烏丸家とは? わかりやすく解説

烏丸家

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/18 09:56 UTC 版)

烏丸家
鶴丸 つるのまる
本姓 藤原北家日野流
家祖 烏丸豊光
種別 公家名家
華族伯爵
出身地 山城国平安京
主な根拠地 山城国平安京
東京市大森区田園調布
東京都世田谷区下馬
著名な人物 烏丸資任
烏丸光広
烏丸光徳
南部光臣
支流、分家 勘解由小路家(名家・子爵)
裏松家(名家・子爵)
六角氏武家・士族)
凡例 / Category:日本の氏族

烏丸家(からすまるけ)は、藤原北家日野氏流公家華族である。公家としての家格名家華族としての家格は伯爵[1]

歴史

室町時代権大納言裏松資康の三男・贈内大臣豊光を祖とする[2]。家名は邸宅が京都の烏丸にあったことに由来する[3]

公家としての家格は名家旧家内々[4]。代々歌道の家として朝廷に仕えた[3]。代々優れた歌人を出したが、特に江戸時代初期の光広は、細川幽斎門下の歌人として後陽成天皇後水尾天皇の二代に仕えて宮廷文化の中の重きをなした[3]

江戸時代の所領の表高ははじめ1500石、後に954石[4][5][注釈 1]。江戸時代の家臣に雑掌として大沢家、牧家[4]。菩提寺は常盤法雲院[4]

幕末明治維新期の当主光徳尊皇攘夷派の公卿として活躍。戊辰戦争でも軍功を挙げ、賞典禄50石を下賜される[6]。明治維新後は新政府で参与、初代東京府知事等を務めた。

明治2年(1869年)6月17日の行政官達で公家と大名家が統合されて華族制度が誕生すると烏丸家も公家として華族に列した[7][8]。旧禄高に替えて支給された家禄は、現米で457石3斗[9][10][注釈 2]。明治9年8月5日の金禄公債証書発行条例に基づき家禄と賞典禄との引き換えで支給された金禄公債の額は2万570円94銭8厘(華族受給者中225位)[12][13]。当時の当主光享(光徳の二男)の住居は東京市麹町区富士見町にあった[9]。当時の家扶は川瀬則義、乙牧正次[9]

明治17年(1884年)7月7日の華族令の施行で華族が五爵制になると大納言宣任の例多き旧堂上家[注釈 3]として光亨が伯爵位を授けられた[1]

光徳の三男・光臣は、大審院長を務めた南部甕男の養子となり男爵[15]内務官僚となり群馬県知事貴族院議員、宮中顧問官等を務めた[15]

3代伯爵である烏丸光大は掌典[16]を務め、昭和前期の烏丸伯爵家の邸宅は東京市大森区田園調布にあった[2]

系譜

実線は実子、点線(縦)は養子。
裏松資康
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
裏松重光 烏丸豊光1
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
義資 重子 資任2
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
重政 益光 季光 冬光3
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
勝光 富子 資蔭 光康4
 
 
 
 
 
冬光 光宣5
 
 
 
光広6
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
光賢7 勘解由小路資忠
勘解由小路家
六角広賢
高家六角氏
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
資慶8 裏松資清
裏松家
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
光雄9 桜野順光
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
宣定10 勘解由小路韶光
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
光栄 11 中御門宣誠
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
尹光 光胤12 日野資枝 勘解由小路資望 裏松光世 光胤12
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
光家 光祖13 町資補 外山光実
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
資董14 光訓 補子 補子
 
 
 
光政15[注釈 4]
 
 
 
光徳16
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
光亨17 南部光臣 桜野光正
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
光大18 光孚 七条光明
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
光喬19 光照
 
 
 
光信

脚注

注釈

  1. ^ 国立歴史民俗博物館の『旧高旧領取調帳データベース』によると、幕末期の烏丸家領は山城国葛野郡上嵯峨村のうち31石4斗6升9合5勺、山城国葛野郡天竜寺門前のうち5石4斗5升3合、山城国葛野郡池裏村のうち46石4斗8升9合5勺、山城国葛野郡高田村のうち74石5升4合、山城国乙訓郡久我村のうち130石、山城国紀伊郡吉祥院村のうち18石、摂津国島上郡上牧村のうち335石1斗6升5合、摂津国島上郡井尻村114石1斗2升3合、摂津国島上郡萩庄村168石2斗3升9合、摂津国島上郡鵜殿村のうち32石7斗6升7合であり、合計10村・955石7斗6升である。
  2. ^ 明治3年12月10日に定められた堂上華族の家禄の計算方法は、本禄米に分賜米・方料米・救助米・臨時給与を合算して現高を出し、現米と草高の比率である四ッ物成で計算して草高を算出し、その二割五分を家禄とするものである[11]
  3. ^ 烏丸家の大納言直任(中納言からそのまま大納言になることを直任といい、中納言を一度辞してから大納言になるより格上の扱いと見なされていた)の回数は7回なので叙爵内規の伯爵の基準である「大納言まで宣任の例多き旧堂上」に該当[14]
  4. ^ 勘解由小路資善の子。

出典

参考文献

外部リンク


烏丸家

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うちの執事が言うことには」の記事における「烏丸家」の解説

烏丸花穎(からすま かえい) 主人公。烏丸家第27当主イギリス大学大学院在籍していたが家督を継ぐため帰国色彩感知能力が高すぎるため、普段は色のついた眼鏡着けている。幼い頃はその色彩感知能力原因友人たちにいじめられ家族除いた周囲にも疎ましがられていた。母親亡くしているため、母親代わりとして敬愛している。極度世間知らずで、カップ麺のことも知らなかった。実は衣更月にはかつて酔っ払いから絡まれていたところを救われたことがあるが、本人はあまり覚えていない。 衣更月蒼馬きさらぎ そうま) 烏丸家の執事学生時代酒に酔った社会人名前の表記無し)から暴力振るわれた際にから助けられたことから心酔している。実はその社会人が花穎に嫌がらせをしていたのを目撃しており、その様を「悪趣味だと言いながら止めようとしていたが、本人はあまり覚えていない。また、両親かわりに祖父母が彼を育てたため、祖父母唯一信頼できる面々だった。 雪倉叶絵(ゆきくら かなえ) 烏丸家のハウスキーパー料理人家庭的な女性雪倉峻(ゆきくら しゅん) 叶絵の息子。烏丸家の使用人頭兼従者おっちょこちょいだ何事も一生懸命烏丸真一郎(からすま しんいちろう) 花穎の父。烏丸家第26当主当主引退後世界中旅行している。いい加減だが息子想い。実は怒ると人一倍怖い。 おおとり真一郎が引退した際に執事から家令昇格真一郎の旅に同行し仕えている。温厚な性格人物烏丸琳(からすま りん) 花穎の母。物語開始時点で既に故人旧称は七束。 桐山(きりやま) 烏丸家の庭師体格良い中年男性。 駒地良介(こまじ りょうすけ) 烏丸家の運転手

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