桂枝雀 (2代目)とは? わかりやすく解説

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桂枝雀 (2代目)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/26 18:01 UTC 版)

二代目 桂 枝雀(かつら しじゃく、1939年昭和14年〉8月13日 - 1999年平成11年〉4月19日)は、兵庫県神戸市生まれの落語家出囃子は『昼まま』。本名:前田 達(まえだ とおる)。


注釈

  1. ^ 入学は「兵庫県川辺郡神津国民学校」で、1947年3月に「伊丹市立神津国民学校」同4月に「伊丹市立神津小学校」と改称された[5]
  2. ^ 当時の伊丹市立高等学校は全日制と定時制の併設だった。その後、1967年に全日制課程が伊丹市立伊丹高等学校に改称し、定時制のみの高校となったが、2015年3月限りで閉校(兵庫県立阪神昆陽高等学校に統合)となった。
  3. ^ 上田と戸田では、矢野の文章の引用内容に一部相違がある。ここでは上田による引用を記した。
  4. ^ アナウンサーだった桂音也がべかこより先に指導を受けていたが住み込み弟子ではなかった。また桂南光の回想では、小米の家に通い出した時には桂圭司という内弟子が先にいたものの、1969年秋頃に噺家を断念して僧職に転じたという[24]
  5. ^ 初代春団治と関わった経験のある吉本興業会長の林正之助は、1990年に枝雀の高座をなんばグランド花月で観覧した際「面白い。春団治によう似てる」と述べた[36]
  6. ^ 米朝一門で『十八番』の連続独演会を開いたのは長らく米朝と枝雀のみ(ともに2回)であったが[38]、2019年5月に桂吉弥が『吉弥十八番』をサンケイホールの後身に当たるサンケイホールブリーゼで開催した[39]
  7. ^ 『十三夜』と呼ばれる落語の口演は、通算13日間演じる形で、2代目桂春団治が1951年に朝日放送ラジオ向けに初めておこない、6代目笑福亭松鶴も二度(1979年と1984年)おこなった前例があった[54]
  8. ^ 彼による初期の文書化は、サンケイホールでの独演会第三回(1978年)のプログラム上でなされている。「楽しいということは緊張と緩和の適度な共存であります。・・・緊張が勝てば「しんどいなァ」となりますし、緩和が勝てば「くだらんなァ」となるのであります。・・・実際には緊張の少し勝ったものを良しとするお人と、緩和の少し勝ったものを良しとするお人がございますので、その塩梅(あんばい)がまことに難しいのでございます。」[62]
  9. ^ 本作は枝雀の大師匠に当たる4代目桂米團治による新作落語である[66]。しかし師匠の米朝は、3代目桂春団治が「春団治」を襲名する直前、ネタの伝授を求める春団治の意気を買って本作を伝え、「自分はしばらく演じない」とした経緯があった[67]
  10. ^ 廓、op.cit.「私は元来、緊張の勝った落語家でございましたが、枝雀襲名を機にこれではいかぬ、少し緩和を増やさねばと思い立ち、具体的には落語をわざと漫画化するということを試みたのであります。」[69]。また桂米朝は「・・・強情なとこもあるんですわ。なんべんいうてやっても得心せなやらん(得心しないとしない(加筆者、以下同様))。枝雀になってからは声の振幅が極端に大きく、低声がきこえんので、低声でしゃべっているようにいえ(言え)といっても直さんと(直さずに)、二年もたってから得心したのか工夫しだしました。テレビの場合は高座の時と変えろというてるんですが、もうひとつ納得してないようですなあ。テレビはすぐアップにするから表情やしぐさのオーバー度が倍加されますからなあ。・・・。」とする[70]
  11. ^ 『桂枝雀爆笑コレクション 3』(ちくま文庫、2006年)のp.131にその姿を捉えた写真が掲載されている。
  12. ^ 1983年11月からの「新・なにわの源蔵事件帳」では主人公が芦屋雁之助へ変更となった

出典

  1. ^ “枝雀さん長男・桂りょうば 一門最速1年で独り立ち”. スポニチアネックス. (2016年8月16日). https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2016/08/16/kiji/K20160816013176450.html 2016年8月17日閲覧。 
  2. ^ a b c 上田、2003年、pp.26 - 30
  3. ^ a b 古川嘉一郎『少年の日を越えて-「漫才教室」の卒業生たち-』大阪書籍、1986年、21頁
  4. ^ 本の広場 - 『広報ゆりはま』2006年2月号、湯梨浜町
  5. ^ 伊丹市立神津小学校
  6. ^ a b c 上田、2003年、pp.34 - 37
  7. ^ a b 上田、2003年、pp.38 - 40
  8. ^ a b 上田、2003年、pp.41 - 42
  9. ^ a b 上田、2003年、pp.44 - 45
  10. ^ a b c d 上田、2003年、pp.47 - 50
  11. ^ a b c 上田、2003年、pp.51 - 52
  12. ^ 戸田、2013年、p.50
  13. ^ a b c 上田、2003年、pp.53 - 55
  14. ^ 上田、2003年、pp.55 - 57
  15. ^ a b c d e 上田、2003年、pp.59 - 63
  16. ^ 上田、2003年、p.224
  17. ^ a b c d e f 上田、2003年、pp.64 - 66
  18. ^ a b 戸田、2014年、pp.254 - 257
  19. ^ a b 戸田、2014年、pp.331 - 333
  20. ^ 上田、2003年、p.20
  21. ^ a b c d 小佐田定雄「小米落語と枝雀落語」上田、2003年、pp.192 - 198
  22. ^ a b c 上田、2003年、pp.66 - 68
  23. ^ 上田、2003年、p.200
  24. ^ a b 小佐田(編)、2013年、pp.75-84
  25. ^ 上田、2003年、pp.79 - 82
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  27. ^ a b c d e 上田、2003年、pp.72 - 74
  28. ^ a b c 上田、2003年、pp.77 - 78
  29. ^ a b 上田、2003年、pp.83 - 84
  30. ^ a b c d e f 上田、2003年、pp.84 - 88
  31. ^ a b c d e f 上田、2003年、pp.88 - 91
  32. ^ 上田、2003年、p.225
  33. ^ a b 戸田、2014年、pp.392 - 393
  34. ^ a b c 上田、2003年、pp.92 - 93
  35. ^ a b c 戸田、2013年、p.52
  36. ^ 戸田、2013年、p.66
  37. ^ a b 上田、2003年、p.94
  38. ^ 上田、2003年、p.99
  39. ^ “桂吉弥が衝撃の演出 6日間連続独演会「吉弥十八番」”. 朝日新聞. (2019年5月30日). https://www.asahi.com/articles/ASM5V5JK1M5VPTFC00J.html 2019年6月18日閲覧。 
  40. ^ 戸田、2013年、p.71
  41. ^ a b 上田、2003年、p.226
  42. ^ a b c d e 上田、2003年、pp.95 - 98
  43. ^ 上田、2003年、p.227
  44. ^ a b c d e 上田、2003年、pp.121 - 125
  45. ^ a b 戸田、2014年、pp.473 - 476
  46. ^ a b c 上田、2003年、pp.127 - 128
  47. ^ a b c d 戸田、2014年、pp.472 - 476
  48. ^ a b 戸田、2014年、pp.488 - 489
  49. ^ a b c d e f g 上田、2003年、pp.149 - 152
  50. ^ a b c d “天才落語家 桂枝雀がうつ病で自殺の衝撃”. 日刊ゲンダイ. (2013年4月26日). https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geinox/142188 2019年7月3日閲覧。 
  51. ^ 君は『桂枝雀』を知っているか!??伝説の天才落語家の真実? - gooテレビ番組(BS朝日2014年2月8日放送の内容紹介)2019年7月3日閲覧
  52. ^ a b 「落語家・桂枝雀が高座復帰 元気回復宣言 京都と大阪で独演会」『読売新聞大阪版夕刊』、1997年10月3日、10面。
  53. ^ 「桂枝雀さん(落語家)死去 落語会の異才、TVでも人気 自殺未遂から37日」『読売新聞』、1999年4月20日、35面。
  54. ^ a b c d e 戸田、2013年、pp.71 - 74
  55. ^ 上田、2003年、p.160
  56. ^ 「桂枝雀さん(本名・前田達=落語家)死去 英語落語など異彩放つ 59歳」『読売新聞大阪版』、1999年4月20日、35面。
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  58. ^ 上田、2003年、pp.155 - 156
  59. ^ 「落語家・桂枝雀さんの追悼番組 あす24日、朝日放送ラジオ」『読売新聞大阪版夕刊』、1999年4月23日、12面。
  60. ^ 「桂枝雀さん追悼落語会 大阪、兵庫・尼崎で開く」『読売新聞大阪版夕刊』、1999年8月13日、8面。
  61. ^ 二代目 桂枝雀 - 大阪府立上方演芸資料館
  62. ^ 廓、1981年、pp.135 - 138
  63. ^ 上田、2003年、p.137
  64. ^ a b c 小佐田、2013年、pp.8 - 15
  65. ^ 廓、1981年、p.141
  66. ^ 豊田善敬「四世桂米團治年譜」桂米朝(編)『四世 桂米團治 寄席随筆』岩波書店、2007年、pp.346 - 347
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  72. ^ NHKアーカイブス保存番組詳細 かんさい特集 ふるさとから、あなたへ 「苦節を笑いに変えて~桂米朝一門 60年の軌跡~」”. NHK. 2013年8月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年6月15日閲覧。
  73. ^ 放送室」2009年3月7日放送より
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  75. ^ 三遊亭圓楽『圓楽芸談しゃれ噺』白夜書房、2006年7月、208頁。ISBN 4861911877 
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  79. ^ 「『花へんろ』第4部は難産 NHKの名作ドラマ 9年ぶり制作 5-6月6回放送」『読売新聞夕刊』、1997年4月8日、7面。
  80. ^ 上田、2003年、p.157
  81. ^ 上田、2003年、p.139
  82. ^ 戸田、2013年、p.41、67
  83. ^ a b 上田、2003年、pp.170 - 172
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  85. ^ BS朝日『君は桂枝雀を知っているか』(2013年)
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  87. ^ a b c d e f g 上田、2003年、pp.114 - 118
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  89. ^ a b 小佐田、2013年、p.78
  90. ^ 小佐田(編)、2013年、pp.101-102
  91. ^ 第53回 たかおみゆき - 毎日放送(吉本新喜劇座員紹介)
  92. ^ 井澤壽治『上方大入袋 名人の心と芸』1988年、東方出版 pp.178-181
  93. ^ 桂枝雀さん長男・桂りょうばが初高座 スポーツ報知、2016年1月7日
  94. ^ 「諸口あきらのイブニングレーダー」内の記述
  95. ^ 大阪府立文化情報センター編『「プガジャ」の時代』ブレーンセンター<新なにわ塾叢書>、2008年6月、ISBN 978-4-8339-0701-9。151頁に、フリーライターで音楽ジャンルを中心に、インタヴュー、ルポ、エッセイなど寄稿者として活躍、とされる。


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