異能使いの組織
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/10/01 15:32 UTC 版)
この世界には、異能使いたちによる多くのコミュニティが存在している。その中でも、主に魔性の抹殺や犯罪異能者の取締に当たる組織を「異能機関」と呼ぶ。 天老院 日本の霊的守護を司る国家的な異能機関。旧名を「天狼院」といい、平安時代の陰陽寮に起源を持つ歴史ある集団である。「御前様」と呼ばれる人物を頂点に日本の多くの異能使いたちを統括していて、仕事を依頼したり物資や情報を提供したりしている。「鴉(からす)」と呼ばれる情報エージェントや戦闘部隊「陰陽局」、独立退魔部隊「カグツチ」を配下に持つ。御前様 天老院の最高指導者たる「宗主」。創設時より「御前様」とのみ呼ばれ、その情報は秘匿されていたが、水の家系の当主・流の造反とオボロへの加担という重大事件を機に、当代の宗主は全世界の異能機関に結束を促すべく、その姿と名を公開した。 当代の宗主は名を「瑞星(みずほ)」といい、外見は15歳の少女だが、「銀の始祖」の力を身に宿す「隔世新祖」であると称している。情報公開後も天老院で異能使いたちの拝謁を受ける時は御簾で姿を隠し、指示は御側役(ルール第一版では間柴瞳子、『第二式』では氷室唯)を通して下す。「古狼」という狼を同伴しているが、『第二式』では氷室唯に預けている。 天武八家 日本の異能使いたちの社会で最も有力な8つの家系。上述の10異能力属性のうち《生命》《精神》を除いた8属性に対応する。各家間では序列(諸事情により変動)が存在する。分家も多く、八家と関係のある家柄の異能使いはそれだけでエリートの証である。天老院の上層部の役職にも八家の者がついていることが多い。天武八家と『第二式』基本ルールブック時点での序列は以下の通り。火神家火の異能力の家系で、戦闘主体の一族。流の造反とオボロの台頭を機にカグツチを組織し、その戦果をもって天老院で最大の発言力を持つ。しかし当主・火神朱人やカグツチの強引な手法に反感を持つ者も多い。 風間家風の異能力の家系で、いわゆる遊撃部隊に相当する。過去に一族から多くの魔人を輩出してしまい不遇をかこっていた。現当主は先代当主の庶子・風間風華。 九輝家光の異能力の家系で、東北地方に封印されている古の魔人を監視している。先代当主の九輝巴が先代御影家当主の御影陣と駆け落ちして勘当されたため、巴の祖父・光宗が当主に復帰していたが、流の謀叛や火神家の台頭を憂慮した御前様の意向により、巴の双子の娘・白亜が光宗の養子となって当主を就いだ。 氷室家氷の異能力の家系で、九輝家の管轄以外の封印を監視する。その任務故に一族には夭逝者が多く、当主の氷室操も病臥しているため、操の妹・唯が当主を継ぐ運びになっていた。しかし唯が「あらゆる封印を破壊する」異能に覚醒し、しかも流の計画に利用されかかったため、御前様の保護下に置かれる事となり、操は病身を押して当主を続けている。 伊綱家雷の異能力の家系で、魔性関連事件の事後処理に当たる。当主は長く空席となっており、一族間で抗争が絶えない。 土方家土の異能力の家系で、伊綱家同様魔性関連事件の事後処理、特に関係者の記憶の抹消や情報隠蔽に当たる。現当主の土方尚也は、御影白亜が九輝家を継ぐまで最年少の天武八家当主であった。 (家名なし)水の異能力の家系で、対外防衛を担当。他の七家と異なり当主は「永遠姫」と呼ばれる不老不死の人形から産み出され、永遠姫が次の当主を産むと死ぬ運命にある。この運命に抗った当代の当主・流は次代当主を次々と抹殺し、実に250年も生き続けてきたが、根本的な解決策として「水の当主はもちろん人間であることすら止め、魔人となる」計画を立てた。折しも氷室唯が結界破壊の異能に覚醒した事を知った流は、唯を利用して魔人の封印を解かせ、魔人と融合しようとした。この計画は天老院によって挫かれたものの、流自身は「自身が当主とならない限り死なない身体」を手に入れた。そしてオボロと結託して天老院への報復を企てつつ、完全なる魔人化を模索している。 御影家影の異能力の家系で、諜報や隠密行動が主体。前当主の御影陣が九輝巴との駆け落ち事件で廃嫡され、当主は陣の母・小夜が復帰しているが、影響力を拡大する火神朱人を牽制するべく動いた御前様の要請で陣は反火神家(実質的には反朱人)の異能者が追いやられていた陰陽局特務課の課長に就任して天老院に復帰。さらに双子の息子・朔也(九輝白亜の弟)が小夜の養子となり、次期当主と目されている。 第23能力開発研究所 異能や魔性について調査している研究機関。異能力を持つ実験体やエージェントを有しており、怪異な事件が起こると調査員として派遣される。 もとは天狼院の一部署であったが、幕末から明治維新にかけての機構改革により独立した。表向きは製薬会社や病院を装っている。「第23」という名数は、天狼院時代の組織名「天狼院幻枢局第二十三番能力開発組」に由来する。 六道学園 異能使いを養成するために作られた学園。幼稚園から大学院まである巨大な学校であり、素質のある者には特別なカリキュラムが設けられて、異能使いとしての訓練を受けさせている。生徒や職員の全てが異能使いであるわけではなく、中には異能機関の関係者や異能力に関係した事件に巻き込まれて記憶を消されなかった者などもいる。 対魔性組織「特別風紀委員会」、異能力関連のアイテムを管理する「特別管理委員会」、魔道書などの管理を行う「特別図書委員会」といった学園内組織が存在する。 夜族 吸血鬼や人狼などの伝説上の存在。彼らは時代がすすむにつれ人間社会の発展におされてその姿を人前から消し、夜闇の世界に隠れ住む者となってしまった。彼らは人よりも魔性に近い存在であり、古来から人に恐れられてきたが、必ずしも全ての夜族が魔性であるわけではない。 彼らは皆生まれついての異能使いである。中には人間社会に溶け込み、魔性と戦うために人間たちと協力するものもいる。 妖怪 人々が語る噂や伝承から生まれ出た怪異。魔性や異能のことを知らない無知な人間たちは古来より、自分たちには理解できない奇怪で異常な現象を象徴する超自然的存在を勝手に作り出していた。そのような、存在しないはずの怪物たちが、語り継がれることにより本当に誕生してしまったのが妖怪である。 同族たちの社会や歴史をもたず、ある日に突然として無から生まれ出る「存在するはずのない」存在である妖怪たちは、異能や魔性が闊歩するこの世界でさえ不可解な者たちである。 ワールドリンク 特定の組織やコミュニティに属していないフリーランスの異能使いたちが、仕事を効率よく行うために作り出した互助ネットワークの通称。組織というほど堅苦しいものでなく、異能使い同士が情報交換を行うための場のようなものである。御影陣はワールドリンクの日本支部長を務めており、彼が天老院に復帰したことで、ワールドリンクと天老院の関係はより強化された。
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