引き揚げ後とは? わかりやすく解説

引き揚げ後

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 17:58 UTC 版)

赤塚不二夫」の記事における「引き揚げ後」の解説

父を除いた一家奈良へと引き揚げてから母親大日本紡績郡山工場工員寄宿舎寮母として働くようになり、赤塚地元郡山町郡山小学校編入し小学5年生となった一家満州帰りとして差別を受け学校でもいじめの対象となる中、2学期の頃から貸本屋5円漫画借りてむようになり、このとき手塚治虫の『ロストワールド』に出会ったことで漫画家になることを決意見よう見まね手塚風の漫画執筆没頭する。この漫画きっかけで、学校番長張っていた奥村という同級生仲良くなり学校生活一転柿畑から盗んで売り警察の厄介になるなど、数々悪行手を染めることになったが、赤塚のみならずかつて父が現地中国人に対して親切に接したように、周囲から差別され立場人間に対して優しい態度をとる一面もあったという。 その後赤塚漫画描き続け小学6年生になった12歳時にはダイヤモンド島』という128ページSF長編漫画描き母親一緒に大阪三春書房という出版社最初持ち込み行った失敗した中学生となった13歳時の1949年昭和24年)秋、母親わずかな稼ぎでは残った3人の子供を養っていくことが困難であったため、兄弟は父の郷里である新潟親類縁者それぞれ預けられることになり、中学1年生になっていた赤塚新潟県に住む父親の姉一家である大連帰り母子家庭預けられ母親からのわずかな仕送り暮らした赤塚14歳になったその年の暮れに、父親舞鶴港帰国する過酷なシベリアでの抑留生活日本の敗戦などで権威失い栄養失調による水疱でかつての面影もなくし、動作がのろくなって食欲異常に強くなり台所を度々荒らしてしまうなど以前とは全く違うような人物になっていたという。母親除いた父親と3人兄弟の4人一家は父の出身地であり赤塚本籍地であった新潟県西蒲原郡四ツ合村井随潟東村経て現在は新潟市西蒲区東地井随809番地移り赤塚四ツ中学校(現・新潟市立潟東中学校)へ転入し父親農業協同組合職員の職を得て彼の実家近くにあった 法讃寺に月100円納屋間借りをして生活を始めたが、やはり赤塚一家は「外地から戻ったもてあまし者として、排他的な農村では心底とけこむことは出来なかった」という。 1952年昭和27年)に赤塚中学校卒業したが、家庭金銭的な事情から高校進学断念し映画看板制作する新潟市内の看板屋小熊塗装店に就職したドラム缶を塗る仕事の他、映画看板制作携わっていた由縁から花月劇場という映画館管理人仲良くなったおかげで映画無料鑑賞できる事となり、この時、バスター・キートン駅馬車チャーリー・チャップリン喜劇感銘受けたという。また、この看板屋経験赤塚大きな影響与えており、「看板屋では、配色とか技術的な面でマンガ役立った明朝体でもゴシック体でも、作品タイトル全部自分書けようになったデザイン学校に通ってたようなもんだね」と語っている。この時期に『漫画少年』への投稿始めた手塚治虫投稿作品審査するコーナーがあり、この頃から自分絵柄模索し始めるようになる。初採用新潟看板屋時代テーマにした作品であり、1954年5月号に掲載された。 18歳だった1954年昭和29年)頃に父親頼みもあって上京し父親友人紹介就職した東京都江戸川区小松川エビス科学工業所という化学薬品工場勤務しながら『漫画少年』へ投稿続けた。その漫画石森章太郎(後の石ノ森章太郎)の目に留まり石森主宰する東日本漫画研究会」が制作する肉筆回覧誌「墨汁一滴」の同人参加。この同人東京支部長谷邦夫よこたとくおがいた。また既にプロ漫画家だったつげ義春同じく赤塚漫画興味持ち、しばしば遊びに来るようになった。 『漫画少年』の突然の休刊後、つげからプロへ転向勧められ一人では心細いとよこたを誘い、よこたと西荒川共同生活しながらプロ漫画家として活動する事となる。つげの仲介曙出版契約交わし1956年昭和31年6月描き下ろし単行本嵐をこえて』でデビュー以後1998年4月発行文庫版ひみつのアッコちゃん』まで、曙出版とは40年以上に渡る付き合いとなる。この長期間に渡る契約曙出版社長同郷新潟であったことが大きく関係しており、赤塚は「実はそのときあんまり色よい返事をもらえそうになかったけれど、最後に出身地の話になってオレと同じ新潟出身だったので、なんとかうまく話がまとまった」と語っている。

※この「引き揚げ後」の解説は、「赤塚不二夫」の解説の一部です。
「引き揚げ後」を含む「赤塚不二夫」の記事については、「赤塚不二夫」の概要を参照ください。

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