戦時設計
戦時形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 04:14 UTC 版)
「国鉄D51形蒸気機関車」の記事における「戦時形」の解説
D51 1001 - 1161 先台車:LT128、従台車:LT157、テンダー:10-20、手動(ねじ式)逆転機 昭和19年度発注グループ(1944年から1945年にかけて竣工)は、上述の標準形後期やD52形と同様にランボードやデフレクターなどに木材などの代用材を多用、煙室前部上方と煙室扉上部の丸みの省略、ドームのカマボコ形化、といった簡素化に加え、台枠を省略した船底形炭水車に変更するなど、より一層の資材節約と工期短縮を図った戦時設計とし、また前述のとおり缶圧と動輪上重量の増大が行われて牽引重量増が図られた。このため新形式としてもよいところ、途中欠番を置いて1001から付番した。しかし、粗悪な代用材料を使用し、本来はリベット2列が基本だったボイラーなどの重要接合部をリベット1列に簡略化、さらに溶接不良が少なからずあったことが原因で1140号機がボイラー爆発事故を起こし、乗務員には「爆弾を抱えて運転する気分」などと酷評された。戦後、これらの車両は、代用材使用部品の正規部品への交換、X線検査で状態不良と判定されたボイラーの新製交換などにより性能の標準化が行われたが、性能面に影響のなかった部位はそのまま存置され、カマボコ形ドームや炭水車の形状などに特徴が残った(なお、きわめて少数ではあるが、戦後の改装時に、炭水車を船底形から標準型と同じものに振り替えた例もある)。ごく一部の機体は、煙室前面と煙室扉上部の欠き取りもそのまま残されていた。
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