部隊・長とは? わかりやすく解説

部隊

(部隊・長 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/08 01:47 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

部隊(ぶたい)は、元々は軍隊などの作戦行動の基本的な単位を表すが、自衛隊では機関と区別して部隊を編制している。現代では警察消防、民間警備会社などの組織においても小規模な数名のなどにも名称として使われる。また、営業部隊、炊き出し部隊など組織の有無や規模の大小に関係なく共通する目的で、集団で行動する人々を部隊と称することがある。

歴史

歴史的に部隊は、軍事組織において基本的な単位として組織され、その機能や構成が研究されてきた。古代ギリシアの軍事組織では約4,000名が一つの統一体として機動し、長槍を装備した重歩兵部隊ファランクス」が編制されていた。しかし、このような大規模な人員を抱え、かつ単一の職種で編制された部隊では運用する上で柔軟性に乏しかった。古代ローマレギオンではそのような問題が解決されており、部隊を重歩兵部隊と騎兵部隊の混合として構成し、約120-200名のマニプルと呼ばれる部隊が集まって編制されていた。いくつかの2-3個のマニプルはコホートと呼ばれる部隊を組織し、10個のコホートと騎兵部隊が組み合わさって約4,500-5,000名程度のレギオンという部隊が編制されていた。中世においては騎兵による戦闘が主流で、歩兵を中心とした部隊編制は一時的に廃れていたが、14世紀スイス歩兵は古代ローマの部隊編制を導入してヨーロッパでの戦闘に革新をもたらした。

次いで火器が開発されたことで軍事組織の部隊の編制は抜本的に見直されることになり、長槍と小銃を装備する歩兵を組み合わせることから始まり、後に銃剣の発明によって全ての歩兵は小銃を装備するに至る。1505年スペイン軍では近代的な部隊編制を開発し、長槍、刀剣、マスケットを装備した5個の中隊からなる1,000名の歩兵大隊を創設した。これはレギオンよりも小規模な部隊でありながら方陣の隊形で独立して戦闘行動が可能な近代的な大隊であった。しかし、本格的にマスケットが普及してくるにつれて部隊は2列や3列の横隊に整列して射撃により戦闘することが主流となり、また、騎兵部隊や砲兵部隊と連繋するために師団単位で運用されるようになる。フランス革命以後では大隊、連隊、師団という部隊編制が整備されるようになり、ナポレオンによって歩兵部隊は砲兵部隊の戦闘支援の下で運用されるようになる。この頃に軍事組織の基本的な部隊編制として師団、連隊、大隊が形成されたのであり、今日の軍事組織においても広くこの編制が採用されている。

部隊と機関の違い

軍事組織において、一般的には、機関が一地に固定して後方支援、教育、募集、調達などの任務を行うのに対し、野外での実力行動を任務とするものを部隊という[1]

自衛隊の場合、陸上自衛隊では陸上総隊方面隊その他大臣(防衛庁時代は長官)直轄部隊が、海上自衛隊では自衛艦隊地方隊教育航空集団練習艦隊その他大臣直轄部隊が、航空自衛隊では航空総隊航空支援集団航空教育集団航空開発実験集団その他大臣直轄部隊がある。さらに、統合運用による円滑な任務遂行上一体的運営を図る必要がある場合、陸海空自衛隊の「共同の部隊」を置く事ができる。ほかに、内閣総理大臣が自衛隊に出動を命じた場合に、「特別の部隊」を編成し、又は所要の部隊をその隷属する指揮官以外の指揮官の一部指揮下に置くことができる。これで編成され、または同一の指揮官の下に置かれる部隊が陸海空自衛隊のいずれか2つ以上から成る場合、当該部隊の運用に係る防衛大臣の指揮は統合幕僚長を通じて行い、これに関する防衛大臣の命令は、統合幕僚長が執行するほか、防衛大臣の指揮監督について幕僚長の行う職務に関しては、防衛大臣の定めるところによる[2]、となっている。また、部隊と機関を総称して「部隊等」という[1]

部隊編制

軍事組織において部隊は組織的な作戦行動を遂行する単位であり、複雑な任務を遂行できるような分業的ヒエラルキーで組織されている。それはまず規模によって方面隊師団若しくは混成団連隊大隊中隊小隊または区隊・などの単位に分けられ、それぞれの部隊の任務および職域に応じて上位部隊および隊長を中心とした階級の順位および職務分掌に基づく指揮命令系統により、部隊行動・作戦が展開される。部隊の編制は通信技術の発達の程度によって決定される統制可能な範囲により歴史的に変化してきた。現代の軍事組織の部隊編制はナポレオン時代に形成されたものであり、フランス革命が勃発した時期からナポレオン戦争の時期のフランス軍の部隊編制を参考にしている。この部隊編制は基本的に大隊が横隊戦術で戦い、師団は状況に応じて各大隊を柔軟に運用することを可能にしており、さらに異なる機能を持つ大隊を組み合わせることで戦闘、戦闘支援、戦闘業務支援を行わせることができる。

部隊長の階級

部隊長の任用は部隊を編成する組織・機構により異なるが、軍隊一般および警察部隊・消防部隊では以下のような階級の者が任じられている。

部隊長の階級
序列 軍隊 警察 消防
司令官 大将上級大将 --- ---
軍団長 中将・大将 --- ---
師団長 少将・中将 --- ---
旅団長 准将・少将 --- ---
連隊長 大佐 警視正 消防総監消防監
大隊長 中佐 警視 消防司令長
中隊長 少佐大尉 警部 消防司令
小隊長・区隊長 中尉少尉 警部補 消防司令補
分隊長班長 軍曹 巡査部長 消防士長

参考文献

  • Dupuy, T. N. 1984. The evolution of weapons and warfare. Fairfax, Va.: HERO Books.
  • Foster, H. 1913. Organization: How armies are formed for war. London: Hugh Rees.
  • Phillips, T. R. 1944. Military institutions of the Romans. Harrisburg, Pa.: Stackpole Books.
  • Trompowsky, A. von. Evolution of the infantry devision. Military Review, November-December.
  • 眞邉正行:編著『防衛用語辞典』国書刊行会、2000年。
  • 三省堂編修所:編『』グランドコンサイス和英辞典』三省堂、2002年。
  • 金森國臣:編『英和/和英対訳 最新軍事用語集』日外アソシエーツ、2007年。
  • 高井三郎『現代軍事用語【解説と使い方】』アリアドネ企画、2006年。

脚注

  1. ^ a b 眞邉正行『防衛用語辞典』国書刊行会、2000年。
  2. ^ 自衛隊法 第3章 部隊 第4節 共同の部隊 第21条の2

関連項目


部隊長(ダークアクシズ三人衆)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/16 14:25 UTC 版)

SDガンダムフォースの登場人物」の記事における「部隊長(ダークアクシズ三人衆)」の解説

彼等の頭についている指揮官の証たる角には、部隊ナンバー合わせて黄色い線がついているそれぞれの名前は出展機体頭文字にちなむ。また、部隊長三人を「ブラッディ・ブラザーズ」と呼ぶ案があった。 ザッパーザク 声 - 柳沢栄治 ネオトピア侵攻部隊隊長一人。角の線は一本最初に攻めてきた部隊長でもある。粗暴短気な性格をしており、怒ると所構わずマシンガンぶっ放す癖がある。計画性乏しく、何も考えず破壊行動行っている節があるが、「部下面倒を見ない奴は偉く何ともない」と説くなどザコソルジャーの中では最も親しみのある指揮官のようである。かつてのラクロア滅亡にも関わっている。 侵攻本格的になってからは、グラップラーグフとデストロイヤードムと共にビグ・ザム駆ってブランベース攻略開始するが、コマンダーからは既に見捨てられており、ブランベース陥落同時に捨て駒にされてしまった。侵攻作戦失敗後はS.D.G.捕縛されロボクリニック入れられ改心し清掃奉仕隊員となる。 以降は花とモップ愛す妙な性格変貌していくが、ザコソルジャーたちの健闘によって、荒っぽい性格健在となった。実はこれらのことはジェネラルに対して復讐狙い、そのチャンス窺うための演技であったジェネラルへの復讐果たした直後ダークアクシズ新たなリーダーになろうとするが、天宮武者たちに囲まれ断念その後元気丸の下で天宮統治へと向かい平定後は29機のビグザム率いて、グラップラーグフやデストロイヤードム、そして部下とともに次元パトロール応援就いた漫画版でも侵攻作戦後はロボクリニックによって改心アニメ同様にガンダムサイ搭乗するが、ジェネラルへの復讐絡み描写一切なかった。 当初モチーフになった機体同様、ブラッディザクという名前であったが、アメリカTV局からブラッディ(血)は控えてほしいという要請があり、現在の前に改名された。改名の際、韻を踏んだ前にしようと決定し、他の二人もそれに倣っている。ザク頭文字である「Z」で始まる単語検索しZAPアメコミでよく見られる銃撃擬音)からザッパー(Zapper)と命名された。 外伝において、昔はヒートホークザクという名で、性格真面目で優しかったが、指揮官選出戦の際、対戦相手卑劣な手によって性格豹変してしまったという設定がある。劇中ではザコソルジャーから「ザクさま」(漫画版では「ザッパー様」とも呼称)と呼称されているが、書籍ではザコソルジャーと区別するためか「ザッパー」と呼称されることが多い。 グラップラーグフ 声 - 岩尾万太郎 ネオトピア侵攻部隊指揮官。角の線は二本三人の中で最もクールな頭脳派にして残忍かつ狡猾な性格野心家で、初登場時ザッパーたちをキャプテンもろとも殺害しようとするなどその残忍性が強調されていたが、話が進むに連れて他の2人とあまり大差ないドジ間抜けな一面見せようになった。ザッパーザクとは犬猿の仲。しかし、デストロイヤードムが出てくると、たまに意気投合する後半では性格変わったザッパーザクとデストロイヤードムに振り回された。元気丸のことは、それとなく認めている。コマンダーに見限られた際は、暢気構えていたザッパードム比べてかなり落ち込んでいた(漫画版では全員一緒に落胆していた)。 ザッパーザク同様ラクロア滅亡関与しているだけでなく、彼は他世界ガンダムに関する知識富んでいる。 左腕付け替えることが可能で、カギヅメ通常アームになったりすることが可能。右腕にはヒートロッド仕込まれているが、本編では使われることはなかった。また、その内部には強力なミサイル一発搭載されている。最後はザッパーザクにそそのかされ合体技放ってしまい、ジェネラル止め刺してしまう羽目になった戦後はザッパーザクたちと同様に天宮統治向かった漫画版ではデストロイヤードムやザコソルジャーの面々共々ガンダムサイには搭乗しない。 「グラップラー」は「格闘士」の意であり、デザインはバウンティハンターグフのマイナーチェンジモチーフになっているほか、腰部バーニアトールギスバーニアモチーフとしている。 デストロイヤードム 声 - 松本大 ネオトピア侵攻部隊属す指揮官一人。角の線は三本で、ガンダム史上初の角付きドムである。通称ウェポンマスター」。グラップラーグフいわく、三人の中では一番戦闘力が高い。しかし、逆に三人の中では最も知能低く簡単な計算できないなど)、ザッパーから「奴に作戦行動期待するのが間違いと言われるほど問題起こしていた模様漫画版では本人そのことを気にしており、爆熱丸を「パワーだけの単細胞」と莫迦にした際に放ったザコソルジャーたちの「ドム様と同レベル」の言葉怒っている)。筋金入り武器マニアで、いつも引いて歩いているギャロップにはたくさんの武器搭載されている。逆に武器がないと落ち着かなくなる重度武器依存症また、基本的に鈍重でのんびり屋だが、一旦怒ると周囲無差別攻撃仕掛ける。その性格経緯から他の二人指揮官からは敬遠されており、コマンダーが彼を呼ぶと言った際には「勘弁して欲しい」と懇願していた。脚部にはローラーダッシュが施されてあり、これによる高速移動が可能。胸部開閉可能で、中には拡散ビーム砲内蔵されている。 後半武器全て取り上げられてしまったため、少しでも武器ガーベラマスクでさえ)が手に入る途端に自分世界入り込んでしまうことも少なく無かった基本的に無口だが、武器を見ると饒舌(たまに女言葉混じった)になる他、後半何かにつけては喋っており、武器手に入れてはしゃいだり、元気丸帰還喜んだりしている。「~ドム」と語尾につけるのが口癖。戦う際には「オペレーション○○」と戦闘スタイル合わせて変わる。

※この「部隊長(ダークアクシズ三人衆)」の解説は、「SDガンダムフォースの登場人物」の解説の一部です。
「部隊長(ダークアクシズ三人衆)」を含む「SDガンダムフォースの登場人物」の記事については、「SDガンダムフォースの登場人物」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「部隊・長」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

部隊長

出典:『Wiktionary』 (2021/08/14 12:12 UTC 版)

名詞

部隊 (ぶたいちょう

  1. 部隊の長。

発音(?)



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「部隊・長」の関連用語

部隊・長のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



部隊・長のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの部隊 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、WikipediaのSDガンダムフォースの登場人物 (改訂履歴)、ゼルダ無双 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA) and/or GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblioに掲載されている「Wiktionary日本語版(日本語カテゴリ)」の記事は、Wiktionaryの部隊長 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA)もしくはGNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS