軍事以外
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/18 19:26 UTC 版)
中世において、何らかの理由で家財道具を差し押さえられた場合、差し押さえた側がどういったものを差し押さえるかを検討し、目録として記した文書、または、差し押さえられた側が不当に感じて、どういったものを差し押さえられたかを書いた文書を、「雑物注文」、「色々物注文」という(網野善彦 『中世再考 列島の地域と社会』 講談社学術文庫 2000年 73頁)。一種の財産目録であり、時代時代の変化を研究できるが、近畿周辺のものが残り、東国や九州にはほとんど見られない(前同 100頁)。平安末期から鎌倉初期(12世紀末)では、烏帽子なども記されている(前同 74頁)。鎌倉末期から室町初期(14世紀)では、注文から若狭国で女性名主が多いことなどがわかっている(前同 82頁)。この時代となると農具・武具が多様化している(前同 82頁、85頁)。網野善彦が注目している点として、粟が記述されていることであり、庶民の常食としての位置が確認できる資料である(前同 85頁)。また14世紀中頃の百姓の注文の中には、太刀はないが、鑓が現れている一方、女性名主の注文の方には武具が無く、この時期に(少なくとも近畿圏の)女性の武装が無くなった可能性が示唆されている(前同 85~86頁)。
※この「軍事以外」の解説は、「注文」の解説の一部です。
「軍事以外」を含む「注文」の記事については、「注文」の概要を参照ください。
- 軍事以外のページへのリンク