統制型一〇〇式発動機
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統制型一〇〇式発動機(とうせいがた100しきはつどうき)とは、大日本帝国陸軍が主導して第二次世界大戦時に開発した車両用の規格型ディーゼルエンジンの一種である。
- ^ 1937年(昭和12年)に東京自動車工業、1941年(昭和16年)にヂーゼル自動車工業に改称。後のいすゞ自動車、日野重工業の前身。
- ^ a b 出典:「機械化兵器開発史」p.90、「機甲入門」p.520-523、「日本の自動車ディーゼルエンジンの基礎を築いた設計者」p79、「統制発動機主要諸元表」Ref:C15010492700.
- ^ 『空冷ディーゼル・エンジン』 p.335
- ^ 原乙未生は自著『機械化兵器開発史』90頁にて、「4式V12エンジン(原文表記による)」を過給器無しで400 HP、過給器を付けた試製エンジンを500 HPとしている。戦後、アメリカ海軍によって行われた日本の軍用ディーゼルエンジン調査報告書(US Naval Technical Mission to Japan - Japanese Navy Diesel Engines - INDEX No. S-42 - December 1945, p34)によれば、四式中戦車の四式ディーゼルエンジン(400 HP)の項目にて、過給器のブースト圧が320 mmHg(ミリマーキュリー)の場合、500 HPを発揮したとの記載がある。この500 HPエンジンは、五式中戦車チリII型などに搭載するために試作された過給器付きの四式ディーゼルエンジンの可能性がある。また、同資料ではアメリカ陸軍が追試験のため本国に四式ディーゼルエンジンを輸送したと記載されているが、その後の消息は不明である。
- ^ 『空冷ディーゼル・エンジン』 p.29
- ^ 当時の厳しい燃料供給事情に際して、石油系の低質燃料は無論として、原料が石油以外の魚油・獣油・植物油などの有機系代替燃料の使用にも堪える。戦後、作りかけの未精製松根油が各地に残っていたが、粗悪なごみだらけの油ですら統制型エンジンは動いてしまったという。
- ^ 「日本の自動車ディーゼルエンジンの基礎を築いた設計者」p82-83
- ^ 「機甲入門」p.521
- ^ 排気が完全無色だったこともあったという。
- ^ 「日本の自動車ディーゼルエンジンの基礎を築いた設計者」p67、p74
- ^ 「日本の自動車ディーゼルエンジンの基礎を築いた設計者」p67。『空冷ディーゼル・エンジン』p.335によれば四式(三菱AL)の場合、最低燃料消費率198 g/PShとなっている。
- ^ 坂上茂樹「デコンプとその使用法について 陸軍統制系車両用高速ディーゼルにおける始動・停止補助装置」『経済学雑誌 117巻 4号』
- ^ もっとも当時のソ連の代表的戦車であるT-34に搭載されたV-2型エンジンは排気量38,800 ccであり、同じくV型12気筒の構成をとる統制型一〇〇式エンジンの21,700 ccとは排気量からして大きくクラスが異なる。
- ^ ディーゼル機関は自己着火方式のため点火用の電装系が不要である。
- ^ 「機甲入門」p.512
- ^ 改良型は1982年(昭和57年)まで使用された。DA40 ディーゼルエンジン
- 1 統制型一〇〇式発動機とは
- 2 統制型一〇〇式発動機の概要
- 3 概要
- 4 共通仕様
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