戦時設計の例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/08 06:17 UTC 版)
大日本帝国 日本軍 陸海軍共にあらゆる装備品に致命的な品質低下が露呈し始めるのは概ね昭和19年末以降である。 九九式短小銃 1944年末以降。特に海軍が製造したレシーバーすらも鋳鉄とする「(特)」型は粗悪品として悪名高い。 九四式拳銃 1944年末以降のものは安全装置や逆鈎の剛性不足で、安全装置を掛けていても引金を強く引くと暴発するものが存在する。 国民簡易小銃 いわゆる火縄銃である。 四式陶製手榴弾 ハ40 (エンジン) 海軍のアツタエンジン共にダイムラー・ベンツ DB 601のライセンス生産品であるが、使用資材からニッケルを削減した事により、部品破損が多発し稼働率の低下を招いた。 軍刀 昭和18年制式の三式軍刀拵と同時期に製造された工業刀身は、日本刀の美観を一切廃した簡略化が行われている。そのため、今日の刀剣愛好家からは「昭和刀」と酷評される事も多い。一方で、見た目に反して実際は数々の戦訓を元に実戦に必要な強度の強化が施されている。 軍服 (大日本帝国陸軍) 昭和18年制式のうち、昭和19年及び20年特例に準ずるもの。国民服を代用としたり、その素材もクワ(繊維)やサメ(皮革)、竹(ヘルメット)や紙(帽子)などの極度の簡略化が行われた。 松型駆逐艦 第一号型輸送艦 丙型海防艦 丁型海防艦 戦時標準船 アツタ (エンジン) 軍服 (大日本帝国海軍) 昭和18年制式の第3種軍装は元々は海軍陸戦隊の陸戦服が発祥であるが、組織的な艦隊行動がほぼ行えなくなり陸上勤務が主体となった昭和19年末以降は将兵全てが常時着用する物ともされた。 軍事以外 臨時補助貨幣 硬貨自体が平時における軍需資源備蓄の効力を有する為、これを市井から回収する目的で中央銀行により発行される。大日本帝国では黄銅、アルミニウム、錫、陶器(未発行)の順に置換え発行が進められた。国によっては全てを紙幣に置き換える場合もある。 統制型一〇〇式発動機 竹筋コンクリート戦前より技術開発や施工指針作りが行われていた為、一概に戦時設計の産物とは言い切れない面もある。 黒電話 逓信省制式の3号電話機の中に筐体のみを木製としたものが存在した。 防衛食容器 缶詰が金属製ではなく、陶磁器で作られた缶詰のようなもの。使用時に割り、缶詰同様使い捨てである。日用品の皿なども「軍用食器」として統一規格と流通が一元化された。弁当箱も陶磁器で製造された。 ガスコンロ 当時標準的なガスコンロは鋳物製であったが、これを陶製としたものが製作された。当該項を参照。 戦時標準船 国鉄(鉄道省→運輸通信省→運輸省) 国鉄D51形蒸気機関車 国鉄D52形蒸気機関車 国鉄B20形蒸気機関車 国鉄EF13形電気機関車 国鉄63系電車 国鉄ワム50000形貨車 国鉄トキ900形貨車 船底形炭水車 電柱 木製電柱が中心の時代であったが、資材不足のため東海道本線の電化区間ですら電柱に防腐剤を塗る工程が省略された。 W型戦時標準船(第五青函丸ほか) H型戦時標準船(石狩丸 (初代)ほか) ともに青函連絡船。
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