.4 | 25.0 |
第1回[2][4] 2025年 |
700 (880) |
253.6 (323.6) |
151.1 (184.1) |
100.5 | 77.4 | 70.4 | 66.9 |
なお、アンダーカードとして行われる、通常のあっせんによるFII戦(2レース制×2グループ)における賞金体系は、各グループとも通常開催と同額(決勝戦1着賞金50万円)である[5]。
歴史
初開催となった2024年のみFII格付けで、男子オールスター競輪の初日 - 3日目の3日制。また、男子オールスター競輪とともに、初の試みとして、インターネット投票のみの集計による、中間発表を実施した[6]。初日・2日目で予選競走を行い、その予選2走で獲得したポイント上位7名により3日目に決勝戦を行った。
2025年度(公式にはこの2025年度が『第1回』となる)からは、後半6レースでGI「女子オールスター競輪」を開催し、前半6レースでアンダーカードとしてガールズケイリン(FII)トーナメント(通常のガールズケイリンと同様、予選はポイント制)を2グループ、ほかに新人戦のアディショナルステージである競輪ルーキーシリーズ プラス(初日・2日目は男子予選2レース、最終日は男子決勝とガールズ単発各1レース)を実施する。
出場選手選抜方法
前年のガールズグランプリで3着までの者と、ファン投票上位の者を中心に選抜する。オールスター競輪とは異なり、選考委員会による推薦枠はない。
- 前年ガールズグランプリにおける1 - 3着到達者
- 選手選考対象期間において2か月以上JCFトラック種目強化指定(A)に所属した者(ただし、選考期間の平均競走得点が上位20位以内であること)
- ファン投票上位20名(ファン投票の対象は前年下期の競走得点が50点以上の選手)
- 残余は競走得点上位より選出
-
- 選考順位1〜7位は初日特選「ガールズドリームレース」に出走
勝ち上がり方式
勝ち上がり戦については、初日に予選6レース、2日目に準決勝3レース、最終日に決勝戦が行われる。
初日の予選についてはうち1レースを優秀競走(シードレース)「ガールズドリームレース」として行い、「ガールズドリームレース」出場者7名は失格にならない限り全員が2日目の準決勝に進出できることになっている[7]。
優秀 | 初日 | 2日目 | 最終日 |
---|---|---|---|
ガールズドリームレース(1) | 準決勝(3) | 決勝(1) | |
予選(5) | |||
敗者戦 | - | (3) | (5) |
- 初日
- 「予選」 第7〜第11レースで合計5レース行われ、各レース1〜2着10名と3着5名のうち選考順位上位の4名が「準決勝」進出。番組は一定のルールに基づいて決められており、選考順位上位の者から優先的に内枠が与えられる。基本的にはオールガールズクラシックと同様、まず選考順位8〜12位をひとつのグループとして選考順位上位の者から第11レース、第10レース…第7レースの順に振り分けて各人に1番車を与える。以下、選考順位13〜17位の5名を同じくひとつのグループとしていずれかのレースに振り分けて2番車を与え、さらにそれ以下も同様5名ずつグループとしていずれかのレースに振り分けて3番車、4番車…と与えていくが、必ずしもそうはなっていない[注 2]。欠場者が出た場合は、選考順位はそのままに対象者を選考順位順に繰り下げる。
- 「ガールズドリームレース」 最終第12レースで行われる、優秀競走。ファン投票1位〜7位の7名が出場する。選考順位の順に1番から順に車番を与える。失格にならない限り、7名全員が「準決勝」進出。
- 2日目
- 「準決勝」 後半3レース。各レース1〜2着6名と3着3名のうち初日予選での順位が最も上位の者1名(「ガールズドリームレース」出走者が優先されるため、予選1着でも勝ち上がれないこともある)が「決勝」進出。番組は、まず「ガールズドリームレース」1〜3着3名をいずれかのレースに振り分け1番車を与え、同4〜6着3名を同様にいずれかのレースに振り分け2番車を、同7着をいずれかのレースで3番車を、それぞれ与える。続いて、予選1着5名のうち、選考順位順に1番目、2番目の2名を「ガールズドリームレース」7着が入っていない他の2レースに振り分けそれぞれ3番車を与え、選考順位順に3番目を「ガールズドリームレース」7着選手が入ったレースで4番車を与える。選考順位順に4番目、5番目は選考順位順に1番目、2番目の選手が振り分けられたレースのいずれかで4番車を与える。あとは、予選2着5名と3着4名の計9名は同じく予選着順上位の者から各レースで5番車、6番車、7番車の順で車番を与える。
- 3日目(最終日)
- 「決勝」 最終レース。車番は、準決勝1着3名を選考順位順に1番車、2番車、3番車と与える。次いで、準決勝2着3名を選考順位順に4番車、5番車、6番車を与え、そして最後に準決勝3着(「ガールズドリームレース」出走者が優先)に7番車を与える。
- 「特選」 「決勝」前の合計2レース。「準決勝」各レース3着2名と4〜6着9名、予選敗退選手による2日目「選抜」各レース1着3名の14名により行われる。
その他、2日目には予選敗退者を対象とした「選抜」3レースが第7〜第9レースで、3日目(最終日)にも準決勝7着3名と2日目「選抜」各レース2〜7着14名による「選抜」3レースが第7〜第9レースで、それぞれ行われる。
2025年以降の同時開催「競輪ルーキーシリーズ プラス」
アンダーカードとして行われる、通常のあっせんによるガールズケイリン(2レース×2グループ)は、普通開催と同様、予選は2日間のポイント制で実施。このほか、初日・2日目ともに、第1・第2レースで新人男子による「競輪ルーキーシリーズ プラス」(本格デビュー前に実施される新人戦「競輪ルーキーシリーズ」成績上位14名が参加。予選はポイント制)男子予選1・予選2が行われる[10]。
最終日は女子オールスター競輪とアンダーカード2つ、更に男女とも「競輪ルーキーシリーズ プラス」の決勝戦が行われるため、1日に5つの決勝戦が行われることとなる。なお、「競輪ルーキーシリーズ プラス」は、女子は最終日のみで「競輪ルーキーシリーズ」成績上位7名による一発勝負で行われるため、男子は予選敗退者7名が2日目で途中帰郷となる[10]。
「競輪ルーキーシリーズ」では2025年より男子もガールズケイリン同様のルール「先頭固定競走(インターナショナル)」で行われるため、女子オールスター競輪ではアンダーカードも含めて3日間全てのレースが先頭固定競走(インターナショナル)で行われる[11]。
2024年開催(FII)
参考に、初開催となった2024年(FII)についても記載する。
選考基準は、以下の通り。
- ファン投票上位14名[12]
- 選考期間:2023年12月 - 2024年5月、この間に最低出走回数24回(ナショナルチーム所属のため不足の場合は配慮)
- 2023年下期の競走得点が47点以上
- ファン投票1〜7位は初日予選では「ガールズドリームレース」に出走
3日間開催は第1回以降と同じだが、初日・2日目はともに予選とし、勝ち上がりは従来のガールズケイリンやオールスター競輪の一次予選と同様、ポイント制とした[13]。
初日は、ファン投票1位〜7位がガールズドリームレース[注 3]に、8位〜14位がガールズ予選[注 4]に、それぞれ出走。なお、ガールズドリームレースではポイントを優遇した。2日目は、出場全14名でガールズ予選2を2レース実施[注 5]。
- 予選2日間のポイントは、下記の表の通り。
-
日程 ポイント 1着 2着 3着 4着 5着 6着 7着 競走棄権 失格および欠場 初日 ガールズドリームレース 11 10 9 8 7 6 5 4 0 予選1 8 7 6 5 4 3 2 1 2日目 予選2 11 9 7
3日目の第12レースに、獲得ポイント上位7名により決勝戦を実施。優勝者には優勝インタビューなどの表彰式やシャンパンファイト(平塚競輪場での名物イベント)、ウイニングランを執り行った。
ファン投票方式
ファン投票の対象となるのは、開催時(各年とも下期)に平均競走得点が50点以上の選手、及び2024年後期において2か月以上JCFトラック種目強化指定(A)に所属した選手。開催のおよそ3~4か月前(4月中旬から5月中旬)が投票期間となっている。
投票は、インターネットの投票専用サイトからのほか、競輪場またはサテライトでの専用用紙への記名(いずれも投票日は予め告知された特定の1日のみ)、さらに競輪公式投票CTC会員は送付される会報誌「ウイニングラン」同封の専用応募ハガキでも可能だが、全ての方式を通じて1人につき投票は1回のみとなっている。
投票は対象者の中から最低1人以上選ぶこととなっており、最大7名までの選手を選択することができる。女子オールスター競輪が初開催された2024年よりファン投票を男女共通で行い、応募の際には男女ともに最低1名以上を選択することが義務付けられており、女子のみの投票は無効とされる。
ファン投票結果
ファン投票の結果により、得票数上位7名は初日予選ではシードレースである「ガールズドリームレース」に出走でき、失格にならない限り全員が2日目準決勝に進出できる(2025年の第1回より)。また、「ガールズドリームレース」出走の7名に対しては、初日の開会式で『ベストセブン表彰』としてJKAより記念のメダルが贈呈される[14]。
- ガールズドリームレース出走者(ベストセブン)
選考順位(得票数)上位の者から、1番車、2番車、3番車…の順に与えられる。
回 | 開催年 | 1番車 | 2番車 | 3番車 | 4番車 | 5番車 | 6番車 | 7番車 | 備考 | ファン投票 |
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- | 2024年(令和6年) | 児玉碧衣 | 日野未来 | 佐藤水菜☆ | 久米詩 | 太田りゆ | 石井寛子 | 山原さくら | 中間発表[15] 最終結果[16] | |
1 | 2025年(令和7年) | 児玉碧衣 | 太田りゆ | 佐藤水菜☆ | 久米詩 | 石井寛子 | 荒川ひかり | 河内桜雪 | ファン投票5位の日野未来は引退したため除外(河内桜雪が繰り上がり)。 | 中間発表[17] 最終結果[18] |
【注釈】優勝者名横の☆は1着
決勝戦レース成績
回 | 開催年 | 決勝戦 | 開催場 | 優勝 | 2着 | 3着 | 4着 | 5着 | 6着 | 7着 | レース概要 | 3連単配当 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
- | 2024年(令和6年) | 8月15日 | 平塚 | 佐藤水菜 | 太田りゆ | 日野未来 | 久米詩 | 児玉碧衣 | 坂口楓華 | 石井寛子 | 初日[1] 2日目[2] 最終日[3] | ①⑦③ | 2,960円
1 | 2025年(令和7年) | 8月10日 | 宇都宮 | 佐藤水菜① | 久米詩 | 柳原真緒 | 仲澤春香 | 小林莉子 | 児玉碧衣 | 太田美穂 | 初日[4] 2日目[5] 最終日[6] | ①⑦③ | 6,400円
【注釈】優勝者名横の丸数字は優勝回数(2024年はFIIのため含めない)
今後の開催予定
決勝戦テレビ中継
- 2024年はSPEEDチャンネルとネット配信のみの放送となった。GI格上げ初年度の2025年はBS日テレ『私の推しで乾杯!! ~第1回女子オールスター競輪(GI)~』でも中継された。
エピソード
- 予選・準決勝ともに1着の完全優勝達成者は、1名。
- 佐藤水菜(2024年大会、第1回)
- 2024年大会に出場した太田りゆと佐藤水菜は2024年パリオリンピックに出場したため、開催初日(8月13日)朝に東京国際空港(羽田空港)着で帰国した。そのため、特例措置により前検日は免除された[19][20]。
- 第1回では、佐藤水菜が完全優勝。女子選手として初のグランドスラム、グランプリスラムを達成。
関連項目
脚注
注釈
出典
- ^ “2025年度特別競輪等開催施行者・開催競輪場及び開催日程一覧表” (PDF). KEIRIN.JP(JKA) (2024年3月25日). 2024年3月25日閲覧。
- ^ a b 【GⅠ(LA1)】女子オールスター競輪 (PDF) 副賞を含まない金額
- ^ 女子オールスター競輪(FⅡ)(L3N) (PDF) 副賞を含まない金額
- ^ “【競輪】第1回女子オールスター 決勝、ガールズドリームの賞金”. 西日本スポーツ (西日本新聞社). (2025年8月5日) 2025年8月6日閲覧。
- ^ 【FⅠ(L31)・FⅡ(L32)共通】L級7車立・3日制・2R (PDF)
- ^ “第67回オールスター競輪GI及び女子オールスター競輪ファン投票の中間発表について”. keirin.jp (2024年4月26日). 2024年4月27日閲覧。
- ^ “※ 女子オールスター競輪(GI)のトーナメント表(概定番組)及び選手選抜方法について>>” (PDF). JKA (2023年12月1日). 2024年1月11日閲覧。
- ^ “第1回女子オールスター競輪 出場予定選手一覧表” (PDF). KEIRIN.JP (2025年6月23日). 2025年7月22日閲覧。
- ^ “宇都宮競輪 2025年08月08日 出走表一覧”. Rakuten K Dreams. 楽天グループ (2025年8月8日). 2025年8月13日閲覧。
- ^ a b “競輪ルーキーシリーズプラス2025 概定番組” (PDF). KEIRIN.JP(JKA) (2024年8月30日). 2024年9月1日閲覧。
- ^ “2025年度競輪開催における新規施策等について”. KEIRIN.JP(JKA) (2024年8月30日). 2024年9月1日閲覧。
- ^ 女子オールスター競輪(FII) KEIRIN.JP 2023年12月2日閲覧
- ^ 【ガールズケイリン】2024年度女子オールスター競輪はシリーズ制へ! ポイント、レース平均点が決定 東京スポーツ 2023年10月24日
- ^ “ベストセブンの表彰について”. KEIRIN.JP. JKA (2025年8月8日). 2025年8月8日閲覧。
- ^ “第67回オールスター競輪ファン投票及び女子オールスター競輪 中間集計結果一覧表(得票数順位別)” (PDF). JKA (2024年4月26日). 2024年5月27日閲覧。
- ^ “【平塚競輪G1】児玉碧衣が8年連続ファン投票1位!女子オールスター競輪2024ファン投票ベスト20”. netkeirin. ネットドリーマーズ (2024年6月17日). 2024年11月25日閲覧。
- ^ “第68回オールスター競輪ファン投票及び第1回女子オールスター競輪 中間集計結果一覧表(得票数順位別)” (PDF). KEIRIN.JP. JKA (2025年4月24日). 2025年4月25日閲覧。
- ^ “【宇都宮競輪G1】児玉碧衣が9年連続ファン投票1位に輝く!|女子オールスター競輪2025ファン投票ベスト20”. netkeirin. ネットドリーマーズ (2025年6月23日). 2025年6月23日閲覧。
- ^ “【平塚競輪 女子オールスター】五輪出場・太田りゆ、佐藤水菜が参戦 弾丸日程もモチベは最強”. スポーツニッポン (2024年8月12日). 2024年8月13日閲覧。
- ^ “【平塚競輪 G1オールスター 前検日】パリ五輪組は初日6時に羽田着 中野慎詞は左鎖骨骨折で欠場”. スポーツニッポン (2024年8月12日). 2024年8月13日閲覧。
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