北三陸市
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/22 10:17 UTC 版)
第一部の舞台となる北三陸市は、「岩手県三陸海岸沿いにある」という設定の田舎町。世界最北端で素潜り漁でウニを獲る「北の海女」と、北三陸鉄道の駅弁である「リアスのウニ丼」が観光資源。名物は「まめぶ」と琥珀。 前述の通り、岩手県久慈市およびその周辺(洋野町・田野畑村など)の設定がほぼそのまま生かされている。 北三陸鉄道リアス線(きたさんりくてつどうリアスせん) 1984年7月1日開通の第三セクター鉄道。通称「北鉄(きたてつ)」。本線(北三陸駅 - 宮古駅)の開通により北三陸と東京が1本につながったが、開通から24年が経過してモータリゼーションの進行により利用が低迷し、岩手県議会でも廃線が取り沙汰される状況となっており、「ミスコンテスト」「お座敷列車」など様々な利用促進策が施されている。マスコットキャラクターは岩手県の地図の形が顔になっている「リアス先輩」。 モデルとなったのは三陸鉄道北リアス線で、劇中登場する車両も同鉄道の36-100形である。実際の北リアス線の開通日は1984年4月1日である。 実在の三陸鉄道が運営しているもう一つの路線「南リアス線」は、劇中では「南三陸鉄道リアス線」という別会社の路線として描かれている。 北三陸駅(きたさんりくえき) 「北三陸鉄道リアス線」の北側のターミナル駅。駅舎内には駅務室や待合室のほか、軽食&喫茶「リアス」(夜はスナック「梨明日」)がある。 その他、学生に待ち時間を有効活用してもらうための自習コーナーがあり、「学習ステーション」と名付けられている。駅舎からホームへは、JRの線路を越えるために必ず跨線橋を使う必要がある。 モデルは三陸鉄道久慈駅で、撮影時は外観のみ久慈駅の看板の上に撮影用のセットを取り付けて北三陸駅として撮影している。駅舎内部のシーンはセットである。 北三陸市観光協会(きたさんりくしかんこうきょうかい) ヒロシ、菅原、栗原が勤める地元の観光協会で、北三陸駅前のビルの一室に入居している。定例の「K3NAP(北三陸をなんとかすっぺ)」会議があり、大吉や漁協・海女クラブを交えて観光客誘致のために話し合いを行う。 協会内の撮影はセットで行われたが、外観は久慈駅前に実在する「久慈駅前ビル」が使用され、ドラマファンの観光客の「聖地」となっていた。撮影より約50年ほど前に建設されたビルで、老朽化と駅前の再開発のために2013年11月には久慈市が中心市街地活性化基本計画によって取り壊しとイベントスペースへの変更を決定した。これにより2014年4月以降に取り壊しの工事が開始される予定であったが、諸般の事情により2021年3月現在でも現存している。 ビルの外壁にはドラマで使用された広告看板が、ドラマ終了後に再び掲示されている。 袖が浜海岸(そでがはまかいがん) 天野家がある北三陸市の漁師町の集落で、「北の海女」が活動している。2009年7月1日には漁協を改装して飲食・名産品販売・イベントなどのための施設「海女カフェ」がオープンする。 久慈市の小袖海岸がモデルになっており、実際の集落も海岸段丘の段丘崖下の海岸沿い集落と、より高い段丘面にある集落とに分かれている。劇中も同様の設定になっており、天野家は段丘面側にあることになっている。実際の久慈市漁協小袖支所は海岸沿いにあって2014年春までは簡易郵便局を併設しており、劇中の漁協でも同様に簡易郵便局が併設されている。 袖が浜駅(そでがはまえき) 袖が浜地区の最寄り駅で、北三陸駅の次の駅。劇中の設定では段丘面側集落の奥にあることになっている。 実際の小袖海岸に鉄道は通っておらず(わずかの本数の路線バスが運行されるのみ)、ロケ地は小袖海岸からは直線距離で南に15kmほど離れた堀内駅(普代村)となっている。 畑野駅(はたのえき) 足立家の最寄り駅。劇中の設定では「市ではなく村にある」ことになっており、北三陸駅から1時間ほどの距離にある駅となっている。第4話でアキがユイと初めて出会った舞台であり、第53話でお座敷列車の折り返し駅として種市を「南部ダイバー」で見送った場所でもある。また、最終話でもお座敷列車の折り返し駅として登場し、その先の不通となっている宮古行きの線路をユイと歩いた場所でもある。 ロケ地は田野畑駅で、久慈駅からの所要時間(約50分)や市ではなく田野畑村に位置するなど、劇中の設定とほぼ同じである。 北三陸高校(きたさんりくこうこう) 北三陸市内にある高校。北三陸駅(北鉄の終点駅)から自転車通学できる場所にある。普通科と潜水土木科を有し、潜水土木科では伝統的な潜水法である「南部もぐり」の授業を行っている。 北三陸駅のモデルである久慈駅から自転車通学できる高校として岩手県立久慈高等学校が実在するが、普通科しか存在しない。洋野町にある岩手県立種市高等学校には「南部もぐり」を継承する「海洋開発科」が実際に存在しており、ロケ地の1つとして「南部もぐり」の実習のシーンの撮影が行われた。なお、高校内の他のシーンは埼玉県立寄居城北高等学校で撮影が行われている。 北三陸の方言 劇中では、驚いたときに「じぇ」という言葉を発する場面を多用している。これはロケ地である岩手県久慈市小袖地区で実際に用いられている感嘆詞で、宮藤がロケハンに行った際に、海女が発した言葉を面白いとの理由で脚本に採用したもの だが、基本的に小袖地区の漁師仲間でのみ交わされる方言であり、久慈市内でも他地域ではほとんど使われていない。同様の感嘆詞として南部弁地域では、盛岡市周辺で「じゃ」、宮古市周辺で「ざ」、大槌町周辺で「だ」があり、仙台弁地域では大船渡市から宮城県気仙沼市にかけて「ば」が使われている。岩手県のローカル番組には、上記の盛岡弁での感嘆詞を用いた「じゃじゃじゃTV」もある。 その他にも、劇中では方言が多く使用され(例 : 「ばっぱ」「わらす」)、同じくモデルとなっている久慈市小袖地区の方言がその元となっているが、実際に使われているものとは差異がある。これら劇中の方言は、NHK盛岡放送局のドラマ公式ページ「ご当地サイト」内でその一覧を参照することができる。 潮騒のメモリーズ(しおさいのメモリーズ) アキとユイによる、北三陸の活性化のために結成された地元アイドルのユニット。 衣装は絣半纏にフリルを施したもので、アキは赤を基調としたフリルに鉢巻きを意識した「北の海女」と書かれたリボンをつけている。ユイは青を基調としたフリルに車掌帽子をイメージした小さい髪留めを使用している。衣装デザインはユイが考えたもので、衣装を縫製したのはユイの母・よしえ。お座敷列車と海女〜ソニックでの活動実績があり、両方とも岩手こっちゃこいテレビの取材を受けている。なお、東日本大震災後に活動を再開してからは、「潮騒のメモリーズZ(ゼット)」と名乗ることがある。 海女のミサンガ(あまのミサンガ) ウニ漁のシーズンオフの内職として、花巻が発案し勉の指導で海女クラブの面々が製作、北三陸駅や海女カフェで販売。海をイメージしたデザインで琥珀のビーズが付けられている。 アキは、種市よりプレゼントされたものと、東京へ出発する時に海女クラブのメンバーから贈られたもの合わせて5本のミサンガを腕に結んでいた。ユイの父・功が病気から快方に向かうときや震災時に北三陸の人々の無事が確認されるなど、アキの周囲の人々に何らかのよい出来事が起きるときに1本ずつ切れている。 震災後、材料費の不足と復興祈願のため、放置されていた底引き網(漁網) を再利用した新しいミサンガがアキの発案により作られる。 ミサンガの制作と実技指導は、手芸関連会社の「メルヘンアート」が担当した。同社によれば、震災後のミサンガは漁網とヘンプ糸を素材にしており、各登場人物に合ったイメージの色にして作られている。また、同社は先に登場しているミサンガについては、ほぼ同じものが作れるキット付き教則本を監修しているが、震災後の漁網ミサンガについては元になった復興支援のための「浜のミサンガ」を購入してもらうため、作り方は公開しないとしている。
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