オロメ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/02 04:09 UTC 版)
オロメ(Oromë)は森の王であり狩人。エルフの導き手。ネッサの兄で、ヴァーナの配偶者。彼の名はヴァラール語のアローメーズ(Arômêz)が変化したものである。 オロメは中つ国の土地を愛しており、木々や獣を慈しんだ。二本の木の時代になってほとんどのヴァラールがアマンに逃れた時も最後までとどまっていた。その後もしばしば中つ国東部の奥地に分け入っては、配下の者や獣と共に森で狩をしている。大きな角笛ヴァラローマを携え、偉大な白銀の馬ナハールにまたがった彼の獲物は、メルコールの放った凶暴な獣や怪物だった。オロメは、戦闘力においてはトゥルカスに劣るものの、怒れば彼よりも恐ろしい。ただし大蜘蛛ウンゴリアントの暗闇には遅れを取っている。月の守護者であるティリオンは彼の直属のマイアである。 オロメはある狩りの途中でクイヴィエーネン湖に立ち寄り、エルフの目覚めを見出して、彼らを「星の民」エルダールと名付けた。彼はしばらくエルフたちの間で暮らし、ヴァリノールへの報告が終わるとまたすぐに戻ってきた。メルコールが捕縛された後、3名のエルフを代表の使者としてアマンに連れて来たのも、エルダールの西方への「大いなる旅」を導いたのも、みなオロメである。彼は特にフェアノールの息子ケレゴルムと親しく、後に魔狼カルハロスを倒すことになる猟犬フアンを彼に贈っている。 オロメが中つ国に持ち込んだ動物は多く、中でも白い牛は、彼の別名を採って「アラウの野牛(Kine of Araw)」と呼ばれた。その角から取られたのが、『指輪物語』でボロミアが所持していた角笛である。そのためローハンではオロメはベーマ(Béma、トランペットの意)とも呼ばれた。また、ローハンの名馬メアラスの先祖も、彼が西方から連れてきたと言われる。
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