水先案内店
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「アクア (ARIA)」の記事における「水先案内店」の解説
水先案内店という業種が誕生したのは起源店(「オリジン」と呼ばれる)である姫屋の創業時期から見て2180年前後と思われる。初期の頃は約30人しかウンディーネがいなかったが、ネオ・ヴェネツィアが観光都市として人気が出てくるにつれて業界も発展し、物語の時点で約300人のウンディーネがいる。なお、初め3社あったオリジンで現在も営業を続けているのは姫屋のみである。 ウンディーネは全て会社組織に所属し、個人営業は行われていない。たとえ所属ウンディーネが1名であっても、必ず会社組織になっている。全ての会社には“社長”と呼ばれる、青い眼をした猫がいるが、もちろんこれはお飾りで、(理由は各種用語の“アクアマリンの瞳”を参照のこと)実質的な経営は人間が行っている。 水先案内店は姫屋(創業2180年)、MAGA(創業2261年頃)、ARIAカンパニー(創業2281年)、オレンジぷらねっと(創業2291年)、奇想館、エンプレス、天神遊船、スクロッコ(4社とも創業年不明)などがある。そのうち姫屋とオレンジぷらねっとは、双方合わせてウンディーネ全体の約半分を占める大店である。なおA.D.2240年代のいわゆる“ロッソの時代”に姫屋と鎬を削り敗れたバーミリオンは現存しているのか否かは不明である。 ARIAカンパニー 創設:2281年 創設者:天地秋乃(グランドマザー) 現在の社長:アリア 従業員数:2名 保有舟数:3艇 所在地:ネオ・スキアヴォーニ河岸4914(現在のヴェネツィアにあるRiva degli SchiavoniにNeoをつけたもの。以下各店の所在地について同じ) グランドマザーこと天地秋乃が2281年に開業。MAGA以来20年ぶりの新規参入、姫屋のトッププリマであった秋乃が独立したという経緯から、当初から話題性を伴っての開業であった。 開業時、従業員は秋乃1人だったため、現役のウンディーネでありながら経営者を兼任するという業界初の運営形態を取っていた。創業時から小規模主義を守っており、2301年現在でも従業員はアリシア・フローレンスと水無灯里の2名のみ。その為アリシアと灯里には共に同期入社の同僚はいない。ただし、オールのナンバーは7番まであり、アニメ版『ARIA The ANIMATION』第8話オープニングでも8本のオールを干して手入れしている描写があるので、アリシアが入社する以前にも数名のウンディーネがいたとみられる。また『ARIA』第41話のアリシアのセリフから、彼女がシングルだった頃には最低でも1人、作中未登場のウンディーネがいたことが確認されている。 灯里が入社するまで(社員がアリシアのみの時)4年連続で社員1人あたりの平均売上高1位を誇っていた。 建物の構成は1階が店舗、2階が事務所兼客間、3階(屋根裏部屋)が従業員用の個室となっている。この個室は代々新米ウンディーネに譲り渡されてゆくのがARIAカンパニーの慣わしである。 水の3大妖精と謳われたアリシアの引退後はさすがにアリシア在籍時の集客は望むべくもないが、幸いに常連客の減少はほとんどなく、また灯里の人脈作りのうまさもあって、他方より灯里を紹介される客もあり経営は安定している。 ARIAカンパニーの制服のデザインは創業者であるグランマの常連客で交流のあった人気デザイナー、アーシア・クラウディアが彼女のARIAカンパニーの設立を祝してデザインしたものである。 姫屋 創設:2180年 創設者:アーサー・C・グランチェスタ 現在の社長:ヒメ 従業員数:80名 保有舟数:100艇 所在地:ネオ・スキアヴォーニ河岸8113 マンホームの香港で栄華を誇っていたイギリスの名門グランチェスタ家のアーサー・C・グランチェスタが、アクアの第1世代として入植し、サン・マルコ広場に程近い場所にオフィスを構えたのが始まり。アクアでウンディーネという職業が誕生して以来、100年以上業界の盟主として君臨する老舗。グランチェスタ家の同族企業であり、藍華・S・グランチェスタは現経営者アンドリュー・C・グランチェスタの実娘である。 創業当初は社員10名ほどであったが、その後ネオ・ヴェネツィアの人気が高まるにつれ大きく発展。ネオ・ヴェネツィアの水先案内業界の歴史とともに歩んできた会社のため、いままで数々の歴史に名を残すようなウンディーネも輩出している。特に大きな貢献をした者を独自に顕彰し、更に敬意を表して使用していたオールのナンバーを永久欠番としている。現在永久欠番となっているのは、時代の古い順にアガサ・ファンジオ(No.5)、アンナ・S・D・シルバ(No.12)、天地秋乃(No.1、独立しARIAカンパニーを創業)、明日香・R・バッジオ(No.2、現水先案内人ミュージアム館長)の4人となっている。 A.C.0076年夏、サンタ・ルチア駅に近いカンナレージョ地区に支店を開店。藍華が跡取り修行を兼ねて支店長兼プリマ・ウンディーネとして就任することになった。 高級ホテル「ダニエリ」を改装した現在の社屋に移ったのは2201年のこと。ウンディーネ各々に個室が割り振られており、個室にはキッチンが設けられているため、食事は各自で自炊するのが基本だと思われる。 『月刊ウンディーネ』第4巻(A.C.0076年14月号)の『新プリマ応援企画VOL.1』によると、姫屋はA.C.0076 (マンホーム暦(A.D.)2303〜2304)年度上半期プリマ昇格者全27名中、最多の9名を昇格させている。 オレンジぷらねっと 創設:2291年 創設者:アマデウス財団 現在の社長:まぁ 従業員数:81名 保有舟数:120艇 所在地:ネオ・フラーリ広場0111 創業したのは2291年という新鋭店。巨大複合企業体・アマデウス財団傘下の中堅案内店2社が合併する形で発足した。屋号が示すように、かつての火星を象徴する色であるオレンジ色をイメージカラーとして採用しているが、100年以上に及ぶ水先案内店の歴史の中で、制服にオレンジ色を用いたのはここが初めてである。 創立時よりアレサ・カニンガム、明海・S・ジョーンズの2巨頭を頂点にペア、シングル、プリマを合わせて60人のウンディーネ(内プリマが20人)を擁し、創業初年度より業界売上2位を記録。創業5周年(2296年)を迎えた頃には従業員数・業績とも顕著な伸びを見せた。年々売り上げを伸ばし、3年前には会社の総売上が姫屋のそれを越えて、現在はアクアの水先案内業界のトップに躍り出ている。その理由としては格安プランの存在と星間通信(ユニバーサルネット)での24時間予約受付が挙げられている。 人材開拓にも積極的であり、スカウティング採用の取り入れ(アリス・キャロルはこれによって入社した)やウンディーネ養成学校(アテナ・グローリィは同校の出身)の運営も行っている。さらには現役引退したプリマ・ウンディーネを指導員の資格で再雇用しシングル・ペアの指導に当たらせ、指導ウンディーネとしてのプリマの負担を軽減し、その分を営業活動に当てるという形態を他の水先案内店に先駆けて採っている。中でも、現役引退後ウンディーネ管理部長に就いたアレサにより発案された「トリアンゴーレ方式」(シングルが漕ぐ舟にプリマ1人、指導員1人が添乗して計3人で営業兼実習を行う)は、繁忙期には営業、実習の両面で大いに威力を発揮している。 社屋は15世紀の中世ヨーロッパに実在した古城をモデルとした、巨大かつ重厚な石造りの建物であり、正面玄関にまで水路が引かれた造りとなっている。ウンディーネには相部屋が割り振られ2人1組で生活しており、食堂や浴場などの設備が充実している。なお、表向きは一般人の立ち入りは禁止されているが、ウンディーネ各々が裏口からこっそり招き入れている。また寮長に話をつけるだけで寮への部外者宿泊が可能(『ARIA』第33話)なため、半ばこの規律は守られていない。 オレンジぷらねっとの名前が原作に初登場した時点(『ARIA』第11話)は別の猫が社長を務めていたが、アリスがまぁを見つける前の月に亡くなった。そのため、現社長はまぁが務めている。 『月刊ウンディーネ』第4巻の『新プリマ応援企画VOL.1』によると、オレンジ・ぷらねっとはA.C.0076 (マンホーム暦(A.D.)2303〜2304年)度上半期プリマ昇格者全27名中、姫屋と並ぶ最多の9名を昇格させている(昇格者数は以下エンプレス、奇想館、MAGA、その他の順になっている)。
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