奉仕部
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 03:29 UTC 版)
「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」の記事における「奉仕部」の解説
本校生徒らの自己改革を促し、悩みを解決する手助けを行う言わば相談所的な部活動。平塚静が顧問を務めており、当初の部員は部長である雪ノ下雪乃だけであったが、後に静の紹介及び最初に来た依頼がきっかけで比企谷八幡と由比ヶ浜結衣の二人が入部して部員は3人となった。また、依頼が来る回数はあまり多くなく、普段は自由に過ごしていることが多いが、それでも静に必要だと判断された者が導かれて依頼に来ることがあり、時にはその部活動の話を聞いたり、結衣の紹介で来る者もいる。 比企谷八幡(ひきがや はちまん) 声 - 江口拓也 本作の主人公。総武高校2年F組に所属している男子生徒。作品全体を通しての語り手でもある。己の経験を集約した「青春とは嘘であり、悪である」と題する作文を書き、静によって懲罰名目で奉仕部に強制的に入部させられる。 幼少時から友達ができず、周囲に存在を軽んじられ、裏切られたりしたなどの経験からトラウマを抱えており、他人からの好意を信じられない性格になった。女嫌いであり、女子にたいして強い警戒心と猜疑心を抱いている。長年人の醜い部分を見てきたため洞察力に優れ、表面的な現象や世俗的な正義のみにとらわれることがない。現在では友達を作ることを諦めて「ぼっち」であることを誇りにさえしている。 静には「純粋すぎる」と評され、建前と同情による交友関係に否定的で、純粋な友情を尊む。自分自身の他人に対する期待や評価が外れていると例え対象の人物が不誠実で自分が不利益を被っても「自分のイメージの押しつけであり自業自得」と割り切って自己嫌悪するなどの内罰的なところがある。同様に自分を無価値との認識からヒールに徹するなど自己犠牲を厭わない一方、社会的立場の向上に対する執着はない。また、他人の自身に対する感情には疎く、結衣の好意などに気付いておらず、陽乃からは”自意識の怪物”という皮肉を言われ、人の悪性しか信じず周囲の好意を無碍にする姿勢で、正反対の価値観を持つ葉山と衝突することもしばしばある。 読書が好きで、文系科目の成績は優秀。特に国語は学年3位となったり、素養力の高さは雪乃と対等に渡り合えるほどである一方で、理系科目は苦手で数学は学年最下位の9点を取っている。それなりの大学に進学し、優秀な女性と結婚して働かない、専業主夫として養ってもらうことを将来の夢としている。 雪ノ下雪乃(ゆきのした ゆきの) 声 - 早見沙織 本作のメインヒロインの一人。総武高校2年J組に所属している女子生徒で奉仕部の部長。長い黒髪と大人びた顔立ちの美少女。 成績優秀で、八幡が「ユキペディア」と揶揄するほどの豊富な知識を持ち、さらには運動でも楽器の演奏でも大抵のことは3日でそれなりに修得できる。反面、その高い能力が仇となって継続して何かに取り組むといった経験に乏しく、その影響で持久力は極端に低い。 幼少期から他人に妥協せずに我が道を貫いてきたため、周囲から疎まれ、その美貌と完璧さに多くの男子生徒に好意を寄せられ、女子生徒からは常に嫉妬の対象となっていた。その結果、上履きを隠されるなどの嫌がらせを受け続け、友達と呼べる存在が誰もいなかったという過去を持ち、その経験から人の嫉妬などの醜い部分を含め世界を変えるために奉仕部に入部する。また、極度の負けず嫌いで、合理的かつ客観的に相手を論破することもある。反面、アドリブや感情的な言葉や仕草には弱い。現在の学校生活においては、過去のような孤立はなく、その存在感と能力の高さに憧れてシンパとなっているクラスメイトまでも存在する。 部活動中の空き時間には本を読んでいることが多く、特に東京ディスティニーランドの人気キャラクターでもある「パンダのパンさん」はマニアとも呼べる域に達している程のファン。休日には映画鑑賞などをして過ごしている。 父親が県議会議員かつ建設会社の社長であるため裕福で、現在は高級マンションで1人暮らしをしている。自身と同等以上のスペックを持つ姉の陽乃に対しては、その存在を認めて憧れつつも反目し、母親に対しては確執があることを思わせており、また、葉山とは幼馴染でありながらも過去に何かあったらしく、現在は奉仕部の活動を除いて交流はない。 由比ヶ浜結衣(ゆいがはま ゆい) 声 - 東山奈央 本作のメインヒロインの一人。総武高校2年F組に所属している女子生徒。葉山や優美子を中心としたクラス内カースト最上位のグループに所属している。奉仕部に依頼に訪れた際に自分とは正反対のタイプの雪乃の姿に感銘を受けたことから奉仕部に出入りするようになり、後に部員となる。 派手な外見とギャル風な言葉遣いに反して男女交際の経験は無い。空気を読んで周囲に合わせることを信条としており人間関係に器用だが、同時に悪癖として自覚してもいる。自分の非を認められる素直さを持ち、険悪な相手であっても思いやる優しさもあるが、相手をフォローするつもりの発言が常に地雷を踏んでしまう才能の持ち主。「やっはろー!」という独特の挨拶をする。また、親しくなった人間にあだ名を付けたがるが、ネーミングセンスは無い。 学校の成績は悪く、八幡と同様に数学が苦手であり、八幡からは「アホの子」と言われているが、奉仕部では、八幡と雪乃には無い高いコミュ力や豊富な人脈を活かしている。 料理の腕は壊滅的ではあるものの、奉仕部に関わってからは料理に興味が湧いたようで、趣味は料理(料理鑑賞)などとも語っていたりするが、一向に上達した気配はない。 八幡に好意を抱いており、彼が他の女性に迫られていると激しく嫉妬するが、自分の気持ちは伝えられていない。かつて愛犬を八幡に助けてもらった事故の後で、八幡の入院中にお菓子を持って八幡の自宅に見舞いに来たことがあり、その時に会っていた小町には「お菓子の人」と記憶されていた。 平塚静(ひらつか しずか) 声 - 柚木涼香 総武高校の国語教師。生活指導と奉仕部の顧問を担当している。それなりの格好をすれば周囲から注目を集めるほどの美人であるが、反面、ヘビースモーカーかつどこかおっさん臭いところがあり、加えて相手との距離感の詰め方のせいもあってか、かなり強い結婚願望に反して男っ気が全くない。年齢は明かされていないが、本人は「私はまだ立派なアラサーだ」と語っている。 社会に適応できないと思われる生徒を奉仕部に強制入部させており、またそういった生徒達は見ていて面白いとも評しているが、奉仕部の活動については競争させるなどの方針は決めていながらも具体的な行動についての強制はしておらず、基本的に生徒自身に任せている。 教師社会においては若輩であるために地域の奉仕活動の監督(小学校の林間学校のサポート)や文化祭、体育祭の顧問などの仕事を押し付けられることが多く、それらの仕事を奉仕部が受けるように仕向けることで奉仕部の活動を促進している。 熱い少年マンガやアニメをこよなく愛しており、会話でも頻繁にそのネタが登場するだけでなく、実際に「拳で語る」こともしばしばあるが、八幡に対しては何かと気にかけたり、他の生徒には話せないようなことを話したりもする。
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