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葵の上

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/09/13 02:33 UTC 版)

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葵の上(あおいのうえ)は紫式部物語源氏物語』に登場する架空の人物。光源氏の最初の正妻。源氏との間に一粒種(夕霧)をもうける。この名は後世の読者がつけた便宜上の名前で、彼女が主役級の扱いを受ける「」帖から取られている。

出自

父は桐壺帝時代の左大臣、母は桐壺帝の妹の大宮頭中将という同腹の兄弟がいる(どちらが年上なのかは作中では不明)。光源氏の従姉にあたる。

生涯

当初東宮(のちの朱雀帝)妃にと希望されていたが、左大臣の思惑で元服した源氏の北の方に納まる(「桐壺」)。だが密かに藤壺を恋い慕う源氏には、后がね(皇后候補)として大切に育てられた深窓の姫とはいえ物足りない心地がし、葵の上も他の女君にうつつを抜かす4歳下の夫にうちとけず、よそよそしい態度をとっていた。源氏との夫婦仲の冷淡さは、葵の上が詠んだ和歌が一首も登場しないことにも象徴されている(「帚木」~「花宴」)。

10年後(源氏22歳)にようやく懐妊、周囲は喜びに沸き、源氏も悪阻の苦しさに心細そうな葵の上の様子に珍しく愛しさを感じた。折りしも時は賀茂祭(葵祭4月 (旧暦))、周囲に勧められるままに賀茂斎院の御の見物に行ったところ、図らずも家来が源氏の愛人の六条御息所の家来と車争いし、御息所の牛車を壊し恥をかかせてしまう。この頃から葵の上は物の怪に悩まされて臥せるようになり、床を見舞った源氏の前で彼女に取りついた御息所の生霊が姿を見せるという事件が起きた。8月の中ごろに難産の末夕霧を産み、ようやく源氏とも夫婦の情愛が通い合ったと思うもつかの間、秋の司召の夜に急に苦しんで呆気なく他界。火葬と葬儀は8月20日過ぎに行われ、源氏はそれまで妻に冷たくあたってきたことを後悔しつつ、左大臣邸にこもって喪に服した(「」)。

登場する巻

葵の上は直接には以下の巻で登場し、本文中ではそれぞれ以下のように表記されている[1][2]

なお、上記で確認出来るように、現在この人物に対して一般的に使われている「葵の上」なる呼称は、源氏物語そのものの本文中には現れない呼称であるが、平安時代末期から鎌倉時代初期に書かれたと見られる九条家本源氏物語系図にはすでに見られる古くから使われていた呼称である。

演じた人物

脚注

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  1. ^ 稲賀敬二「作中人物解説 葵上」池田亀鑑編『源氏物語事典下巻』東京堂出版 1960年(昭和35年)(合本は1987年(昭和62年)3月15日刊)、p. 320。 ISBN 4-4901-0223-2
  2. ^ 「葵の上」『源氏物語事典』 林田孝和・竹内正彦・針本正行ほか編、大和書房、2002年(平成14年)、p. 31。 ISBN 4-4798-4060-5

参考文献

  • 「葵上」『源氏物語辞典』 北山谿太編、平凡社、1957年(昭和32年)、p. 51。
  • 篠原昭二「作中人物事典 葵の上」『源氏物語事典』 秋山虔編、学燈社〈別冊国文学〉No.36、1989年(平成元年)5月10日、p. 268。
  • 「葵の上」西沢正史編『源氏物語作中人物事典』東京堂出版、2007年(平成19年)1月、p. 158。 ISBN 978-4-490-10707-4

関連項目

  • 葵上(あおいのうえ)」は六条御息所が葵の上を恨み取り殺す話を題材にして作られている。

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