直筆
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/19 09:27 UTC 版)
直筆(じきひつ[注釈 1])とは、手書きの文字や絵などにおいて、ある特定の個人が直接書いたものである事を指す言葉。
自筆(じひつ)、肉筆(にくひつ)、直書(ちょくしょ)、真筆(しんぴつ)、真跡(しんせき)とも呼ばれる。
概要
ここで、手書きであっても、誰が書いたか分からないものや他人に代筆させたものなどは含まれない。また、通常、紙などに書かれた実体のある物だけに適用される言葉で、タブレットなどを用いてコンピュータ上で書かれたものなどは除外される。
有名人が直筆で書いたものにはそれだけで高い価値が生まれる。色紙などに書かれるサインはその典型である。
直筆のサインなどを他人に売ったりする時は、直筆である事を証明するために、書きあがったものと本人が一緒に写っている写真を添付したりする。
特徴
直筆である事の特徴は複製が困難ということである。
各種契約や取引などで直筆による署名が用いられるのもそのためである。物である印鑑は盗難や複製の懸念があるが、人間の手が生み出す筆跡や筆圧のクセなどは他人がそう簡単に真似の出来るものではない。また、印章程には簡単に偽造できない。ただし、不可能と言う訳ではない。
また、筆記用具の種類や書かれる媒体等によっても偽造の容易さは異なる。
ただし、意思表示の点から言うと、本人と筆記用具だけがあれば良いため、印鑑よりも安易に使えてしまうデメリットもある。
収集
オートグラフ(直筆署名、手稿)の収集は16世紀のイギリスではじまり、18世紀までに貴族の趣味として定着していた[1]。
アメリカ合衆国では19世紀初頭に収集熱が高まり、独立宣言の署名人の直筆署名は特に珍重された[1]。
直筆手稿のみのオークションが開催されることもある[2]。図書館は歴史的な人物のオートグラフを収集することがある[3]。直筆手稿や書簡の収集はアメリカ合衆国では1815年頃に活発になりだしたとされる[4]。
小説などの直筆原稿は、推敲の跡などがそのまま残るため、文学史の研究などにおいても重要な資料となり、「作家本人の手書きである事」以上に高い価値を持つ。
脚注
注釈
出典
- ^ a b Josh Lauer (2007) Traces of the Real: Autographomania and the Cult of the Signers in Nineteenth-Century America, Text and Performance Quarterly, 27:2, 143-163, doi:10.1080/10462930701251207
- ^ Collecting Manuscripts: By Private Collectors In Library Trends 05 (3) Winter 1957: Manuscripts and Archives: 330-336
- ^ Herbert Cahoon Literary manuscripts and Autographs (1961)
- ^ The Lives of the Autograph Collectors 2013
関連項目
肉筆
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作品名技法形状・員数寸法(縦x横cm)所有者年代落款・印章備考ほうづき 絹本著色 1幅 127x42 培広庵コレクション 1917年(大正6年)。 町娘・遊女図 絹本著色 双幅 各160x42 培広庵コレクション 1918年(大正7年) 四季美人図 絹本著色 二曲一隻 220x212 培広庵コレクション 1918年(大正7年)頃 お七吉三 絹本著色 双幅 126.0x42.0 秋田県立近代美術館 1910年代(大正初期) 各幅に款記「耕花圖之」/「□□□」白文方印 宋三彩劃花壺(壺三題の内) 掛川市二の丸美術館 1922年(大正11年) 再興日本美術院展出品 婦女愛禽図 紙本著色 二曲一双 185.5x186.0(各) 横浜美術館 1925年(大正14年) 腑分け 絹本著色 1面 141.0x189.0 慶應義塾大学医学部 1927年(昭和2年) 第14回再興院展 ウンスン哥留多 紙本著色 二曲一双 135.0x190.0(各) 横浜美術館 1930年(昭和5年) 謡曲幻想 隅田川・田村 紙本著色 四曲一双 172.0x302.8(各) 横浜美術館 1930年(昭和5年) 胡瓜 紙本墨画淡彩 六曲一隻 159.5x495.0 横浜美術館 1930年(昭和5年) 秋色 紙本著色 1幅 60.0x75.3 北海道立近代美術館 1933年(昭和8年) 若衆 1幅 白澤菴(大津市歴史博物館寄託)
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