フィナルフィン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/05/01 02:53 UTC 版)
フィナルフィン(Finarfin)は、J・R・R・トールキンの中つ国を舞台とした小説、『シルマリルの物語』の登場人物。 ノルドールの中つ国への帰還のさい、兄フィンゴルフィンとともに異腹兄フェアノールに従ったが、ヴァラールによる忠告を聞き入れて、かれに従う民とともにヴァリノールへと引き返した。 かれはアマンにおけるノルドールの上級王となった。
ヴァリノールにおけるかれのクウェンヤ名は、「高貴なフェンウェ」を意味するフィンウェ・アラトフィンウェ(Finwë Arato finwë)であった。 フィナルフィンはこのクウェンヤ名をシンダール語式に縮めたものである。
父はノルドールの上級王フィンウェ。 母はヴァンヤールの上級王イングウェの親類インディス。 異腹兄にフェアノール。 姉にフィンディスとイリメ。 兄にフィンゴルフィン。
妻はアマンにおけるテレリの上級王オルウェの娘エアルウェン。 息子にフィンロド・フェラグンド、アングロド、アイグノール。 娘にガラドリエル。
フィナルフィンは、早期の原稿では「フィンロド」と呼ばれており、そのため初版の『指輪物語』では「フィンロド」として登場したが、これはのちの版では訂正された。[1] またかれの息子フィンロドも、早期の原稿では「イングロール」と呼ばれていた。「イングロール」から「フィンロド」への変更は、完全には訂正されなかった。[2] このため、『指輪物語』に登場する、「フィンロド王家のギルドール・イングロリオン」の存在は、トールキンの残した大きな謎となった。
フィナルフィンの系図
フィンウェ |
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インディス | オルウェ |
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フィンゴルフィン | フィナルフィン |
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エアルウェン |
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フィンロド | アングロド | アイグノール | ガラドリエル |
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ケレボルン | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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オロドレス |
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ケレブリーアン |
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エルロンド | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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フィンドゥイラス |
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ギル=ガラド |
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エルラダン | エルロヒア | アルウェン |
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アラゴルン | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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エルダリオン | |||||||||||||||||||||||||||||
トールキンの文書中のオロドレスは、明らかにアングロドの息子であるが、刊行された『シルマリルの物語』ではフィナルフィンの息子の一人となっている。これは『シルマリルの物語』の出版時に編者クリストファ・トールキンが変更したためであるが、この変更は間違いであったと、のちにクリストファは認めている。[3]中つ国の正典を参照。
脚注
- ^ J. R. R. Tolkien, "From Hobbiton to the Woodyend" In The Return of the Shadow ed. Christopher Tolkien, (Harper Collins), P. 72.
- ^ Wayne G. Hammond, Christina Scall (2005), The Lord of the Rings A Reader's Companion, Harper Collins, 103-104,
- ^ J. R. R. Tolkien, "The Shibboleth of Fëanor." In The Peoples of Middle-earth ed. Christopher Tolkien (Boston: Houghton Mifflin, 1996), pp. 349-351, ISBN 0-395-82760-4.
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