大日寺 (香南市)とは? わかりやすく解説

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大日寺 (香南市)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/12 03:41 UTC 版)

大日寺
山門
所在地 高知県香南市野市町母代寺476番地1
位置 北緯33度34分39.3秒 東経133度42分19.4秒 / 北緯33.577583度 東経133.705389度 / 33.577583; 133.705389 (大日寺)座標: 北緯33度34分39.3秒 東経133度42分19.4秒 / 北緯33.577583度 東経133.705389度 / 33.577583; 133.705389 (大日寺)
山号 法界山
院号 高照院
宗派 真言宗智山派
本尊 大日如来
創建年 (伝)天平年間(729年 - 749年
開基 (伝)行基
正式名 法界山 高照院 大日寺
札所等 四国八十八箇所28番
文化財 木造大日如来坐像・木造聖観世音菩薩立像(国の重要文化財)
公式サイト 四国八十八カ所霊場 第28番札所 法界山 大日寺
法人番号 9490005004996
大日寺
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大日寺(だいにちじ)は、高知県香南市にある真言宗智山派寺院。法界山(ほうかいさん)、高照院(こうしょういん)と号す。本尊金剛界大日如来四国八十八箇所第二十八番札所

  • 本尊真言 - おん ばざらだどばん(金剛界)
  • ご詠歌 - 露霜(つゆじも)と罪を照らせる大日寺 などか歩みを運(はこ)ばざらまし
  • 納経印 - 当寺本尊、奥之院薬師如来

歴史

寺伝によれば天平年間(729年 - 749年)に聖武天皇勅願により、行基大日如来像を刻んで堂宇を建立して開創したという。弘仁6年(815年)に空海が楠の大木に爪で薬師如来像を彫って荒廃していた本寺を復興したとされる。

慶長年間(1592年 - 1615年)から土佐藩の祈願所となり栄えたが、明治に入って神仏分離令によって明治5年に廃寺となり、大日堂と改称した本堂に本尊を安置していた。明治17年(1884年)に再興した[1]

奥の院の爪彫薬師は首から上の病に霊験ありとされ、平癒を祈る参拝者が跡を絶たない。願いが叶うと穴の開いた石に氏名、年齢、快癒した身体の部位を書き奉納する習わしとなっている。

境内

境内
  • 山門
  • 本堂 - 1997年平成9年)再建、釘を使わず木組みで造られている[2]。本尊の木造大日如来坐像は、国の重要文化財。土日のみ本堂の外陣に入って参拝ができ、前立本尊を拝顔できる。
  • 本尊収蔵庫 - 本堂の後ろに続き棟。本尊に後背はなく、頭には冠でなく10の小さい坐像仏が乗っていて、全身漆黒である。向かって左脇に、聖観音立像。右には小さい薬師如来坐像が小さい厨子に入っている。
  • 大師堂 - 1984年昭和59年)再建。大師像は土佐藩主2代・山内忠義が寄贈したと伝わる[2]。大師像を拝顔できる。
  • 六角堂(地蔵堂) - 1986年(昭和61年)建立。地蔵菩薩を祀り、護摩堂を兼ねる[2]
  • 日吉神社 - 鎮守社
  • 鐘楼堂 - 2024年6月新築再建完成。
  • 持仏堂(不動堂) - (非公開)本尊:不動明王[2]

県道22号脇にバスの駐車場があり、進入車道は普通車までで、狭い坂道の車道を上がると山門前に数台とその背後に大駐車場がある。途中に行き違いをする部分があるが走行には注意を要する。途中に山門の立つ石段を上って行くと左に鐘楼が、右に手水場、その先に地蔵堂(六角堂)があり、57段上がると本堂の壇に着き、正面奥に本堂があり左手前に大師堂がある。本堂の左裏に鎮守堂がある。手水場から左に折れ塀沿いに進むと庫裡の門があり、その中の正面に納経所がある。不動堂は庫裡の中の一角にあるが一般の参拝はできない。

文化財

国の重要文化財
  • 木造大日如来坐像 - 1911年(明治44年)8月9日指定[3]
像高146.0 cm。檜の寄木造、彫眼、漆箔[注 1]。眼は彩色が施されているが、後世に顔面を割り銅板を嵌め込んだと考えられる。像内の背面に、元亨3年(1323年)修理の墨書銘がある。行基作の伝承があるが、技法等から平安時代後期の作と考えられる[4]
  • 木造聖観音立像 - 1911年(明治44年)8月9日指定[5]
像高171.0 cm。檜の一木造、彫眼、素木像。平安時代後期の特色がみられる[6]。かつて存在した観音堂の本尊。
  • 上記2躯とも非公開。本堂に接続した背後の本尊収蔵庫に安置されている。2014年に四国霊場開創1200年記念事業として開帳された[7]
香南市指定史跡
  • 大日寺 - 1967年(昭和42年)7月28日指定[8]

交通案内

鉄道
バス
道路

奥の院

爪彫薬師堂(右)、弘法大師の御加持水(左)
爪彫薬師堂
山門より奥に約200 m入ったあたりに楠の立木に彫ったと伝わる薬師如来があったが、明治初年に台風で倒れたためその跡地に堂を建立し倒れた楠を霊木として安置している。また、付近の岩窟からは弘法大師の御加持水と呼ばれる清水が湧き出す[2]。なお、堂は老朽化のため2014年に建て替えられ、その後も参道や湧水口の整備が続けられ2018年完了した。爪彫薬師に参拝すれば、首から上の病の平癒に霊験があり、祈願がかなった折「願ほどき」のために穴の開いた石を奉納する習わしがあるため、お堂の床下周囲にはおびただしい数の小石が置かれていたが、それも一区画に積み上げるようになっている。納経及び御影の授与は大日寺納経所にて。

前後の札所

四国八十八箇所
27 神峯寺 -- (37.5 km)-- 28 大日寺 -- (9.3 km)-- 29 国分寺

脚注

注釈
  1. ^ 漆箔とは、木造彫刻、柱、壁面、また錺金具(かざりかなぐ)などの金属面などに、漆で金箔を1枚ずつ押す技法で、漆塗の金色加工技法のひとつである。または、漆に染料を混ぜ箔状にしたもの。
出典
  1. ^ 高知県 編『高知県史要 : 附・高知沿革略志、元禄大定目』高知県、1924年、468頁。NDLJP:978760/297 
  2. ^ a b c d e 境内案内”. 大日寺公式. 2023年8月22日閲覧。
  3. ^ 木造大日如来坐像 - 国指定文化財等データベース(文化庁
  4. ^ 高知の文化財|木造大日如来坐像”. 高知県 (2020年4月1日). 2023年6月4日閲覧。
  5. ^ 木造聖観音立像〈/(観音堂安置)〉 - 国指定文化財等データベース(文化庁
  6. ^ 高知の文化財|木造聖観音立像”. 高知県 (2020年4月1日). 2023年6月4日閲覧。
  7. ^ 平成26年 四国八十八ヶ所霊場 開創1200年記念事業日程』(pdf)(プレスリリース)四国八十八箇所霊場会、4頁。オリジナルの2014年3月30日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20140330054244/http://88shikokuhenro.jp/img/1200_25.pdf2023年6月4日閲覧 
  8. ^ 市指定文化財一覧” (pdf). 香南市. p. 3 (2022年9月6日). 2023年6月4日閲覧。

参考文献

  • 四国八十八箇所霊場会 編『先達教典』四国八十八箇所霊場会、2006年。 
  • 宮崎建樹『四国遍路ひとり歩き同行二人』 解説編(第7版)、へんろみち保存協力会、2007年。 
  • 宮崎建樹『四国遍路ひとり歩き同行二人』 地図編(第8版)、へんろみち保存協力会、2007年。 

外部リンク




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