包囲網敗れるとは? わかりやすく解説

包囲網敗れる

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/18 14:22 UTC 版)

モルゴス」の記事における「包囲網敗れる」の解説

ノルドールの上級王フィンゴルフィンは民も増え国力増大し同盟者人間得たことから、アングバンド襲撃考えようになった。しかし各王国現状満足していた他のノルドール達は、それがそのまま続くことを期待し重い腰上げようとはしなかった。中でもフェアノールの息子たちにはその気がなかった。もしアングバンド攻めるなら、勝つにせよ負けるにせよ、甚大な損害を被ることは必至だからである。ノルドール公子たちの中で王に同意したのはアングロドアイグノールだけであったという。この二人王国ドルソニオンはサンゴロドリム最も近いであったため、モルゴス脅威は常に心を占めていた。しかし結局この計画実現せずこのまま包囲続けることとなった。そしてフィンゴルフィン中つ国来て455年経た時、モルゴスがついに動いた第四合戦起きたのであるダゴール・ブラゴルラハ俄に焔流るる合戦) 月のない冬の夜アルドガレン平原見張っていたノルドール族は、数が少なく騎兵たちの中でも眠り中にいる者たちが殆どであったその時突然サンゴロドリムから火炎流が流れだし、炎の大河となってバルログよりもずっと早く流れ下って平原覆った鉄山脈も火焔噴出し、その毒煙は生あるものの命を奪った。こうしてアルドガレン草原滅び、火で舐め尽くされた跡には、灰土覆われる不毛の地しか残らなかった。この後アルドガレンの名は変えられてアンファウグリス(息の根を止める灰土の地)と呼ばれるうになる。そして多くノルドール族がこの炎で焼け死に黒焦げとなった骸を晒すこととなった。この火の川はドルソニオンの高地や、エレド・ウェスリンが堰き止めたものの、山腹に火がつき山火事となって煙による混乱もたらされた。こうして戦は始まった。この火の川の跡に今や成竜となった竜祖グラウルングが先頭切って進んできた。その龍尾に続くのはバルログたちであり、さらにその後ろにはノルドールがかつて目にしたことがないほどの、オーク大軍押し寄せてきた。襲撃矛先まともに受けたアングロドアイグノール討ち死にベオル家のブレゴラス及びこの一族戦士大多数戦死した。しかしブレゴラスの兄バラヒアは西のシリオンの山道戦っていた。そこには南方から急遽馳せ参じたフィンロド王が味方軍勢から切り離され包囲され落命するか虜囚身になるかの瀬戸際であったところをバラヒア勇敢な部下とともに駆けつけ血路を開いて救出したのである。こうしてフィンロド生きてナルゴスロンドに戻ることが出来た。この時彼は謝礼バラヒア自分指輪与えバラヒア一族困難に落ちいった時は必ずこれを助けるという誓い立てた。ヒスルムの軍勢多く戦死者出して、エレド・ウェスリンの砦に退却したが、オーク達から何とか砦を守り切ったハドル家の長金髪ハドル主君フィンゴルフィン後衛守って討ち死にした彼の次男であるグンドールも同じく死んだ。しかし高く堅固な山脈火の川堰き止めたのと、オークバルログ北方エルフ人間剛勇打ち負かせなかったため、ヒスルムは最後まで攻略されずに残った。しかしフィンゴルフィン夥しい敵に包囲され味方軍勢から切り離されてしまった。フェアノールの息子たち戦いに利あらず、彼らの王国があった辺境の地は敵の強襲余すところ無くの手落ちてしまった。アグロン山道で敵に大きな損失与えたものの、ケレゴルムクルフィン敗北喫し南西方遁れナルゴスロンド辿り着きフィンロド王のもとに避難場所求めた。しかし彼らは北方同族の許に留まっていたほうがよかったかもしれないマグロールの守る山間カランシアの守るサルゲリオンはグラウルングが来たためこれに抗しきれず、彼らは遁走した。グラウルングはその火と恐怖で、アムロドアムラス守っていた東ベレリアンドの奥地まで荒らしまわったマイズロスのみはこの上ない剛勇持ってヒムリングの大砦を守りきり、マグロールはそこへ合流したカランシアはアムロド・アムラスと合流すると南に遁れ、オッシリアンドのエルフ助け得て抵抗続けたこの後ベレリアンドでは、第五合戦まで大きな合戦はないものの、頻繁に戦が起きるようになっていく。この第四合戦モルゴス猛攻撃下火になった春の訪れと共に終わった考えられている。 モルゴスフィンゴルフィン一騎討ち この時ヒスルムに届いた一報はドルソニオンは滅びフィナルフィン息子たち敗北しフェアノールの息子たち領土壊滅したという内容であった。これを聞いたフィンゴルフィンノルドール最早滅亡する少なくとも彼にはそう思われた)という絶望憤怒駆られ、彼は愛馬ロハルロールを駆り単身敵陣突入した。アンファウグリスの灰土の中を疾風如く駆け抜ける彼を、狩人オロメその人がやって来たと勘違いし、敵は驚き惑う逃げまわった憤怒燃え彼の目はヴァラールのように輝いていたからである。こうして彼はアングバンド大門辿り着く角笛吹き鳴らし門扉強打しモルゴス一騎討ち挑んだフィンゴルフィンモルゴス名指しして罵倒したために、モルゴスその人気乗りしなかったが、配下諸将の手応じざるを得なかった。彼は黒い鎧を纏い大鉄グロンドと黒い盾を構えて決闘臨んだモルゴス巨体エルフの上影を落としたが、フィンゴルフィン星のように光を放った彼の鎧には銀が被せてあり、青い盾には水晶嵌めこまれていたからである。そして彼の愛剣は氷のように煌めくリンギルであったモルゴス何度もエルフ王に打ちかかったその度素早く躱され、逆に7度斬りつけられ傷を負わされた。その度苦痛叫び上げモルゴスに、アングバンド軍勢狼狽するばかりであった。しかしエルフ王は徐々に疲弊してゆき、モルゴスは盾を構えて迫った三度王は粉砕されんとして膝を突き三度立ち上がりボロボロになった盾と兜を上向けて立ち上がった。しかし周囲大地グロンド振り下ろされた際の、地面を劈いた穴や裂け目だらけであったため、彼は躓きモルゴス足許に仰向け倒れたモルゴス好機とばかり左足を敵の首にかけへし折った。しかし死の間際フィンゴルフィン死力振り絞り、愛剣リンギルでモルゴスの足を深く突き刺した。そのためモルゴスの足からはドス黒い血が吹き出し大地の穴を満たした。こうしてノルドールの上級王、武勇に最も優れていたフィンゴルフィン死んだモルゴスエルフ王の亡骸折ってどもに与えようとしたが、の王ソロンドールが飛来して顔を鉤爪引っかき、フィンゴルフィン遺体運び去った戦争におけるモルゴス勝利大きかったが、彼自身負った傷はこの後癒えることはなく、モルゴス以後片足を引き摺るようになり、顔にはソロンドールによって付けられた傷が痕となって残ったフィンゴルフィン死後悲しみ暮れながらも、フィンゴンノルドールの上級王を継承した。そして息子エレイニオンギル=ガラドとも呼ばれる)をファラスのキーアダンのもとに送った今やドルソニオンは滅んだが、バラヒアはそこから逃げようとはしなかった。バラヒアの民は大勢死に生存者残り少なくなってしまった。そしてこの国の恐怖幻影覆われ魔の森化しタウア=ヌ=フイン呼ばれるようになった。そこでバラヒア婦女子をブレシル、またはドル=ローミンへと避難させ、自分たちは絶望的な環境でも頑強にゲリラ的抵抗続けたのであるダゴール・ブラゴルラハから2年経過しても、西方のシリオンの水源近辺地域依然としてノルドールの手にあったウルモの力がこの水の中にあったため、トル=シリオン(第一紀ミナス=ティリスとも呼ばれた)は難攻不落であったからである。しかしモルゴス召使の内で最も枢要な地位にあり、最も恐るべきものとされたサウロンが、トル=シリオンの守護者であるオロドレス攻撃してきた。この強襲エルフ達は耐えられず、オロドレスナルゴスロンドへと遁走した。この辺りはサウロン第一紀での活動に詳しい。 この頃ブレシルに移住していたハレス一族は、最初のうちこそ北方の戦の影響受けずにいたが、第四合戦後オークたちも南にまで姿を現すようになり、屡々戦闘が行われた。ハレス一族シンゴル王はともかく、ドリアス国境警備隊とは親交保っていたため、警備隊長のベレグがシンダール大部隊を率いて救援駆けつけハレス一族と共にオーク軍を壊滅させた。このためオークはそれから暫くの間南方には攻め寄せてこなかった。丁度この時ハドル一族フーリンフオルは、ドル=ローミンではなくブレシルにいた。母親ハレス一族出身だったからである。この兄弟オークとの戦闘にわずか13歳従軍したのだが、共にオーク捕らえられる殺されるかの危機陥った。しかしシリオンの川にはウルモの力が強く働いていたため、濃霧が立ち昇り二人間一髪のところで脱出させたのであるその後二人大鷲王ソロンドールに見つかり、配下大鷲によって救助され隠れ王国ゴンドリンへと運ばれた。彼らはそこで一年間暮らした後、王に暇乞い告げた。彼らは空からやってきたため、秘密の入口知らないことからトゥアゴン王も許し与えた。王と異なり二人嫌っていたマイグリンは当て擦り言ったが、兄弟はここで過ごした一年決し他言しないと王に誓った。そして二人は来た時と同じよう大鷲運ばれてゴンドリンを去った二人一年もの間何処にいたのか、一族縁者両親からも聞かれたが決し答えなかったため、父親のガルドールはそこで尋ねることをやめて、推測し本当のこと考え当てた。この兄弟不思議な話はモルゴス間者の知るところとなったモルゴス第四合戦大勝利得たが、不安は拭えなかった。フィンロドトゥアゴン消息杳として知れないからである。ナルゴスロンドは名前だけしか知らず、ゴンドリンに関しては名前も含めて何一つ情報持っていなかった。そこで彼は間者をベレリアンドに放つ一方オーク主力部隊呼び戻した自分がまだ正確な情報握ってない状況では、決定的な勝利を掴むことは難しいと考えたのである第四合戦から7年後モルゴスはヒスルムを攻めた。エイセル・シリオン包囲戦ではドル=ローミンの領主ガルドールが戦死したが、彼の息子フーリンオーク達の大多数仕留めるとエレド・ウェスリンから追い払い、アンファウグリスの遥か遠くまで追撃した。しかしフィンゴン王の方は衆寡適せず北方から攻めてきたアングバンド大軍に手こずっていたところだったが、ファラスのキーアダン援軍到着したことで、エルフ側が勝利を収めたその後フーリンドル=ローミンの領主となり、ハドル王家継承しフィンゴン忠誠誓った。彼は妻にはベオル王家からモルウェン貰い受けた。そしてちょうこの頃ドルソニオンのバラヒア一党滅ぼされた(サウロン第一紀での活動参照)。 西方抑えたモルゴスオーク達は、容赦なく敵の拠点1つずつ落としていった。多くのノルドール・シンダールが囚われてアングバンドに連れて行かれ奴隷としてこき使われた。またモルゴス諸国間に虚言の種を蒔いた。そしてそれは屡々同族殺害呪いゆえに鵜呑みにされた。時代暗くなるに連れて、ベレリアンドのエルフたちは恐怖絶望故に理性的な判断難しくなってきたからである。モルゴスエダインエルダール離間させよう務めたが、エダイン三王家は耳をかそうとはしなかった。このためモルゴスは彼らを激しく憎み、エレド・ルインの向こう側にいる褐色人(東夷)に使者送った。この褐色人の中でも有力な部族ボールウルファングの一族で、ベレリアンドにやって来た彼らはエルダール使えたボールの一族マイズロスマグロール仕えウルファングの一族カランシア忠誠誓った。これはモルゴス狙い通りであったエダイン三王家と東夷の間には親愛感は殆ど存在しなかったと言われている。

※この「包囲網敗れる」の解説は、「モルゴス」の解説の一部です。
「包囲網敗れる」を含む「モルゴス」の記事については、「モルゴス」の概要を参照ください。

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