使用部品
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 07:37 UTC 版)
ピギーバック衛星の特徴の1つは、衛星に使用されている部品が従来の宇宙用のものと異なる点である。従来の宇宙機用部品は、温度変化や真空、放射線に耐えるだけの性能と品質、信頼性が求められ、宇宙空間での使用を前提に製造され試験と選別を経た物だけが使用されている。これらの部品では、ごく僅かな出荷数量に対して特別な製造と特殊な試験、品質管理を求められる事による高価格となって現れ、同等の民生用部品に比べて数千倍から数万倍もの価格差となることもある。また、デジタル回路のような技術向上が早い電子部品では、高性能品が登場するたびに時間とコストの掛かる試験を繰り返すようなことはあまり行なわれずに、宇宙機用の電子装置は民生用に比べて2-3世代遅れた低性能なまま使い続けられることが多い。 ピギーバック衛星では部品に民生品を試験/評価して使用することで価格の低廉化と同時に最新の電子部品による高性能、軽量小型、低消費電力を実現出来る。また、従来型の大型衛星に比べると、宇宙空間で装置が動作せずに失敗する可能性の許容度が大きく、むしろ、衛星の価格を抑えることで失敗時のリスクを最小化しながら、必要ならば数多くを宇宙に投入することで信頼性の不備をカバーすることを選んでいるともいえる。
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